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王太子アルフレッドの新たな婚約者

王太子の涙と王太子妃の涙

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エリアナは、庭園に出来上がった迷路に時折散歩に出ていた。その度にアルフレッドは、二階にある自身の執務室の窓からそれを眺めていた。


どれだけの時が経ったのだろう。天気の良いその日も、散歩をしているエリアナを見ていた。いつもと変わらぬその光景に変化が起きた。出口付近に赤色が目に入った。アルフレッドは目を見開いて、夢ではないかと何度も確認した。胸の高鳴りを抑えられず、勢いよく執務室を飛び出していった。




「エリアナ!」

「そんなに息を切らしてどうされたのです?」

「なぜここにいる!?」

「なぜって・・・迷路の、出口だからですわ」

「出口・・・」

「そう、出口から出たんですの」

「それは・・・」

「寝室の鍵、開けておいてくださいませね?夜にお会いしましょう」

「・・・うっ・・・ひくっ・・・えりあなぁぁ・・・」


エリアナはゆっくりと歩きながら去っていった。アルフレッドはその言葉を聞き、地面に崩れ落ちるように膝をつくと嗚咽を漏らしながらボロボロと泣いた。アルフレッドが泣きながら執務室に戻る途中、すれ違う文官も騎士もメイドも、何事かと驚いた。執務室に戻ってきたアルフレッドを見て、マルクスは時間がかかりましたがよかったですねと声をかけた。





アルフレッドは寝室の鍵を開け、緊張して待っていた。扉を開ける音がする。


「アルフレッド様」

「エリアナ!」


寝台に座っていたアルフレッドは、勢いよくエリアナに駆け寄った。


「まるで主人の帰りを待っていた犬のようですわ」

「それでもよい!なんでもよい!」


エリアナの手には薔薇の花が八本。


「薔薇?」

「えぇ、私からの気持ちですわ」


薔薇八本の意味は、あなたの思いやり励ましに感謝します。


アルフレッドの不器用で格好悪くとも、一生懸命な姿がエリアナの気持ちに変化をもたらした。


「それと、アルフレッド様、将来国王となられるお方が人前でぼろぼろと泣くものではありませんよ?」

「・・・すまない・・・感情が抑えられなかったのだ・・・」

「では、私にそれをぶつけてくださいませね?」

「へっ?」

「抱いてくださらないのですか・・・私、歳を重ねたので魅力がなくなったのですね」

「そんなわけがないであろう!」


アルフレッドはエリアナを横抱きにし、急いで寝台へと運んだ。そのままエリアナに覆いかぶさると、夜着を脱がせていく。現れた肢体と膨らみは美しかった。熱が込み上げてきて、気付けばエリアナの身体に夢中になっていた。数年ぶりの女の肌に、アルフレッドは欲を抑えることはできなかった。

アルフレッドが自身を刻みつけるように打ち付け揺さぶる先で、エリアナの瞳からは一筋の涙が流れ落ちた。アルフレッドは、初めての行為が痛かったのだと思っていた。しかし、エリアナは、痛みで泣いていたのではない。心が流した涙が形として現れた。


もう、戻れないのだと。初めてを失ってしまったのだと・・・。



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次回

何度も言わせるな!

もう一度だけ・・・


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