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27.強くなるよ
719.バスターです 2 (sideバスター)
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信じられない…
「認めることができないのでしょう?」
なんなんだあの人は…
「ねぇ?まさか…断ったりしませんよね?」
アキラさんの最初の印象は、予想通りのひ弱そうな青年だった。
柔和な笑顔に、しっかりとした口調
ビジネスにおいてはかなりの好印象だろう。
しかし人目でわかる線の細い体に
ダークグレーのスーツに薄っすらとストライプが入った黒に近いグレーのシャツに光沢のある暗い赤色のネクタイを締めている。
冒険者には向かない体型だが、センスは悪くないなっとしか思わなかった。
しかし、そこからはひたすらに翻弄されてしまった。
反論も弁明も許されずに、いいように手のひらで転がされ
しかも脅されての了承をさせられるという体たらくぶりだ!
恐ろしい…なんなんだ、第一印象とはまったく違う、急に牙を向いて抵抗も許さず締め上げるように……まるで蛇に掴まったカエルの気分だった。
ビジネスの上でどれほどの場数を踏んできたのか、計り知れないような威圧感
アレは猛者だ、ビジネスや机の上での猛者だ!
私には秘密がある。
小さいころから男らしく、力強く、屈強を絵に描いたような見た目で親からも周りからもそれを褒められ求められてきた。
私はずっとそれが当たり前だと思い、受け入れて気づけば冒険者としてのかなりの腕と地位を築いていた。
そんな日々の中で、俺は出会ってしまったのだ。可愛い……シバと……
もう見つけたときには雷に打たれたのかと思った。寒い時期で、温かそうな冬毛でもふもふに意思の強そうな黒いクリクリの目に引き締まった口元
どちらかというと人狼にしては低い鼻筋は愛らしさを引き立てる。
可愛いっと思ってしまった。
可愛いっという概念を、その一目で気付かされてしまった。
おかしい、私は男で屈強で冒険者で…
しかし気づいてしまえば止められなかった。雪崩のように自分の欲望がそちらに向かった。
手に取るのは可愛いもふもふのぬいぐるみや花や♡が散りばめられた雑貨たち
目に行くのは、パステルカラー服やキラキラ光るアクセサリーたち。
そして可愛いに溺れに溺れて気づいてしまった。可愛いは間口が広い!!
こんな屈強な肉体でも、男らしい見た目でもその懐の深さで受け入れてくれる。そう…俺が目指したファッションはドラッグクイーンだった。
そして冒険者をやる傍らで、隠れて可愛らしい物、綺麗な服、キラキラのアクセサリーを買い漁りながら
その大量のコレクションを見つめて…思ってしまったのだ、誰かに見てほしい……
それからの私の動きは早かった。
路地裏に小さな小さなセレクトショップを開いた。
知る人しか来ないような、入り組んだ場所に自分の好きなものだけを詰め込んだ私のおもちゃ箱のようなショップは
毎月赤字しか出さないようなショップだが、私の承認欲求を大いに満たしてくれた。
不定期にオープンして、一日に一組もくるか来ないかのお客との会話を楽しむだけの場所だったのに……
あの日、可愛らしくて戯けない完璧な男の娘が訪れたのだ
その見た目に私は大いに心をときめかせ、ムキムキな少し変わった人狼が、男がよくやる失礼な対応に拗ねたようにイジケル様子も私の尊い心をくすぐってくれた。
そんな素敵な出会いが……
まさか脅しに使われるなんて!!
「風潮なんかしない方だと思いますけどね?」
バラされるわけにはいかない、今までの屈強なイメージが…
未だに私のもとには顔を合わせばリーダー!っと慕ってくれる冒険者がたくさんいる。
その可愛い後輩たちの落胆するような顔を見たくはないのだ……
特にあのシバの悲しむ顔などは……
「認めることができないのでしょう?」
なんなんだあの人は…
「ねぇ?まさか…断ったりしませんよね?」
アキラさんの最初の印象は、予想通りのひ弱そうな青年だった。
柔和な笑顔に、しっかりとした口調
ビジネスにおいてはかなりの好印象だろう。
しかし人目でわかる線の細い体に
ダークグレーのスーツに薄っすらとストライプが入った黒に近いグレーのシャツに光沢のある暗い赤色のネクタイを締めている。
冒険者には向かない体型だが、センスは悪くないなっとしか思わなかった。
しかし、そこからはひたすらに翻弄されてしまった。
反論も弁明も許されずに、いいように手のひらで転がされ
しかも脅されての了承をさせられるという体たらくぶりだ!
恐ろしい…なんなんだ、第一印象とはまったく違う、急に牙を向いて抵抗も許さず締め上げるように……まるで蛇に掴まったカエルの気分だった。
ビジネスの上でどれほどの場数を踏んできたのか、計り知れないような威圧感
アレは猛者だ、ビジネスや机の上での猛者だ!
私には秘密がある。
小さいころから男らしく、力強く、屈強を絵に描いたような見た目で親からも周りからもそれを褒められ求められてきた。
私はずっとそれが当たり前だと思い、受け入れて気づけば冒険者としてのかなりの腕と地位を築いていた。
そんな日々の中で、俺は出会ってしまったのだ。可愛い……シバと……
もう見つけたときには雷に打たれたのかと思った。寒い時期で、温かそうな冬毛でもふもふに意思の強そうな黒いクリクリの目に引き締まった口元
どちらかというと人狼にしては低い鼻筋は愛らしさを引き立てる。
可愛いっと思ってしまった。
可愛いっという概念を、その一目で気付かされてしまった。
おかしい、私は男で屈強で冒険者で…
しかし気づいてしまえば止められなかった。雪崩のように自分の欲望がそちらに向かった。
手に取るのは可愛いもふもふのぬいぐるみや花や♡が散りばめられた雑貨たち
目に行くのは、パステルカラー服やキラキラ光るアクセサリーたち。
そして可愛いに溺れに溺れて気づいてしまった。可愛いは間口が広い!!
こんな屈強な肉体でも、男らしい見た目でもその懐の深さで受け入れてくれる。そう…俺が目指したファッションはドラッグクイーンだった。
そして冒険者をやる傍らで、隠れて可愛らしい物、綺麗な服、キラキラのアクセサリーを買い漁りながら
その大量のコレクションを見つめて…思ってしまったのだ、誰かに見てほしい……
それからの私の動きは早かった。
路地裏に小さな小さなセレクトショップを開いた。
知る人しか来ないような、入り組んだ場所に自分の好きなものだけを詰め込んだ私のおもちゃ箱のようなショップは
毎月赤字しか出さないようなショップだが、私の承認欲求を大いに満たしてくれた。
不定期にオープンして、一日に一組もくるか来ないかのお客との会話を楽しむだけの場所だったのに……
あの日、可愛らしくて戯けない完璧な男の娘が訪れたのだ
その見た目に私は大いに心をときめかせ、ムキムキな少し変わった人狼が、男がよくやる失礼な対応に拗ねたようにイジケル様子も私の尊い心をくすぐってくれた。
そんな素敵な出会いが……
まさか脅しに使われるなんて!!
「風潮なんかしない方だと思いますけどね?」
バラされるわけにはいかない、今までの屈強なイメージが…
未だに私のもとには顔を合わせばリーダー!っと慕ってくれる冒険者がたくさんいる。
その可愛い後輩たちの落胆するような顔を見たくはないのだ……
特にあのシバの悲しむ顔などは……
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