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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§  ネクタイ 裏10  §§

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「その計画でネックなのは四肢を切断するところです
何を普通に自分達で切ろうとしてるんですか!
そんなもんダンジョンにでも放り込んで魔獣たちにやらせたらいいんですよ!

しっかり冒険譚登録させておけば自己責任だ、あいつなら頭軽そうだから、おだてりゃすぐ取るでしょ!

僕の肋折るくらいの攻撃力あるんだ、いろいろフォローすればC級くらいとれるんじゃないですか?

あとは破綻国家にでも連れて行って奴隷として売ってしまえばいい
手元に置いて飼育するとか…効率の悪い上に証拠をずっと持ち続けてるようなものだ

根回としては、あいつに情を持ってる人たちを離間しておくことですかね…
それは僕がやりますよ…M&A子会社化にも関わってくるから」



アキラがツラツラっと脱法行為をあげていく…
えっ?こんな血生臭い話をしてるアキラは初めてみたよ…



「くっくっく……アキラ君、お前さんもなかなかできるじゃないか…
わしは力技で押し切ってから関係各所に根回しすることが多いんじゃが

なるほどのお前さんのギリギリもなかなかいいのう
ワシらが組めば最凶じゃないか?」



おじいちゃんの言葉にアキラ君が小さくため息をついて目を逸らす
めちゃくちゃ嫌そうな顔で



「今回だけにしてください!僕はあんまりこの方法は好きじゃない
根回しと真っ当な方法で解決できるならそれに越したことはないんだ…

あと、絶対にジョンを関わらせないでくださいよ!!」

「えっ!なんで?
僕もアキラの仕返ししたい!なんで僕はダメなの?」



急にアキラが僕の、のけ者発言をしだした!冗談じゃない

僕だってキレまくってるんだ
このまま僕だけ何もできないなんて…



僕の抗議にアキラは全拒否してくる…
ギャイギャイ言い合っているとおじいちゃんが間に入ってくれた



「アキラ君も大概に過保護じゃな…
ジョン君はとりあえず見学だけということでどうじゃ?
ダンジョンの前でワシと見張りくらいで手を打たんか?

ジョン君だってなんかせんと気が治まらんじゃろう?
アキラ君が抵抗があるなら手は出させんよ…

ダンジョンに連れてく実行部隊はマサトと田中かの?あぁマサトは顔が割れとるからジーザスかのう?

奴隷云々の手配や搬送は谷口がやってくれるじゃろう…そこでマサトも参加させるか……」



「わかりました!でもジョンに本当に人を傷つけるようなことをさせないでくださいよ!
あなたとの訓練とは違うんだ…

本当はこんなことさせたくないんですよ!
ジョンは人を傷つけるなんてこと知らなくていい…

人員配置はまかせますよ、谷口さんまでやる気満々って…
谷口さんは常識的だからストッパーは無理でも緩和剤くらいになると思ったのに…
まったく想定外だ」


「嫌だなぁ、やる気満々なんて…
そんなことないですよ
ただちょっと…理不尽に大事な息子を傷つけられたみたいな?
腸煮えくり返ってるだけですが?

奴隷でしたねぇ…調べておきます
市場に出さずに直売にしてもいいですか?
そちらの方が足も付きにくいかと…」



谷口さんにとってアキラは息子なの?
アキラが少し照れたみたいに頬をかいて小さくため息をついた



「まぁ息子なら息子でもいいですよ…
とりあえず女将さんとしっかりと話がしたいです
たぶんですが…女将さんもあの豚男の被害者だし…
あの様子からいって、豚男をよくは思っていない

本当に……あの人は頑張ったんだろうなぁ…
シノダ教授、今日の午後なら外出いいですか?」


「いいわけないてしょ?
アキラ君…とりあえず熱が下がるまでは外出させられません!」


バッサリっと断られて、なんとか食い下がろうと必死にシノダ教授にお願いしたり甘えてみたりするアキラに…



「ならココに呼ぶか?
応接室なら三つあるから、好きなとこ使っていいぞ?」


おじいちゃんが助け舟をだした








アキラとの打ち合わせで女将さんは明日に訪問することになって


「とりあえず、今日も安静にしておくんだよ!
まだ解熱剤入れてるのに熱が下がりきらないんだからね?

ジョン君が今日は着いていてくれるだろう?
僕もちょっと用意したいものがあるしねぇ…」



「シノダ教授、仕入れルート気をつけてくださいよ…興奮剤とかなら僕が作れますからね!」



わかってるよっとばかりに手をひらひらさせて皆と一緒に出ていってしまって…
今はアキラとふたりきりになってしまった………
ちょっと、気まずい………



いや、別に喧嘩とかではないのだよ!
でもほらね?昨日はアキラに僕まで出てって言われたし
今日だって僕だけ外そうとしたし
ちょっとショックだったし…



アキラの気持ちはわからなくはないよ…僕を危ないことから遠ざけてくれてるって
でも……僕だってあんなアキラが傷つけられてるの見たら、許せなくなるよ



「ジョン…僕ね、見られたくなかった…
あんなみっともない姿」



ちょっと気まずい重苦しい雰囲気でベッドの横で黙って立ってたら、アキラが俯いたまま、すごく苦しそうに話しだした



それは今にも泣き出してしまいそうな響きで
思いもよらないアキラの言葉に、僕はアキラに目をやる



「そんな…アキラはちゃんと戦ってたよ?
あんな拘束された状態なのに、諦めないで必死に戦ってたじゃないか!
舌だって食いちぎったし、助けだって呼んでた…
みっともなくなんてなかったよ…」




シノダ教授も言ってた、暗示を使って助けを呼んですごいって
おじいちゃんだって…やるのうって…
みっともないなんて、あそこに居た全員が全然思わなかった



とうとうポタりっとシーツに雫が落ちいく、肩を震わせて堪えられずに次々と雫が落ちていく



「でも…見られたくなかったんだよ、ジョンだけには………絶対にあんな姿
他のやつに触れられてるとこなんて……
他の誰に見られても…ジョンだけには見られたくなかったの!」



あぁそうか…違うんだ…
僕は・・見ちゃいけなかったんだ
戦ってたとか関係ないんだ
あんなに汚されたって嘆いて
気持ち悪いって苦しんでいた行為を



「ごめん…アキラ、ごめんね
そうだね、僕は見るべきじゃなかったんだ…」



恋人の僕は・・・・・絶対に見てはいけなかったんだ
それはアキラを更に追い打ちをかけるように、傷つけてしまうことだったから



ポロポロともう止められない雫でシーツ濡らせて、縮こまるように背中を丸めて震えるアキラを
僕にできることは優しく抱きしめるだけで



今アキラを泣かせているのは、僕の浅はかな行動で
胸が締め付けられるように痛い…



きっと昨日、異常にアキラが興奮していたのも、僕らに苛立ちを見せていたのも
半分は僕が映像を見たことで、アキラが傷ついていたからで


だから僕さえ・・拒絶されて追い出されたんじゃなくて、当たり前だったんだ、僕が原因だったんだから



「ごめん、ごめんね…アキラ
僕が悪かったんだね
僕がアキラを更に傷つけちゃったんだ…」



一緒だ、お風呂の後に抱きしめてアキラに痛い思いをさせたのも
僕の独占欲がアキラを更に傷つけたんだ…


「………うん、大丈夫…だよ」
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