899 / 1,158
31.番う軌跡
895.まだ認めません (sideバスター)
しおりを挟む
「本当に生活費のことはいいんです。
シバは家のことをよくしてくれるし、私が少し多く稼げるから…
本当に、仕送りも続けもらいたいですし、シバの大事な家族なのですから…」
「いえ、そんな私も申し訳なかったです。
頭からバスターさんのことを疑ってしまって
ただ…申し訳ないですが、そんなお話を聞いても、まだ私はシバと番うことは認められません」
あの後シバはお母さんの威嚇でマヒになってしまったので、私が日頃のシバがいかに家のことをしてくれて助かっているかを説明していった。
「そんなこと当たり前です!共働きでしょうが…」
「生ぬるい、家に帰ったら雌はソファから一歩も歩かせないものよ…」
などとグチグチとシバへの文句を言っていたが…
「あの…できれば理由を教えていただけますか?私が他種族で同性だからでしょうか?」
「そうですね、同性なのはいいんです。この子が決めたことですから、ただ他種族なのが…私はシバが心配なのですよ!」
「なんでだよ!バスターさんは俺のこと本当に愛してくれてる、人狼の習性だってバスターさんは理解してくれる、すり合わせればいいって言ってくれる、なのにどうして番っちゃいけないんだよ!」
威嚇から早々に復活したシバがお母さんに食って掛かるが、お母さんは酷く辛そうに悲しそうな顔で話していっく
「だって…番としての制約は人狼にしかないの、もしも番った後にバスターさんが心変わりしたら?シバへの想いが冷めたら?
シバはそれでも、ずっとバスターさんを想い続けることになるのよ、想い人がいないのに、想い続けるのはすごく辛いことなのよ!」
お母さんの表情は本当にその辛さをしっているもので、愛しても愛しても側には愛する者はいない切ない表情で…
「それでも俺は番たい、もう俺はバスターさんいい、バスターさんじゃなきゃ番いたくない!
母ちゃんがどんなに言ったって、俺は…」
「シバっ、ちょっといいか?
すいません…私の気持ちをお見せできたら良いのですが、私にはその手立てがありません。お母さんの気持ちはわかりました。
確かに性急だったかもしれません、よろしければもう少し私のことを知ってもらいたいと思います。
私はどうしても、シバと離れたくないのです。」
お母さんがふいっと目線を反らせて、何かに耐えるような顔をして小さなため息を吐いていく
「そうですね、バスターさんとお付き合いすることには何も不満はありません
貴方は大変優しく、優秀で、屈強そうです。
ただ…もう少しバスターさんを知る時間をいただければと思います。」
深々と頭を下げられて、これ以上の説得は受ける気がないという姿勢なのだろう
「うぅ…母ちゃん…」
シバが隣で悲痛な声を漏らしていくが、私はお母さんの話を聞いてどこかほっとしていた。確かに私達には時間が足りなかったのだろう…
「バスターさん、別に母ちゃんのことなんか気にしなくていいから!俺達の問題なんだから、俺達が決めることだし…」
「ふふっ、そうもいかないだろう?大丈夫だよシバ…お母さんの気持ちもわかるし、きっとお母さんが正しいよ!
私達には絶対的に時間が足りなさすぎたんだ…初めて抱き合って番うことを決めて、二回目で番おうとしたんだぞ?さすがに性急すぎるだろう?」
シバが今にも泣き出しそうで、耳も垂れてぐっと口は尖らせている。
きっと自分の母親に反対されて、悲しくて仕方がないのだろう、シバをどうやって慰めるかを考えながら…車の外の景色に目をやった。
シバは家のことをよくしてくれるし、私が少し多く稼げるから…
本当に、仕送りも続けもらいたいですし、シバの大事な家族なのですから…」
「いえ、そんな私も申し訳なかったです。
頭からバスターさんのことを疑ってしまって
ただ…申し訳ないですが、そんなお話を聞いても、まだ私はシバと番うことは認められません」
あの後シバはお母さんの威嚇でマヒになってしまったので、私が日頃のシバがいかに家のことをしてくれて助かっているかを説明していった。
「そんなこと当たり前です!共働きでしょうが…」
「生ぬるい、家に帰ったら雌はソファから一歩も歩かせないものよ…」
などとグチグチとシバへの文句を言っていたが…
「あの…できれば理由を教えていただけますか?私が他種族で同性だからでしょうか?」
「そうですね、同性なのはいいんです。この子が決めたことですから、ただ他種族なのが…私はシバが心配なのですよ!」
「なんでだよ!バスターさんは俺のこと本当に愛してくれてる、人狼の習性だってバスターさんは理解してくれる、すり合わせればいいって言ってくれる、なのにどうして番っちゃいけないんだよ!」
威嚇から早々に復活したシバがお母さんに食って掛かるが、お母さんは酷く辛そうに悲しそうな顔で話していっく
「だって…番としての制約は人狼にしかないの、もしも番った後にバスターさんが心変わりしたら?シバへの想いが冷めたら?
シバはそれでも、ずっとバスターさんを想い続けることになるのよ、想い人がいないのに、想い続けるのはすごく辛いことなのよ!」
お母さんの表情は本当にその辛さをしっているもので、愛しても愛しても側には愛する者はいない切ない表情で…
「それでも俺は番たい、もう俺はバスターさんいい、バスターさんじゃなきゃ番いたくない!
母ちゃんがどんなに言ったって、俺は…」
「シバっ、ちょっといいか?
すいません…私の気持ちをお見せできたら良いのですが、私にはその手立てがありません。お母さんの気持ちはわかりました。
確かに性急だったかもしれません、よろしければもう少し私のことを知ってもらいたいと思います。
私はどうしても、シバと離れたくないのです。」
お母さんがふいっと目線を反らせて、何かに耐えるような顔をして小さなため息を吐いていく
「そうですね、バスターさんとお付き合いすることには何も不満はありません
貴方は大変優しく、優秀で、屈強そうです。
ただ…もう少しバスターさんを知る時間をいただければと思います。」
深々と頭を下げられて、これ以上の説得は受ける気がないという姿勢なのだろう
「うぅ…母ちゃん…」
シバが隣で悲痛な声を漏らしていくが、私はお母さんの話を聞いてどこかほっとしていた。確かに私達には時間が足りなかったのだろう…
「バスターさん、別に母ちゃんのことなんか気にしなくていいから!俺達の問題なんだから、俺達が決めることだし…」
「ふふっ、そうもいかないだろう?大丈夫だよシバ…お母さんの気持ちもわかるし、きっとお母さんが正しいよ!
私達には絶対的に時間が足りなさすぎたんだ…初めて抱き合って番うことを決めて、二回目で番おうとしたんだぞ?さすがに性急すぎるだろう?」
シバが今にも泣き出しそうで、耳も垂れてぐっと口は尖らせている。
きっと自分の母親に反対されて、悲しくて仕方がないのだろう、シバをどうやって慰めるかを考えながら…車の外の景色に目をやった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
344
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる