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71、体調不良と拒否?
しおりを挟む※最終回のつもりでしたが、書き始めると長くなってしまった為、4つに分けました。
「リシェ、そろそろお昼にしよう」
「・・・はい」
「ん?どうした、元気ないな・・・体調悪いか?」
「だ、大丈夫です、なんでもないですわ」
「それならいいが・・・」
アリエルとリシェリアは食事にしようと、執務室を出た。
「リシェ、やっぱり変だ。あまり食べていないではないか」
「すみません・・・食欲がないみたいで・・・」
「何だったら食えそうだ?」
「・・・今は・・・いりません」
「そうか・・・今日は執務を休め」
「すみません・・・そうします」
「あぁ・・・無理は良くないからな」
アリエルはリシェリアの頭を撫でると、横抱きにして夫婦の寝室の寝台へと運んだ。
「アル様・・・ご心配をかけてしまいました・・・なんで食欲がわかないのでしょう・・・」
しばらくすると、リシェリアは寝息を立て始めた。
「・・・ん・・・」
「リシェ、起きたか?体調はどうだ?」
「あるさまぁ・・・」
「まだ良くはないみたいだな」
アリエルが優しく髪を梳いてくれる。
「飯は食えそうか?」
「今日は・・・無理かもしれません」
「そうか・・・じゃあ、このまま寝たほうがいいな。俺も一緒にねるぞ?」
アリエルは寝台の中に入り、リシェリアを優しく抱きしめる。
「アル様・・・キスしたいです」
「可愛い嫁の望みはきいてやろう」
アリエルはちゅっと軽く触れるようなキスをする。しかし、抑えきれず舌を押し込み、貪るように深いものへと変わっていく。
「・・・うっ・・・」
途端、リシェリアが顔を離し口元を押さえた。
「リシェ!?・・・すまん・・・いやだったか?」
「あっ、いえ、いやとかでは・・・ないのですが・・・」
「・・・とうとうリシェに拒否される時が来たという事だろうか・・・辛いな・・・」
「違うのです!拒否ではなくてっ・・・アル様・・・」
リシェリアの瞳は涙で溢れ、アリエルの服を掴み縋り付く。
「体調が悪いのに強引だった俺が悪いんだ。リシェ、泣かないでくれ・・・」
「本当はもっとしたいのです・・・でも・・・アル様・・・」
「大丈夫だ。気持ちだけでも嬉しい。泣くな・・・今日はゆっくり休め・・・」
「・・・好きです・・・体調良くなったら、たくさんキス・・・してくださいますか?」
「あぁ、もちろんだ。唇にだけじゃなく、身体中キスしてやる」
「ふふっ・・・アル様、大好きです」
「あぁ、俺も大好きだ」
アリエルに抱きしめられたリシェリアはホッとしたのか寝息を立てて眠った。
「・・・オッサンが若い嫁に拒否される日がとうとう来たのかもしれん・・・覚悟せんとな・・・しかし、ツラい・・・俺はもっと・・・リシェに構いたいのに・・・」
アリエルは静かに落ち込みながら、自分を慰めるように腕の中の愛しいリシェリアを抱きしめて眠りについた。翌日、落ち込むアリエルの思考を吹き飛ばす事が起きる。
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