653 / 1,158
25.怯える君
649.カズマの真の正体
しおりを挟む
扉を思いっきり乱暴に閉めて、カズマさんを追えば
案外とあっさりと見つけられた。
庭でバロンさんにボコボコにされた場所にあった大きめの石の上で、肩を落として座っていた。
「何をしてるんですか?
なんであなたは言い返さないの?
アレは…アキラがさすがにおかしいでしょ!」
不機嫌を隠せてもいないツンケンとした声で僕が話しかければ、少し悲しそうな顔をして俯いていった。
「俺がいけないんだよ……アキラはずっと俺に期待してくれてたんだ
俺はそれに全く応えられなかったんだよ、アキラは俺にずっと独り立ちしてほしかったんだ
なのに俺はアキラがいなくなるのが耐えられなかった!」
この人はきっと子供なんだ…見た目や年齢より中身がずっとずっと子供っぽいんだ…
「アキラが病気で苦しんでるのに…俺は側にいさせて欲しかった。
アキラが弱っていく姿を隠したがってるのに…
俺はあいつを追いかけ回して、無理やりにでも……」
認めなくないけど、すごく認めたくないけど!
僕たちはすごくよく似ているんだ
カズマさんはアキラが記憶を無くして
僕に振らせたときの僕と一緒だ…
必死でアキラに縋り付こうとしてるんだ
「俺はアキラのスキルも記憶も知力も全部を消去しようとしたんだよ
あいつが計り知れない努力で培ってきたそれらを、全て消して何もできなくなったアキラを自分のものにしようとしたんだ……
そうしてでも、アキラに俺の側にいて欲しかった!」
アキラがされた許せないってことはそれかな?
でもそれって、僕がアキラを食べて一つになりたいって気持ちとよく似てるよ
方法が違うだけで根本的には一緒だ
アキラを失ってでも自分のものにしたいんだ…
この人の今の姿は一歩間違えたら、僕がなっていた姿なのかもしれない
「俺なんて…アキラがいなかったら単に魔力が多いだけだ
クズみたいなポーションしか作れないし
魔法だってろくな物使えないし
アキラがいたから、俺には価値があったんだ……
アキラがいなくなった俺なんて役立たずで!
コミュ障で!!
単に長く無駄に生きるだけのクソ袋なんだ!!!」
………えっ??あれ?そこまで言わなくてもよくない?
何、この人?めちゃくちゃネガティブな人なのかな?
いやいやいや…でも、僕もあのときはひたすら部屋に閉じこもって引きこもりをしてたから、こんなネガティブだったような気がする?
うん、多分そうな気がする!!
「俺なんか、アキラにド突かれ倒されて、玄関マットにしてもらえてたら幸せだったのに
なのに身分不相応にもアキラを手に入れようなんてしたから
玄関マットがご主人様に逆らおうとしたからぁぁ
いつまでも玄関マットでいたかったのにぃぃ」
…………うん!気持いが悪い!!
何?玄関マット??玄関マットでいたかったの?何?この人、何?
「ちょっと落ち着いてもらっていいですか?
カズマさんってアキラの玄関マットだったの?」
「そうだよ…俺がいつまでも魔法の練習はしないかったり、自分の作業そっちのけでアキラのポーション作り見つめてるとすぐに蹴ってくれたし
あとギャンブルとかアキラの実家でお金を使いすぎて、やばい人から借金しちゃったときは顔面を踏みまくられた。
いつもアキラは僕を叱って正してくれるご主人様だったのに……
俺があんなことしたから
俺は捨てられたんだ。
今や玄関マットですらない、ボロッボロ廃棄物なんだよぅぅぅ」
ワンワンっと泣きまくるカズマさんを見て、どっと疲れた…
『変態だったからな……生理的に無理……』
アキラが言っていたのは、これのことなのかな?
うん、この人は……人間としてダメな人なんだな!
