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【アリエルside】アイスフォードの決意
しおりを挟むアイスフォード・・・泣くほど辛いか・・・でも、全てはお前が引き起こしたことだ。誰のせいでもない。事の発端はフラムウェルかもしれないが、その後、いくらでも守ってやれたはずだ。それをしなかったのはお前だ。
「リシェリアは、叔父上の腕の中にいる。私ではない。私の隣には・・・リシェリアはいない」
何を、見たままの事を言っているのだ・・・誰だってわかるぞ?・・・あぁ、そう言う事か・・・リシェを守っているのが俺だと言いたいのだな・・・自身であればよかったと
「あんなに素直に笑って、あんなに感情を露わにして、あんなに甘えて・・・何一つ私は知らない・・・何一つ見せてもらえなかった」
お前が引き出せなかっただけだろう・・・そしてこれからもそれを見る事ができるのは俺だけだ。
「辺境の環境が良かったんじゃない。叔父上がよかったんだ。そう知って打ちのめされた」
いや、辺境の環境がよかったんだと思っていたんだが・・・俺が・・・よかったのか?いや、リシェが幼い頃に関わっていたという事もあったから、俺だけに甘えてくれたのであって・・・ん?なんか視線を感じる・・・って、リシェが見てるぅぅぅ!!見てるっていうより、見上げてくる。上目遣いするんじゃない!くそっ、これが屋敷なら間違いなくリシェの唇を奪ってるのに・・・できないのが悔しすぎるではないか!なんだこのお預けは!しかし・・・可愛いな。俺がいたからお前はそんな風に感情を出せるようになったのか?俺がよかったから甘えてるのか?だとしたら・・・俺は・・・自惚れてもいいか?はぁ、リシェ・・・好きだ、大好きだ
「必死に王都に帰ろう、俺とやり直そうと言った。でもね、目の前で振られた・・・夫にしたいのはアリエル・モーガンただ一人だと・・・」
あれは・・・俺も聞かされてなかったからな・・・心臓が止まるかと思ったぞ。俺の心臓を意図的に止められるのはリシェだけかもしれんな・・・皆の前で夫にしたい宣言バラされてしまったな・・・リシェ、恥ずかしがってるんじゃないか?・・・ん?なんでそんなに嬉しそうなんだ?もしかして、夫という表現を喜んでいるのか?あぁ、お前は嫁だぞ!俺の嫁だ!
「叔父上、そしてリシェリア・ブルスト侯爵令嬢、大変すまない事をした、この通りだ。許してくれとは言わない。謝っても許されない事をした」
リシェが許しても俺は許さん。リシェもこんな奴、許す必要ないからな。ずっと嫌いでいればいい。好きなのは俺だけでいいんだ。俺だけを見ていてくれれば、俺はそれだけで世界一幸せな男になれるんだからな。
「父上、私、アイスフォード・アルタイルは許されない罪を犯しました。よって、王位継承権を放棄します」
「ア、アイスフォード、何を言うのだ!」
「こんな人間が、未来の国王など、誰がついてきてくれましょう・・・もちろんフラムウェルもです」
アイスフォード辛い決断をしたな。これからのお前が穏やかに過ごせることを祈るよ。そしてリシェを手放してくれた事だけは・・・感謝する。
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次回
兄上の子ではない
本当の髪は何色だ?
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