208 / 211
モテ男、戸惑いの初恋
名前に魔法がかかった
しおりを挟む「では、条件があります」
リュシアンががばっと起き上がり、セーラの両手を自身の両手で包み込み、数センチの距離まで顔を近づけた。
「何ですか!?条件をクリアすれば、セーラ嬢が貰えるんですか!?それはどんな条件ですか?教えてください!!」
「ち、近いです」
セーラの顔が真っ赤に染まっている。
「あっ、あっ・・・すみません!!」
手を離して距離を取った二人。
「私は、この騎士という仕事を誇り思っています。もしお付き合いして、婚約者になって結婚しても、しばらくは続けたいです」
「はい、それはもちろん!でも・・・不安です」
「不安ですか?騎士の仕事が危険だからでしょうか?」
「それもありますが・・・もっと不安な事があるんです」
「もっと?何ですか?」
「・・・騎士団は男所帯なんですよ。狼の群れにウサギを放り込むようなものです。そんな危険な場所に、セーラ嬢を置いておくなんて気が気がじゃないです!いつか狼達に食べられてしまうかもしれないって思いながら毎日を過ごすなんて・・・」
「私は今まで第三にいたんです。本物の狼はたくさん遭遇してきましたから慣れていますよ?」
「いや、本物の狼の話ではありません!男は獣なんです!普段は爪や牙は隠してますが、それはしまい込んでいるだけです!」
「・・・じゃあ、毎日確認してくれますか?」
「へっ?」
「私が今日も無事だったって」
「今日も・・・無事・・・」
「毎日顔を見たいという事です」
「もちろんです!そんなのご褒美じゃないですか!」
「ふふっ、私がご褒美だなんて、クレマン副騎士団長は安上がりですね・・・」
「・・・リュシーです」
「?」
「僕、リュシアンなので、リュシーです」
「・・・リュシー?」
「・・・もう一回・・・もう一回言ってください」
「リュシー」
「!!!・・・なんだか僕の名前に魔法がかかったみたいです。輝いてます!」
「大袈裟ですよ。私の事はセーラって呼んでください」
「・・・セーラ」
「はい、リュシー」
その後、リュシアンは、また床に倒れてしばらくジタバタしていた。二人は次の休みに、もっとお互いの話をしようと約束をし帰路についた。
いつも女性に囲まれていた色男が、初めての恋を知り、愛を知らない令嬢が愛される事を知る。気付けばいつの間にかいなくなっていたクリスフォード。何かにつけ、恋のキューピットになる。今日もまたどこかでお節介なキューピットが、幸せを結ぶお手伝いをしているかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
セ、セーラ!!ぼ、僕を殺すつもりかい!?
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる