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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§  ネクタイ 裏7   §§

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「あぁ!!ごめ…ごめん
アキラ、僕…本当にごめんね…大丈夫?
僕…抑えられなくなってた…痛かった?」



弾かれるように唇を離して、アキラの体を確かめる
きつく抱きしめてしまった、アキラは怪我をしてるのに…



へにょりって安心したようにいつものように笑って、僕の肩に力を抜いて垂れかかってくる



「ふふっ大丈夫だよ…
ありがとう、なんだが…やっと安心できた気がする
優しく抱きしめてよ…少し体が怠いんだよ」



アキラの言葉に首筋に手を持っていくと、少し熱い
たぶん体が熱を持ち始めている



「アキラ、湯船に浸かるのはやめようね?汗流してベッドに移動するよ
お医者さんにやっぱり見てもらわなきゃ、熱が出てきてるよ…」



アキラにさっとシャワーを浴びせて、タオルで拭いてから用意してくれていた下着とパジャマを着せる




………うん、田中さんの趣味かな?
白のシルクの長めのトランクスに白のシルクに細かな花の刺繍が大変にエレガトなパジャマ

アキラも、ん~?みたいな顔をしていたけどとりあえず着せて!




客間に戻るとシノダ教授がミネラルウォーターを持って待っていてくれた




「とりあえず今回は俺が診断するよ…、今はあんまり医者でも親しくない人に触られたくないだろ?
ミネラルウォーターはゆっくり飲んでね?
殴られたときに嘔吐してるなら消化器系にダメージいってるだろうから!

それにしても…アキラ君…
う~ん、惜しいなぁ
ちょっと、あいつとは趣味違うんだよなぁ」



ブツブツいいながらアキラをベッドに座らせると
耳の聞こえ方から顎は歪んでいないか、歯は折れていないか…なんて丁寧に診察していってくれる



うん、やっぱりシノダ教授はすごいなぁ
ちょっと可愛いアキラが大好きで、アキラに本当に弱いのは玉にキズだけど…



ベッドに寝かせて、お腹の音を聞いたり触ったり押したりしてアキラの痛がり方なんかも見ていって
診察が終わるとちょっと難しい顔をしている




「肋が一本折れてるね、内臓系はたぶん大丈夫だと思うけど…
打撲の炎症で熱も出てきてるね…これからもっと上がってくるよ


吐瀉物に血が混じってたのは消化器系のどこかが切れてたんだと思うよ!
僕は本格的に医者はしてないから、もし急変とかしたらちゃんとしたところに行くんだよ?

とりあえず、今から痛み止めと抗生物質と解熱剤とちょっとだけ睡眠薬を点滴するね?体を休ませようね?」




シノダ教授は点滴の準備を整え、アキラの腫れた頬に湿布を貼ってくれた
アキラは点滴を受けるとすぐに小さな寝息を立てていった



「はぁ…それにしてもよかった
マサト君たちにアキラ君の様子をね、ちょっと聞いていたんだよ…
かなり不安定だってね

でもジョン君さすがだね、この短時間にしっかりとアキラ君を落ち着かせてる…」




シノダ教授の言葉に嬉しくなるけど…



「ありがとうございます…、でもやっぱり僕は駄目なんだよ
さっきも自分が抑えられなくて、怪我をしてるアキラをきつく抱きしめちゃったんだ
痛い思いさせちゃったんだ…」



自分が抑えられないのが悔しい、毎回アキラは許してくれるけど…
でも僕はアキラを傷つけたくないんだ



「大丈夫だよ!ジョン君は十分アキラ君を大事にしてるし、理解しようとしている…
それにずっと前向きな努力してる!
それが一番大事なことだと思うよ」



僕の頭を優しくポンポンっと叩くと、立ち上がって…
振り向くとすごく冷たい目をして、僕に手を伸ばした



「アキラ君はしばらく寝てるし…
今回のアキラ君の暴行されてるところをばっちり映した映像があるんだって…見るだろ?
その後はアキラ君を傷つけたクソ野郎をどうするかの決める会議さ…」 



