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21.進む僕

580.君の手助け

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「ふふふっ…目が冷めたらジョンの抱っこなんて、僕は最高に幸せ~
でもちゅ~してくれなきゃ、降ろしちゃ嫌だ!」


谷口さんに送ってもらって、家のソファにアキラを降ろそうとすると寝てたアキラが可愛すぎるワガママを言い出した。


「よかった。起きたんだね…
疲れ過ぎちゃったのかな?
抱き上げても全然起きないからちょっと心配してたんだよ…
今日のアキラはすごく格好よかったよ
アキラがあんな風に狩りできるなんてびっくりだった」


唇に触れるだけのキスをして、ソファにゆっくりと降ろしていく。
アキラはクスクスと嬉しそうに笑ってくれて


「反対にあれ以外の狩りはほとんど役に立たないよ?
ジョンも紹介できたし、今日は楽しかったな…
でもアイツの様子がね…ちょっと対策とらないと…かなぁ」


「カズマさんのことだよね?あの人はすごく嫌な感じだった……
僕がもっと強かったらいいのに、そしたりアキラを守るよって言えるのに……
今はおじいちゃんみたいに絶対に守り切る自信がなくてっ
僕はかっこ悪い……」


きっとあの人は僕より強いと思う。
もちろんアキラに危害を加えてきたら死ぬ気で守るけど……
それでも守り切る自信がなくて、腕の中のアキラを抱きしめてしまう


「ジョン、今はそれで十分だよ
自分より強い相手に無謀に戦いを挑むより、自分の方が弱いって認める方がずっと正しい判断だからね?
それができるジョンは、きっとこれからもっと強くなるよ!
だから、今は僕にちょっとだけ任せてね?
すぐに終わるから手伝ってよ」


アキラが研究室に入ると、紙と黒いインクを持ってきて、何か書き出した。


「これはね、魔力が込められてるインクでね
これで決まった魔法陣を描くと魔力がなくても発動できるんだよ
だから魔力がない僕とか助かるんたけどね
あんまり一般的じゃないから、このインクとか手に入れるの難しくてね
これもなくなってきたね
お千代さんに頼んでおいたけど、なかなか入荷されないみたいでさ…」


ブツブツいいながら何枚も同じような、絵?文字?とりあえず複雑な模様を書いていく。


「はいっこれでよし!
これをね、家の主要な柱に貼っていってほしいんだよ
貼ったらこの魔法陣自体は消えるから見た目も悪くならから大丈夫だよ?
これでこの家の中では普通の魔法自体が無効になるから
もしもアイツがなにかしてきてら、しっかりジョンが守ってね?」


つまり、家の中ではあのカズマさんの魔法を使えなくしてくれたんだ!
アキラはいつも僕を助けてくれる。


「うん、ありがとう、僕は必ずアキラを守るから…
僕は必ず強くなるよ!もうアキラが誰にも傷つけられないように」


「うん、頼りにしてるからね?
ふふっ…ジョン……お風呂に入れてよ、今日はジョンに甘やかされながら入りたいんだよ
やっぱり今日はちょっとハードだったから」


アキラがそんな可愛いおねだりをするほど、きっと体が限界なんだ
ソファに深く座ってだらりっとしている体からは倦怠感が滲んでいる。
本当は帰ってすぐに寝たかったろうに…


「わかりました、お姫様!
すぐにお風呂の準備してくるからね?
ちょっと待っててね?」



アキラを癒やすために、バタバタっとお風呂の準備をしていく。
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