夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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15.二人が一緒に歩むため

294.君はなぜ暴れるの?

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マサトは暇をしていた。なんせひたすら待合室で待っているだけなのだ…


先程会長に電話をして、何か裏でやっていないか?嫌がらせをしてくるような相手は心当たりはいないか?
を聞いてはみたが…

「ん?裏でか?まぁあれとあれとはもう終わっとるし、一番嫌がらせにはしそうなのは…
あそこだけど、西署だとなぁ繋がりあったか?
西署じゃろう?ん~?

本庁じゃないんじゃろう?
西署の署長がワシに楯突くとは思えんのだがなぁ」

絶対に裏で何かしてるが、はっきりとは答えてもらえなかった。
あの人にはまだ勝てる気がしないなぁとコーヒーを飲みながらため息をつく。


一度ヒロシさんが大変強面の方々を引き連れて廊下を通っていったので声をかけると


「今からアキラさんがポーションのこと話してくれるらしいので、二課の皆で聞こうと思いまして!
いやぁ楽しみです」


取調からは机が出てきて、扉は開けっ放しにされている。

楽しそうだなぁと少し羨ましくなってしまった。




あとどれくらい待たされるのかなぁ…眠くなってきたなぁ…
とポヤポヤしていると、取調室の方から叫び声が聞こえる。
聞き慣れた声に体が飛び上がる


「何があったんですか?ちょっと!アキラさんは大丈夫ですか?」


急いで取調室に駆けつけて目に入ったのは、アキラがヒロシに金的を食らわせ、寝た状態からの巻き込み投げを決めるところだった。



ガシャン!ガチャンガチャン



ヒロシが机にぶつかり、机の上の瓶が次々に床に落ちて割れる。
ヒロシは金的の痛みで動けなくなっている


「ちょっと!アキラさん何してんの?
さすがに警察相手はやばいって、しかもここ警察署!
誤魔化せないですよ?」


手を掴んで止めようとすると、目があった…
焦点があっていない…
即座にこれは話しが通じないと理解した。


マサトはアキラの体が、自分に向ききる前に鳩尾に力の限りの拳を打ち込んだ。

「がはぁ!」

アキラが嘔吐しながらも、蹴りを繰り出し、マサトから距離をとろうとする。


「嘘でしょ?これで気絶しないの?」


即座に逃さないとばかりに掴んだままの腕を強く引き、もう片方で首に手をかける。


「アッヤァ…マサ…」


頸動脈を圧迫するように力を加えれば、最後の抵抗とばかりに足をバタつかせ目を見開く。
手足の力が失われ、ダラリっと落ちたところでマサトは止まっていた息をやっと吐くことができた。


「なんなんですか?くっそ!一体…なんでアキラさんが?」

マサトは興奮で荒い息のまま取調室を見やると…

まだ辛そうな身を屈めるヒロシ
机の周りには割れた瓶に様々な色の液体
扉の近くにはか弱そうな女性にそれを守るように立つ蛇塚
ガヤガヤと開いた扉からは刑事たちが集まってきている。

「なんなんだよ…この状態は…」
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