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26.そして共に
665.序章
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僕はもうアキラの言っていることはよくわからないけど
それでも、自分が何かが変わってしまったことだけは実感した。
それがアキラが不安がっていた本当の原因だったこともわかったけど
どうすることもできなくて、結局は……
「なんでそれで僕のところに相談にくるかな?
まぁ、頼られてるのは嬉しいけど…
僕は一応は君の恋敵なんだよね?
なるほどね……獲物から外れたか、だからアキラ君はあんなに不安がっていて、君はアキラ君の執着が前より薄くなってたワケか」
ただいまいつもの応接間でアキラのデータを渡しつつ、アキラの様子を話しながらシノダ教授に相談中
だって一番頼りになるし、アキラのことを体調面から言ったら一番に理解してるのはシノダ教授だし
「僕ってそんなに変わってましたか?
執着って……
薄くなった気はしないんだけど
愛しさもこの胸がギュッてなる感じも全然減った気はしないし
離れたくない気持ちも、前より強いくらいなのに……」
「そうだね、でも前のジョン君だったらアキラ君のためでも
『もしもアキラ君が自分を拒否をしたら、シノダ教授がアキラにしてあげてください』
なんて言わなかったと思うよ?
嫉妬で僕がアキラ君を触れることを許せなかったでしょ?」
シノダ教授の言葉に胸が苦しくなる。
確かにそうかもしれない
あの時はとにかくアキラを楽にしてあげたくて、治してあげたくてしかたなかった。
「それに今回だって…アキラ君が逃げ出してから、一度もジョン君は理性を失わなかったよね?
以前なら
『逃がすくらいなら喰ってやる』
って感じでめちゃくちゃ野生に戻ってたでしょ?
僕は君が大人になって落ち着いたのだと思ったけど
獲物の認定を外してたって……
んん~アキラ君はやっぱり生物学にも長けてるから、そういう考え方なのかな?
ロマンチストじゃないっていうか、ドライというか…悲観的ではあるよね……」
そういえば、確かに喰ってやるとは思わなかった。
ただただアキラが心配で、申し訳なくて…
このままアキラを失うくらいなら、消えてしまいたいって思ってた。
この『喰ってやる』がなくなったことが、アキラをあんなに不安にさせて、寂しいって思わせてることなのだろうか
アキラは確かに僕に喰われることを望んでいた節もあったけど
それでも、今の僕は確かに……
『喰ってやる』って気持ちは前より薄くて、それよりも喰った後にアキラを失う恐怖の方が強くて
一つになりたいとは思うけど、喰ってしまったその後の孤独に耐えられそうになくて……
「僕はどうしたらいいんですか?
アキラは僕に愛されてるのはわかってるから、大丈夫だって言うけど…
やっばりどこか寂しそうで
どうしたらいいかわからない……」
「んん~、たぶん本能的なものなんだよね?
それは、どうしようもないんじゃないかな?
これからは君の気持ちで精一杯愛してあげて、アキラ君を安心させてあげるのが正解なんじゃないかな?」
僕の気持ちでか…アキラもそんなことを言っていたからソレしか方法はないのだろうけど
カチャリ
ちょうど話が一段落ついたあたりで、ダークさんと千代丸さんが応接間に入ってきた。
「お招きありがとうございます。
アキラとカズマの様子はいかがですか?
二人はいないんですね?あの二人のことだからポーションのことで夢中になってるかな?」
流石ですダークさん、その通りです。今、二人は本社の研究室でポーションを試しに作っています。
ちょっとだけ試してくるっと言って、最早、五時間過ぎてます。朝の九時に出かけて、今が二時半
「あの二人はいつ帰ってくるかわからんからのう、お茶でもして待っていようかの?
