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9、国王の考えとは

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「それは、エスコートをバージルにという事でよろしいのですね?」

「ああ、そうだ」

国王は、バージルがエスコートをするのを了承するようだ。

「そしてミーティアのデビュタントの夜会で、婚約者の発表をする」

「ミーティア王女殿下の婚約者をお決めになったという事でしょうか?」

「その通りだ」

(ん?じゃあ、なんで俺がエスコートするんだ・・・?)

国王の意図が分からない、テオドールとバージルは目を見合わせている。

「バージル、君はミーティアから夜会のエスコートを頼まれたね?」

「は、はい、先日聞かされたばかりですが・・・」

(婚約者決めたんだよな?・・・でもエスコートは俺・・・護衛とか?)

「しかし夜会など、騎士団に入団する前に参加した一回切りです、私では不足かと思いま・・・」

「バージル」

国王は、バージルの言葉を遮った。

「は、はい」

「ミーティアは君を選んだ」

「・・・はい」

「もちろん夜会のエスコート頼むつもりだ。この意味わからぬか?」

(えっと・・・婚約発表する相手が決まってるのに・・・俺がエスコートする意味・・・)

冷静ではなく、理解が追いつかないバージルの代わりにテオドールが間に入る。

「陛下、それはミーティア王女殿下の婚約者にバージルをお決めになったと?」

「そういう事だ」

「ふぇっ!?」

(・・・・・オレ・・・コンヤクシャ・・・???)

「娘は君を好いているようだ。君の覚悟が決まれば、夜会のエスコートをもって君をミーティアの婚約者と発表する。

もし断りを入れても君を罰する事はない、夜会のエスコートの変わりなどいくらでもいるし、ミーティアはまだ15歳だ、嫁ぎ先などいくらでもある、気にせずともよい。無理にとは言わん、君の人生だしっかり考えてくれ」

(・・・・・ナンテコッタ・・・・・)

国王は穏やかに笑っていたが、バージルの心は穏やか・・・ではなかった。

「それでは、陛下、失礼します」

「ああ、くれぐれも内密に頼むよ」

「御意」

「バージル、いい返事を待っておるぞ」

「・・・はい」

二人は執務室を出た後、無言で歩きそのまま第二騎士団の詰所に向かった。






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