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【アリエルside】恋の病のお世話で追いかけっこ
しおりを挟む「・・・ん・・・朝か・・・リシェ・・・ん?・・・リシェ!?」
なんでリシェがいない!?どこ行ったんだリシェ!気付いたら部屋から飛び出していた。
「リシェ!リシェ!どこにいるんだ!リシェ!」
まだ使っていない夫婦の寝室。いない、リシェの部屋か?どこにいるんだ・・・
いた・・・リシェがいた・・・よかった・・・
安心して膝から崩れ落ちてしまった。
「ぐずっ・・・りしぇ・・・うっ・・・りしぇぇ・・・」
「アル様おはようございます、どうなされたのです?」
「うっ・・・おき、たら・・・りしぇが・・・いな、かったぁぁ・・・うくっ・・・」
元気になったんだな・・・お前がいるって確認させろ・・・だが、オッサンが泣いて縋ってるなんて、気持ち悪いな・・・
「アル様泣かないでください。先に起きてしまってすみません」
「うっ・・・ぐすっ・・・かってに、いなく、なるな・・・」
「はい、ごめんなさい。昨日湯あみしてなかったので、フローラさんにお願いしたんです」
「陛下、いい大人の男がぐずって泣くなんて格好悪いですよ?」
格好悪いとかどうでもいい・・・だって、起きたらリシェがいなかったんだぞ?今までこんな事なかったのに・・・
「だっでぇ・・・りしぇが・・・いないなんてぇぇ・・・」
しかし、膝から崩れ落ちたはいいが、この状態だと、抱きついた位置がマズかったな・・・俺の俺が元気だ・・・目の前にリシェの胸の膨らみが・・・柔らかいな・・・泣きながら反応するとか変態だ・・・
「ふふっ、アル様、今日は体調が悪いのですね?」
なんだ?何を言ってるんだ?俺は体調悪くないぞ?
「おれは、たいちょうは・・わるく、ないぞ?」
「いいえ、アル様は体調不良です」
断言するじゃないか・・・どうしたんだリシェ?
「・・・何を言ってるんだ?」
「ふふっ、体調不良のアル様は寝台に寝かせませんとね」
俺は元気なんだが?なぜ寝かせらるんだ?も、もしかして・・・俺が欲情してしまった事に気付いて・・・まさか、これを言ってるのか?これは体調不良でもないし、腫れたりしている訳でもない!これは病気じゃないんだ!
「リシェ、俺は元気だ。体調は悪くない」
「いいえ、今日はアル様は体調が悪い日なのです」
体調が悪い日?なんだそれ?
「陛下、リシェリア様は、昨日陛下にお世話をして貰ったのが嬉しくて、同じ事をして差し上げたいのではないですか?」
そうなのか・・・それは嬉しいが、しかし・・・俺は病気ではないしな・・・
「フ、フローラ、しかし、俺は体調は悪く・・・」
ん?待て・・・これは看病するというリシェに構ってもらえるのではないか?もしかして、あーんしたり、添い寝したりなど・・・ん・・・そうだ、俺は病気だった。一生かけても治る気がしない病気だ!
「そう、体調は悪くない・・・が、俺は病気だ。一生治らん病気だった」
「えっ・・・そ、そんな・・・何の病気なのですか!?治らないなんて・・・そんな・・・嫌です!アル様死なないでください!!」
俺の病気は恋の病だ。死ぬはずがない。まぁ、一生治らんがな。
リシェが俺の胸に飛び込んできた!ちょっと、からかいすぎたか・・・しかし、そんなに俺がいないとダメだと思ってくれているのだな
「リシェ、俺の病気は死ぬことはない。しかし・・・一生治らんのだ・・・」
「・・・嫌です・・・そんな・・・うっ・・・」
・・・なんて可愛い嫁なのだ。泣かなくてもいいんだぞ?死にはしない。死んでも俺が後悔しかないじゃないか!死ぬなんて無理だ。まだリシェを独り占めしたいのに・・・
「陛下、いたずらはよしてください。陛下は病気なんてしてません。ピンピンしてます。きっと、恋の病とでも言いたいのでしょう?」
「あぁ、そうだ。俺は毎日、毎日リシェに恋している。この病気は一生治らんぞ?ずっと面倒見てくれるか?」
一人の女に対して恋が一回で終わらないなんて聞いたことがない。この病は一生治ることはないだろう。お前がいないと、俺は衰弱して本当に死んでしまうかもしれない。だから、ずっと側にいて、このオッサンの面倒を見てくれるか?
「・・・アル様の意地悪・・・本気で心配したんですよ・・・」
ヤ、ヤバい・・・ちょっとからかいすぎた・・・リシェ、怒ったか?俺の事嫌いになったか?
「わ、悪かった!しかし、恋の病は治らんのだ。リシェしかこの病を癒すことはできんのだぞ?」
「仕方ないですね。私がお世話して差し上げますわ!」
本当か!?リシェは優しいな。俺を見捨てたりしないでずっと側にいてくれる。大好きだ、リシェ。
リシェが構ってくれる・・・嬉しい・・・幸せすぎる・・・
「アル様、恋の病は湯あみしても問題ないですわ。さぁ、お背中流しますわ!」
な、何を言い出すんだ!そ、それはマズいぞ・・・俺の俺が非常にマズい事になる!
「い、いやっ、風呂は自分で入れる!」
「ダメです、病なのですから、湯船で沈んだらいけませんでしょう?ここは大人しく言う事を聞いてください!」
それだけは聞けん!諦めろ、諦めてくれ!!
「そのお願いは聞けんぞ!一人で入らせろ!」
これはまだ続くのか?なかなか諦めてくれんな。これはこれで楽しいが・・・おっ・・・流石に疲れたらしいな。今のうちに湯あみしてこよう。
ふぅ・・・うっ、リシェが膨れっ面だ・・・その・・・可愛いな。お前は何しても可愛い。気持ちは嬉しいがな・・・湯あみはダメだ・・・さぁ、俺の腕の中に来い。愛しい嫁よ・・・
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次回
どこのどいつだ!叩き切ってやる!!
応援ありがとうございます!
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