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【リシェリアside】ベタ惚れと言われました
しおりを挟む「俺は王になりたいとは思わん。地位など不要だ。今の生活にも不満はない。国王になる利点が思いつかん。俺だけの意見で言えば、答えは却下だ。俺の進退を決めるのは俺じゃない。俺が今後どうして欲しいか、どんな俺でいて欲しいか・・・お前が決めろ、リシェ」
「へっ!?私がですか?」
わ、私が決めていいのでしょうか・・・え、えっとどうしましょう・・・アル様はアル様なので何でもいいのですが・・・でも、国王様になってしまったら、一つだけ気になることがあるんです。この国は世継ぎの事もあり、国王のみが一夫多妻制をとることができるのです。国王になったら、アル様も・・・複数の女性を手元におかれるのでしょうか?私はそんなの・・・耐えれません・・・
「あぁ、俺の身体はもう俺だけのものじゃないからな」
えっ・・・アル様の身体・・・身体!?い、いえ、そういう意味で言われたわけではありませんわ。なんか変な想像してしまいましたわ・・・もの凄い事を言われましたよ?アル様、自分で気付いてらっしゃいます?
「俺はお前だけのものだ。俺が向かう所にリシェは道連れだ。だからお前が選べ」
私だけのアル様・・・そんな皆様の前で宣言されるなんて・・・信じますわ。これからもずっと、私だけのアル様でいてくださるなら、望むことは一つです。何を言っても文句は言わないでくださいませね?なんなら、今ここで、帰ったら、たくさんキスしてくださいとお願いしてもいいのですが・・・二人だけの事を皆様に教えて差し上げなくてもいいですわね。私の望みは・・・
「アル様、私、騎士をしているアル様が大好きです。民の皆さんをこの大きな優しいてが守ってくれている・・・でも、場所が変わろうと、地位が変わろうと、アル様はアル様で何も変わりませんわ。だから、アル様・・・私はアル様が作る国が見たいですわ。アル様の側で、この国の未来を。幸せな未来を見せてくれませんか?」
これが私の気持ちですわ。どうでしょうか?
「はぁ・・・宰相どうだ?俺のリシェは美しい上に最高だろう?」
ア、アル様・・・褒めすぎですわ・・・
「きゃぁっ!」
えっ!?ア、アル様!どこに行くんですの?皆様が見てますわ・・・皆様道を譲られますわ・・・もう、皆様にも認められていらっしゃるのですね。アル様?なぜお膝に!?えっと、あの・・・皆様からの視線が・・・
「皆の者聞いてくれ!俺の大事な女が俺に国王になれと言った。だから俺は国王になる!異論がある奴はいるか!」
大事な女・・・アル様・・・
「この際だ、皆に言っておく。俺はこの外見だ。女に好かれた事がない。この中には俺を避けてきた女もいるだろう」
アル様は素敵ですよ?何をお話しされるのでしょうか?
「俺は、このリシェリア・ブルスト侯爵令嬢にベタ惚れだ!俺の妃になるのはリシェリアただ一人だ。だから地位や金、権力に目がくらむ女はいらん。もちろん薦めてもくるな」
へっ!?ア、アル様・・・どうしましょう・・・なんだか、もの凄く嬉しいのですが!!ベタ惚れ・・・そんな事があっていいのでしょうか・・・もう、これは・・・帰ったら、ちゅっちゅの刑ですわ!アル様を再起不能にしてやります!(←考えている事は同じなのだが、幾分リシェリアの方が過激な気がするのはどうしてだろう・・・)
「リシェリアは俺の最大の弱点だ。使い方を間違うな、うまく使いこなせ!貶めようとしたり、害そうとする奴は命はない、覚えておけ!」
最大の弱点・・・そんなに私の事を大事に想ってくださるのですね。もう、アル様大好きです!しかし、うまく使いこなせとは・・・私に弱いから俺はなんでも言うこと聞いちゃうぞ?的な事でしょうか?だとしたら、私のお願いは全て通ってしまう事になってしまいますわね・・・しかし、アル様はそんな方ではありませんわ。きっと、私を信頼して頂けているという事でしょう。アル様は何年も王都から離れていらっしゃったから、きっと、信頼できる者がいいという事ならとおっしゃっているのかもしれませんね。
私に害をなそうとする者はいるでしょう。現に先ほどそんな目にあったばかりですもの。アル様の言葉が力強くて嬉しいです。守られていると実感できます。私の旦那様は、最強で最高で素敵です!
帰ったら、たくさんご褒美をあげませんとね?
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次回
私にお任せくださいませんか?
応援ありがとうございます!
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