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50、義母上への相談
しおりを挟むコンコンコン。
「義母上に相談がしたい、お時間があるか伺ってくれるか」
「かしこまりました、お待ち下さい」
侍女は中に戻ると、しばらくして入室の許可が出たと戻ってきた。
「義母、上急な来訪失礼します」
「バージル、よく来たわね。かしこまらずともいつでも来ていいのよ?あなたはもう息子なんだから」
「嬉しいお言葉です」
「それにしてもどうしたの?」
「えぇ、あの・・・人払いをお願いしたいのですが」
王妃が目配せをすると、侍女たちが部屋から出ていった。
「何か相談かしら?」
「はい、実は先程一緒に庭園を散歩しておりましたら、ティアが急に倒れまして」
「ミーティアが!?大丈夫なの?」
「はい、大事には至っておりません。病気ではありませんでした」
「病気はではないのね?それでなぜ倒れたの?」
「はい、医者の診察を受けたところ、子を宿しておるとのことです」
「まぁ!懐妊したのね!なんて嬉しい報告なの!!」
王妃は椅子から立ち上がり喜びを全面に出している。
「義母上」
「あらごめんなさい。少々はしゃぎすぎましたわ」
王妃が椅子に座り直したのを確認して話し出す」
「それで、医者からの進言なのですが、懐妊したことを世にめでたい報告として周知するかどうかと」
「そうね、まだ安定期にも入ってないし、変な重圧を与えてはミーティアも安心して子を産めないわね」
「はい、なので、どのタイミングで民に知らせるかなどの助言を頂きたく」
「ミーティアは知ってるの?」
「いえ、今は部屋で休ませています。医者は、ティアとカーラには、夏の疲れが出たのではないかと話しておくと」
「そうなのね。では、ミーティアが出歩けそうになったら一緒にいらっしゃい。それまでは医者の説明に合わせておきましょう」
「わかりました」
「バージル、本当にありがとう」
「いえ、私は何も」
「あの子に普通の幸せを与えてくれているのは紛れもなく・・・あなたよ」
バージルは王妃の言葉を胸に、少しずつ親になる、家族になる事の実感がわいていた。
王妃に報告をしたバージルは、ミーティアの様子を見に部屋に戻った。
「入るよ」
「ジル」
「起きたんだな」
「ええ」
「体調はどうだ」
「さっきよりはいいわ」
「しばらく安静だ」
「うん」
「義母上が心配していた。元気になったら二人でおいでとおっしゃっていた」
「心配かけてしまったわね・・・」
「早く元気になった姿を見せてあげないとな」
「えぇ、そうね」
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次回
小さな命・・・この子を守りたい
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