「僕はとりあえず殺したい…」

「あぁすごい!僕の意見とばっちり一致だ!」



ご機嫌に笑うシノダ教授の手を握って立ち上がらせてもらって、僕はアキラの頭を優しく撫でて額の傷にキスをする



「いってくるから…いい子に寝ててるんだよ」



言い聞かせるように呟いて、二人で部屋を後にした




いつもの応接室に入ると、皆が集まっていてマサトさんと谷口さんが緊張した面持ちで壁際に立たされている
シノダ教授に促されてソファに座らされる…あの二人はいいのかな?




「それじゃあ面々が揃ったところで始めようかのう?
ジーザスも報告を頼む、アキラ君の容態は?」



「アキラ君は肋が一本折れてると思います、あとは全身打撲というところでしょうか?
これから打撲による炎症で熱がでるでしょうね…
俺の見立てでは、まぁこのまま自然治癒で問題ないかと思います

アキラ君の防御力が高くて今回は幸いだったと思います
もし一般的な人間だったら、命にかかわる怪我になるほどの攻撃を受けていますよ…」



「うむ、ジョン君、アキラ君の様子はどうじゃった?報告を頼む」


「えっ?あっ…最初はやっぱりかなり精神不安定だったけど、媚薬のせいもあったと思います…
抜けてきたらだいぶ落ち着いていったし…もう安定してるっぽいです

殴られたり傷つけられたりはあまり気にしてたなかったけど…
キスされたり体を触れられたのがすごく嫌だったみたいです」


うわぁ…何?突然…会議ってやつかな?
ちゃんと発言できてたのかな?
変に緊張して、しゃべり方が辿々しくなってしまった…



「ふむ…よかったのう?マサト、谷口、とりあえず左遷は免れそうじゃな?
担当者マサトは一週間の訓練施設での訓練
秘書谷口は一週間の秘書課付けにて研修じゃ

次はないぞ?肝に命じておけ!」



「「はい、申し訳ありませんでした」」



二人はしっかりと頭を下げると、おじいちゃんが手をヒラヒラするのを確認して、僕を挟むようにソファへと座りに来た



「あぁ…ジョン君ありがとう…
アキラさんがずっとあのまま安定しないで、治らないとかだったら俺…僻地のダンジョンで新しい食材探索班に左遷だったよ!
本当に覚悟したよ……」



「本当にありがとうございました……僕は僻地の資料室での管理者って窓際に追いやられるとこでした……もうそうなったは単身赴任待ったなし!怖かったぁ…」


二人共に涙目でめちゃくちゃお礼を言われてしまった…


「いいか?最優先事項はマサトはアキラ君の安全確保じゃ
谷口は秘書としてのアキラ君のサポートじゃ
今後は、それを忘れるでないぞ!
視察先で別行動なんざ以ての外じゃからな!

あの子が来てからどれだけ我が社の利益を伸びとるか知っとるじゃろ?
普段のあの子のふざけた態度に惑わされるなよ!
あの子は我が社の金の卵なんじゃからな?

普段はポンコツでひ弱で可愛くない屁理屈ガキンチョでもそれは変わらんのじゃからな?」



おじいちゃん…普段のアキラのことそう思ってるんだね
実は僕はあんまりアキラが仕事ができるってイメージがないんだよね


いつもマサトさんに怒られて、谷口さんに庇われてるイメージしかない…
あといつも休みを欲しがって、なんとかマサトさんからもぎ取ろうとしている


「「はい」」


二人はぐったりとした様子で返事をした
お仕事って大変だなぁ


「それじゃあ、今からアキラ君が何されたか
しっかりと見ていこうかのう?田中、頼むぞ」



そうおじいちゃんが言うと部屋が暗くなりさっき二人が立っていた壁側にロールスクリーンが降りてきた
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