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モテ男、戸惑いの初恋

斧しか貰えませんか?

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微笑んだセーラを見て、見えない矢が胸に刺さったリュシアンは再度床に倒れた。


「クレマン副騎士団長!?」

「ヤバい・・・です・・・」

「どうしました?どこか痛みますか?」


顔を間近で覗き込むセーラに、さらに心拍数が上がったリュシアン。


「痛いです・・・胸が痛いです!セーラ嬢の笑顔は破壊力抜群です。ドキドキしすぎて心臓が爆発しそうです。僕、胸に爆弾かかえてるなんて知りませんでした」

「ふっ・・・ふふっ・・・はははっ」

「セ、セーラ嬢!?」

「ははっ・・・ふふっ・・・ごめんなさい・・・おかしくて」

「女神だ・・」

「え?」

「女神がいる・・・僕は金の斧も銀の斧もいりません。欲しいものが他にあるから」

「ん?」


(これは・・・話をあわせればいいのかしら?)


「・・・そなたは金の斧も銀の斧もいらないと言うのですね?欲しいものとはなんですか?言ってみなさい」

「セーラ・ファビアンをください」

「・・・」

「やっぱり斧しか貰えませんか?僕は木こりではないので、生活に斧は活躍しないので・・・困りました・・・でも、綺麗な女神様から貰えるなら、家宝にして毎日磨いてピカピカにします」

「・・・ですか?」

「?」

「セーラ・ファビアンではなくてはならないのですか?」

「はい、セーラ・ファビアン以外は不要なので、送り付けられても受け取り拒否します。僕は、セーラ・ファビアン以外はいりません」

「・・・」

「セーラ嬢?」

「では、条件があります」


リュシアンががばっと起き上がり、セーラの両手を自身の両手で包み込み、数センチの距離まで顔を近づけた。


「何ですか!?条件をクリアすれば、セーラ嬢が貰えるんですか!?それはどんな条件ですか?教えてください!!」

「ち、近いです」


セーラの顔が真っ赤に染まっている。




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次回

じゃあ、毎日確認してくれますか?



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