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恋した君と愛する君

まがいものと言われた理由

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マーガレットは、サイラスが少しずつ変わってきているのに気付いた。夜会でライネル侯爵子息が言っていた事。たまに怒りを露わにして抱かれた事。異常なまでにクライスに嫉妬心を燃やす事。今なら話してくれるかもしれないと聞いてみる事にした。


「サイラス様、お話があります」

「・・・離縁か」

「離縁はしません」

「じゃあなんだ、他に好きな奴でもできたか?」

「それも違います」

「・・・俺が嫌になったか」


「いいえ、嫌いになどなっておりません」

「・・・」

「私はサイラス様と本当の夫婦になりたいのです・・・ですから、隠し事はなしにしませんか?」

「隠し事・・・か・・・」

「はい、ライネル侯爵子息様が言っておられました。私はまがいものの人形だと」

「レットはまがいものなんかではない!」

「では、何故そんな風に表現されたのでしょう?」

「・・・俺の・・・せいだ・・・」

「・・・」

「俺が君を選んだから」

「それは他国に嫁がれたマーガレット王女殿下、今は王太子妃でしたね。似ていた・・・からですか?」

「っ・・・」

「お話ください」

「・・・マーガレット王女殿下を・・・」

「・・・はい」

「俺は・・・マーガレット様に・・・やってはいけない事をした」

「何をなさったのです?」

「・・・つきまとって・・・気持ちを押し付けて・・・最後には・・・無理矢理組みしだこうとした」

「・・・どうしてそんな・・・」

「欲しかったんだ・・・幼い頃に出会った彼女は眩しかった。俺は彼女を手に入れたかった。俺だけものにしたかった・・・彼女の特別になりたかった・・・」

「・・・愛しておられたのですね」

「・・・」

「だから私を乱暴に抱く時にマーガレットとお呼びになられていたのですね?」

「うっ・・・」

「最初はわかりませんでした。気持ちが昂って呼び名が変わっているのかと。でも、気付いたんです。他の誰かに見立てて抱いていらっしゃるようだと」

「・・・」

「やっと二人になったとおっしゃった。あの時は邪魔が入ってできなかったとおっしゃった・・・」

「・・・マーガレット様を・・・マーガレット様に無理矢理・・・途中で見つかって・・・近衛に捕まった」


サイラスは感情を露わにしながら過去の自分の過ちを話していった。



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次回

俺は、レットの幸せな人生を奪った・・・なぁ・・・レット・・・俺と・・・離縁、するか・・・?

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