田中、二人にも…おぉ、手土産もありがとうのう
皆で食べるとしようかの」
おじいちゃんもわかっていて、すでに二人は諦められている。
ダークさん達が持ってきてくれたプリンケーキ美味しい…でもちょっとキャラメルが苦かった。
それでも、自分が何かが変わってしまったことだけは実感した。
それがアキラが不安がっていた本当の原因だったこともわかったけど
どうすることもできなくて、結局は……
「なんでそれで僕のところに相談にくるかな?
まぁ、頼られてるのは嬉しいけど…
僕は一応は君の恋敵なんだよね?
なるほどね……獲物から外れたか、だからアキラ君はあんなに不安がっていて、君はアキラ君の執着が前より薄くなってたワケか」
ただいまいつもの応接間でアキラのデータを渡しつつ、アキラの様子を話しながらシノダ教授に相談中
だって一番頼りになるし、アキラのことを体調面から言ったら一番に理解してるのはシノダ教授だし
「僕ってそんなに変わってましたか?
執着って……
薄くなった気はしないんだけど
愛しさもこの胸がギュッてなる感じも全然減った気はしないし
離れたくない気持ちも、前より強いくらいなのに……」
「そうだね、でも前のジョン君だったらアキラ君のためでも
『もしもアキラ君が自分を拒否をしたら、シノダ教授がアキラにしてあげてください』
なんて言わなかったと思うよ?
嫉妬で僕がアキラ君を触れることを許せなかったでしょ?」
シノダ教授の言葉に胸が苦しくなる。
確かにそうかもしれない
あの時はとにかくアキラを楽にしてあげたくて、治してあげたくてしかたなかった。
「それに今回だって…アキラ君が逃げ出してから、一度もジョン君は理性を失わなかったよね?
以前なら
『逃がすくらいなら喰ってやる』
って感じでめちゃくちゃ野生に戻ってたでしょ?
僕は君が大人になって落ち着いたのだと思ったけど
獲物の認定を外してたって……
んん~アキラ君はやっぱり生物学にも長けてるから、そういう考え方なのかな?
ロマンチストじゃないっていうか、ドライというか…悲観的ではあるよね……」
そういえば、確かに喰ってやるとは思わなかった。
ただただアキラが心配で、申し訳なくて…
このままアキラを失うくらいなら、消えてしまいたいって思ってた。
この『喰ってやる』がなくなったことが、アキラをあんなに不安にさせて、寂しいって思わせてることなのだろうか
アキラは確かに僕に喰われることを望んでいた節もあったけど
それでも、今の僕は確かに……
『喰ってやる』って気持ちは前より薄くて、それよりも喰った後にアキラを失う恐怖の方が強くて
一つになりたいとは思うけど、喰ってしまったその後の孤独に耐えられそうになくて……
「僕はどうしたらいいんですか?
アキラは僕に愛されてるのはわかってるから、大丈夫だって言うけど…
やっばりどこか寂しそうで
どうしたらいいかわからない……」
「んん~、たぶん本能的なものなんだよね?
それは、どうしようもないんじゃないかな?
これからは君の気持ちで精一杯愛してあげて、アキラ君を安心させてあげるのが正解なんじゃないかな?」
僕の気持ちでか…アキラもそんなことを言っていたからソレしか方法はないのだろうけど
カチャリ
ちょうど話が一段落ついたあたりで、ダークさんと千代丸さんが応接間に入ってきた。
「お招きありがとうございます。
アキラとカズマの様子はいかがですか?
二人はいないんですね?あの二人のことだからポーションのことで夢中になってるかな?」
流石ですダークさん、その通りです。今、二人は本社の研究室でポーションを試しに作っています。
ちょっとだけ試してくるっと言って、最早、五時間過ぎてます。朝の九時に出かけて、今が二時半
「あの二人はいつ帰ってくるかわからんからのう、お茶でもして待っていようかの?
田中、二人にも…おぉ、手土産もありがとうのう
皆で食べるとしようかの」
おじいちゃんもわかっていて、すでに二人は諦められている。
ダークさん達が持ってきてくれたプリンケーキ美味しい…でもちょっとキャラメルが苦かった。
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