流星姫は平凡騎士をご所望です

agapē【アガペー】

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モテ男、戸惑いの初恋

名前に魔法がかかった

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「では、条件があります」


リュシアンががばっと起き上がり、セーラの両手を自身の両手で包み込み、数センチの距離まで顔を近づけた。


「何ですか!?条件をクリアすれば、セーラ嬢が貰えるんですか!?それはどんな条件ですか?教えてください!!」

「ち、近いです」


セーラの顔が真っ赤に染まっている。


「あっ、あっ・・・すみません!!」


手を離して距離を取った二人。


「私は、この騎士という仕事を誇り思っています。もしお付き合いして、婚約者になって結婚しても、しばらくは続けたいです」

「はい、それはもちろん!でも・・・不安です」

「不安ですか?騎士の仕事が危険だからでしょうか?」

「それもありますが・・・もっと不安な事があるんです」

「もっと?何ですか?」

「・・・騎士団は男所帯なんですよ。狼の群れにウサギを放り込むようなものです。そんな危険な場所に、セーラ嬢を置いておくなんて気が気がじゃないです!いつか狼達に食べられてしまうかもしれないって思いながら毎日を過ごすなんて・・・」

「私は今まで第三にいたんです。本物の狼はたくさん遭遇してきましたから慣れていますよ?」

「いや、本物の狼の話ではありません!男は獣なんです!普段は爪や牙は隠してますが、それはしまい込んでいるだけです!」

「・・・じゃあ、毎日確認してくれますか?」

「へっ?」

「私が今日も無事だったって」

「今日も・・・無事・・・」

「毎日顔を見たいという事です」

「もちろんです!そんなのご褒美じゃないですか!」

「ふふっ、私がご褒美だなんて、クレマン副騎士団長は安上がりですね・・・」

「・・・リュシーです」

「?」

「僕、リュシアンなので、リュシーです」

「・・・リュシー?」

「・・・もう一回・・・もう一回言ってください」

「リュシー」

「!!!・・・なんだか僕の名前に魔法がかかったみたいです。輝いてます!」

「大袈裟ですよ。私の事はセーラって呼んでください」

「・・・セーラ」

「はい、リュシー」


その後、リュシアンは、また床に倒れてしばらくジタバタしていた。二人は次の休みに、もっとお互いの話をしようと約束をし帰路についた。


いつも女性に囲まれていた色男が、初めての恋を知り、愛を知らない令嬢が愛される事を知る。気付けばいつの間にかいなくなっていたクリスフォード。何かにつけ、恋のキューピットになる。今日もまたどこかでお節介なキューピットが、幸せを結ぶお手伝いをしているかもしれない。




ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

セ、セーラ!!ぼ、僕を殺すつもりかい!?



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