似てなかった、僕達は全然、似ていなかった!!
「ははっここでしたか!」
案外とあっさりと見つけられた。
庭でバロンさんにボコボコにされた場所にあった大きめの石の上で、肩を落として座っていた。
「何をしてるんですか?
なんであなたは言い返さないの?
アレは…アキラがさすがにおかしいでしょ!」
不機嫌を隠せてもいないツンケンとした声で僕が話しかければ、少し悲しそうな顔をして俯いていった。
「俺がいけないんだよ……アキラはずっと俺に期待してくれてたんだ
俺はそれに全く応えられなかったんだよ、アキラは俺にずっと独り立ちしてほしかったんだ
なのに俺はアキラがいなくなるのが耐えられなかった!」
この人はきっと子供なんだ…見た目や年齢より中身がずっとずっと子供っぽいんだ…
「アキラが病気で苦しんでるのに…俺は側にいさせて欲しかった。
アキラが弱っていく姿を隠したがってるのに…
俺はあいつを追いかけ回して、無理やりにでも……」
認めなくないけど、すごく認めたくないけど!
僕たちはすごくよく似ているんだ
カズマさんはアキラが記憶を無くして
僕に振らせたときの僕と一緒だ…
必死でアキラに縋り付こうとしてるんだ
「俺はアキラのスキルも記憶も知力も全部を消去しようとしたんだよ
あいつが計り知れない努力で培ってきたそれらを、全て消して何もできなくなったアキラを自分のものにしようとしたんだ……
そうしてでも、アキラに俺の側にいて欲しかった!」
アキラがされた許せないってことはそれかな?
でもそれって、僕がアキラを食べて一つになりたいって気持ちとよく似てるよ
方法が違うだけで根本的には一緒だ
アキラを失ってでも自分のものにしたいんだ…
この人の今の姿は一歩間違えたら、僕がなっていた姿なのかもしれない
「俺なんて…アキラがいなかったら単に魔力が多いだけだ
クズみたいなポーションしか作れないし
魔法だってろくな物使えないし
アキラがいたから、俺には価値があったんだ……
アキラがいなくなった俺なんて役立たずで!
コミュ障で!!
単に長く無駄に生きるだけのクソ袋なんだ!!!」
………えっ??あれ?そこまで言わなくてもよくない?
何、この人?めちゃくちゃネガティブな人なのかな?
いやいやいや…でも、僕もあのときはひたすら部屋に閉じこもって引きこもりをしてたから、こんなネガティブだったような気がする?
うん、多分そうな気がする!!
「俺なんか、アキラにド突かれ倒されて、玄関マットにしてもらえてたら幸せだったのに
なのに身分不相応にもアキラを手に入れようなんてしたから
玄関マットがご主人様に逆らおうとしたからぁぁ
いつまでも玄関マットでいたかったのにぃぃ」
…………うん!気持いが悪い!!
何?玄関マット??玄関マットでいたかったの?何?この人、何?
「ちょっと落ち着いてもらっていいですか?
カズマさんってアキラの玄関マットだったの?」
「そうだよ…俺がいつまでも魔法の練習はしないかったり、自分の作業そっちのけでアキラのポーション作り見つめてるとすぐに蹴ってくれたし
あとギャンブルとかアキラの実家でお金を使いすぎて、やばい人から借金しちゃったときは顔面を踏みまくられた。
いつもアキラは僕を叱って正してくれるご主人様だったのに……
俺があんなことしたから
俺は捨てられたんだ。
今や玄関マットですらない、ボロッボロ廃棄物なんだよぅぅぅ」
ワンワンっと泣きまくるカズマさんを見て、どっと疲れた…
『変態だったからな……生理的に無理……』
アキラが言っていたのは、これのことなのかな?
うん、この人は……人間としてダメな人なんだな!
似てなかった、僕達は全然、似ていなかった!!
「ははっここでしたか!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
344
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる