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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§  ネクタイ 裏5  §§

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「ほれ…これいるかと思ってな?」



扉の前にはおじいちゃんがポーションとマウスウォッシュを持ってきてくれていた……

  


『会長宅は全室、盗聴されてると思っているから!
だから会長宅ではいたす気はありません!!』



以前おじいちゃんちでお泊りするときに、ちょっと盛りそうになったら
きっぱりとアキラに言われて断られたことがあった


………あれはアキラの気にし過ぎでもなかったんだなっと思いながら
複雑な顔で受け取った

 

「あと…できたらお風呂の後にミネラルウォーターほしいかな…
アキラが媚薬の作用で精神不安定になってるかもしれない…
いつもより感情的になってるんだよ



ほらアキラは自分のポーション試しまくってるから、耐性ついちゃて普通の市販のポーションとかあんまり効かないでしょ?


その耐性で媚薬が変な作用してるんだと思うんだよね…
お水飲ませて出し切っちゃえば大丈夫だと思うんだけど…」



「わかったわい、毒消しもいるなら持ってくるぞ?
風呂は準備してあるからいつでも浸かってもらってかまわんからな?

そこの寝室も好きにしてもらって構わんぞ?
シーツ汚しても構わんからな?気にせずアキラ君を治してやって…」


「うん…おじいちゃん、変な気を回してくれなくていいからね…話聞いてくれてた?
媚薬の効果はでてないから…
アキラは欲情とかは全然してないからね?
反対に今抱いたら大泣きされそうだからね?」


「そうかのう?一回くらい抱いてやった方が安心すると思うんじゃが…
媚薬も抜けるじゃろうし…

まぁいいわい…
わしはちょっくら、今回の職務怠慢した二人を絞り上げてくるからのう…
ゆっくり治してやっておくれ?

今回はアキラ君は被害者以外のなんでもないからの?
いいか?間違えちゃいかんぞ?本当に被害者以外の…」

おじいちゃんは本当に変な気を回すなぁ!!

「わかってるよ!嫉妬なんかしないし…
アキラを責める気なんてまったくないよ!
ただやったヤツはとりあえず…………殺したい!!」


「わかってるならよかったわい…
まぁそっちの件は追々考えて行くからの?
わしもまったくの同意見じゃからな……どうしてやろうかのぅ……」


うん!最後の静かに呟くおじいちゃんの顔がめちゃ怖かった…
こりゃ、やったヤツ死んだね!おじいちゃん激怒ゲキオコだね!!







とりあえずお風呂の前に傷を治さないとっとベッドに戻ると、アキラが布団を頭からスッポリと被ってグズグズとまた泣いている



「どうしたの?怖いの思い出しちゃった?
おじいちゃんがポーション持ってきてくれたから傷を治そうね?」



布団を剥がそうとすると、必死に力をこめて抵抗をしている…


「どうしたの?離れたの駄目だった?機嫌悪くなっちゃった?
顔見せてよ…」



優しく抱きしめて、落ちつくようにユラユラと揺らしてみるがフルフルっと首を振る振動が伝わってくるだけで…
頑なに出てきてくれない


「どうしたの?まだ何かされてたの?
教えてよ…
僕がちゃんと治してあげるし綺麗にしてあげるよ?」



「………ごめんな…さい………言え……ない」



ぽつりっとやっと聞き取れるかの声で謝れて、また苦しそうにアキラは泣き出してしまった


その泣き方がさっきよりずっと苦しそうで、きっとまた思い詰めている
なんでアキラがこんなに傷つかないといけないんだよ…



昨日までは嬉しそうに小会社になるはずの製造会社の話をしてたんだ
女将さんは本当に仕事ができてすごい人で、ちょっと問題あるけど社長も腕がいい職人技を持ってる人なんだって



『個人研究家のままだったら助けれなかったと思う…でも今の僕ならあの会社を助けられる!
個人のときにかなりお世話になったんだよ…だから嬉しくてね』



そうやって嬉しそうに笑ってたのに…本当に嬉しそうに
なのになんでそんなに苦しそうに泣かないといけないの?



「………ごめん……ジョン…ごめんなさい」

 

なんで…ずっと僕に謝ってるんだよ!
アキラは何も悪いことしてないじゃん…
暴力振るわれて、傷つけられて、無理やりキスされて…身動き取れないまま触られたんでしょ?
なんでそれでアキラが謝るんだよ…



「アキラ…なんで謝るの?
アキラは何も悪いことしてないでしょ?なんで僕に謝るの?
教えてよ…………何か……僕を裏切るようなこと……した?」



僕が少し不安になって、漏れ出た言葉にアキラの息を飲む音が聞こえた……



「あっ……あっ………僕は……裏切ったの?……あっあぁあぁ…ごめんなざい
ジョン……ジェルを…ごめっ……うぅあぁあぁ!」



堰を切ったように声を出して泣き伏していった





アキラ………何をしたの?
アキラは……僕を本当に…裏切ったの………?





「アキラ!教えよ……何したの?
アキラがどんなに僕を裏切ってても…離さないから
許してあげれなくても……絶対に離してあげないから!!

アキラがどんなに僕を裏切っても……僕はアキラを愛すことをやめてなんてあげないからね!!

だから教えてよ……アキラは何をしたの?
本当に……僕を裏切ってたの?」



あぁダメだ…自分の言葉に段々と凶暴性が増していく、それでも一度頭に登りだした血はとめられなくて………




「………かん…じ……た」

小さな、本当に小さな声が返ってきた僕の優秀な耳じゃないと聞けないほどの小さな声で
かん…じ…た?かんじた…?感じた?



理解したアキラの言葉に目の前が暗くなっていった…
体が知らずに震える…




「アキラ……感じたの?気持ちよかったってこと?無理やり触られるのが?そういうことなの?」




語尾がどんどんキツくなる、血管が切れそうなほどドクドク言っている





「乳首強く摘まれて……僕の体がビクリッてなった
僕の体は………あんなヤツにも感じるんだ…
ごめん……なさい、本当に本当に……ごめんなさい」









(sideアキラ)


ジョンが、何も話してくれなくなった……
あの後、大きなため息をつくと布団ごとすっぽりと抱き上げられて、お風呂場て降ろされた


もう観念するしかなくて……泣き過ぎで耳がボワってしてて鈍い頭痛がする
掴んでいた布団はあっさりと剥がされて



ただ小さくなって、下を向いて、しゃべらないジョンに怯えていた……
嫌われた、誰にでも感じる体を軽蔑されたんだ……


僕の胸は絶望がひしめき合っていて、もう息の吸い方すらわからなくって
震える体を自分で抱きしめながら、必死に立っていた




「アキラ…顔を上げて…こっちを向いて…」


感情が読めない無機質なジョンの声に背筋が凍る
軽蔑している顔をしているだろうか?
蔑んだ顔だろうか?
恐ろしくても、その声に逆らうことなどできなくて…
恐る恐る顔をあげると


パンッッ!!!


乾いた音が浴室に響いた…
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