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王太子アルフレッドの新たな婚約者

次期宰相候補、側近マルクス

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エリアナが部屋から出てこない日が続く。見かねた王妃によって、エリアナはサファイア宮へと移されることになった。アルフレッドは、話をさせて欲しいと、何度もサファイア宮を訪れたが、エリアナが心を開くことはなかった。時折見るエリアナは、顔色が悪かったり、泣いたあとが見える事もあった。


アルフレッドは悩んでいた。


「どうしたらエリアナは心を開いてくれるのだろうか・・・」

「殿下、何も心当たりはないのですか?」


次期宰相候補であり、アルフレッドの側近であるマルクスが訪ねる。


「心当たり・・・そんなものわかっていたら、とっくになにか手を打っている」

「そうでございますね・・・」

「どうすればよいのだ・・・どうすれば・・・」


アルフレッドは、自身の執務室のソファに体を預け、頭を抱えていた。


「エリアナ様・・・学園でも同学年でしたね」

「あぁ、在学中に顔ぐらいは見た事はある」

「綺麗な赤い髪が目立っておいででしたね」

「・・・・・そうだな」

「活発で明るく、笑顔の絶えない方でした」

「・・・」

「変わってしまわれましたね・・・」

「・・・私が変えたと言いたいのか?」

「直接にとは申しません」

「・・・」

「彼女の笑顔が見たいですね」

「お前・・・」

「なんでしょう?」

「エリアナの事・・・好き・・・なのか?」

「それはありません。私は幼い頃から一途に愛する方がおりまして、今、必死にアプローチをしているところなのです」


マルクスがにっこりと笑みを浮かべる。


「そうなのか」

「エリアナ様は卒業するまでは、今のように表情に影を落とされるような事は無かったように思います」

「私の婚約者になってからと言うことか・・・しかし、王命で婚約者になったとはいえ、私はそんなに嫌悪されるほど嫌われる覚えはないが・・・」

「殿下になくても、エリアナ様にはあるということではないでしょうか?」

「どういう事だ?」

「例えば・・・婚約者や、もしくは婚約を考えていた相手がいて・・・今の私のような、つまり、いずれ将来を考えていた相手がいたとすれば・・・」

「王命が引き裂いたという事か・・・」

「そもそもの原因は殿下ですからね。まぁ、私も殿下ばかりを責める事はできませんので、なんとも言えませんし、本当のところはわかりません。しかし、可能性は十分にあるかと」

「そう・・・なのか・・・」




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次回

いつからだ、いつからナディアと・・・

殿下には感謝しておりますよ


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