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拗らせすぎた片想い
こんな時だからこそ
しおりを挟むトーマスは急いで第二騎士団に戻った。
「テオ!!」
「そんなに慌ててどうした?」
「シルビアが!」
「シルビアに何かあったのか?」
「あれは普通じゃない、とにかく急ぐぞ!」
焦った様子のトーマスは、シルビアに何があったのか、どう様子がおかしかったのかは何も話さず、とにかくついて来いと言うばかり。トーマスの後を馬で追いかける。ついたのはトーマスがシルビアを見かけた食堂の付近だった。
「トーマス、何があったんだ?」
「シルビアは・・・侯爵家に嫁に行ったのは間違いないよな?」
「あぁ、そう聞いたが?」
「自分は結婚していないと言ったんだ。大きな荷物を抱えていたから、どこに行くんだって聞いたら、旅行でエミリアのいる辺境の地に行くと言ったんだが・・・」
「結婚していない・・・?」
「何があったかわからんがすぐ追いかけろ。まだそんなに時間は経っていない」
「・・・」
「テオ!!」
「・・・バージル」
「は?何言ってるの?今、バージルは関係ないでしょ!!」
「こんな時だからこそだ。焦って闇雲に探してもダメだ。バージルに策を練ってもらう」
「・・・わかった、急ごう」
二人は王宮へと馬を走らせた。
「バージル!」
「どうしたんだ、二人とも」
「シルビアが!」
「シルビアがどうした?」
「いなくなった・・・」
「はぁ?」
「侯爵家に嫁に行ったと聞いていたが、食堂の前で会ったトーマスが聞いたら、自分は結婚していないと大きな荷物を持っていたと言うんだ。辺境にいるエミリアの所に行くって」
「結婚していない・・・」
「テオにはすぐ追いかけろって言ったんだが、バージルに相談するって言うから・・・」
「テオドール、一刻を争うかもな。ひとまず辺境へは、シルビアが来たら連絡を入れるよう伝えるとして・・・それから・・・キール、ベント!」
バージルが名を呼んだかと思うと、どこからともなく男性二人が現れた。
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次回
いや、あれを使おう
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