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31.番う軌跡

912.散々な週末 3  (sideバスター)

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「うるさいですよ!本当になんなんですか?
人が気持ち悪くて寝てるのに…
もう本当にありえない、女性に手を出したくないけど、貴方はありえない!何をしようとしてるんですか?」

「ちがうの!イタイイタイイタイィィ!
わかったから!ごめんなざぃぃ!!」
 

アキラさんからの連絡でシバが体調不良で医務室にいること、毒と混乱状態であったことを受けて医務室に訪れれば
シバのキレた声に女性の悲鳴が聞こえる。なんだ?


すぐに入りたいのを堪えて、中の様子を伺えばシバとあのペキニーズ系女性のキティさんが二人でいるようだ…

キティさんは、シバがダークさんのところに持っていく資料を制作してくれている職員の一人で、今は職員総出で私が持っていく資料を作ってもらっているところのはずだ
こんなところで油を売っている暇はないはずで、ガラリッと引き戸を引いて中に入れば…


「おっとスリッパが脱げちゃった!」


引かれたカーテンの中からガタンッと派手な音がするのが聞こえる。


「ぎゃぁ!!痛っ!はぁ??
なんなの!本当になんなの?止めて!気持ち悪い…貴方は本当に気持ち悪い!!」


悲鳴のようなシバの声が聞こえる。気持ち悪いまで言うとは…かなり生理的に無理なタイプなのだな…

カシャリっと引かれたカーテンを開けて目に飛び込んできたのは、シバに跨りイヤらしいしたり顔でこっちを見ているキティさんに、必死な形相でそこから抜け出そうともがくシバで…
その体制は当に騎乗位状態で、私は経緯はしっかりと理解しているが腹の底がムカムカしてくる。


「ははっ…シバ?これはどういうことなのかな?説明してくれるかな?
なんでお前はそんなところで可愛らしい女性と何をしているのかな?」


とりあえず先に上司にあたるシバに説明を求めるが、真っ青な顔で固まってしまっていて…涙目で耳は垂れまくっているし、目は少し落ち窪んでる。
混乱状態のせいか、なかなか返答が難しいのか固まってしまっている。
目線も少し揺れていて、可哀想にこれはかなり体調が悪いな…状態異常は薬の混入の可能性が高いらしい、これは薬の副作用もでているな…


「あらぁ~所長!すいません
ちょっと二人で盛り上がっちゃって!
もう、シバさんったら激しいんだがら!!」


聞いてもいないのに甘ったるい声で自分達はここで、非ぬことをしていたとばかり説明してくる。


「はぁ?意味がわからない!何なの?貴方は?
違うんです。バスターさん、俺は本当に何も…全然、この人とは!」

「あらあら、恥ずかしがり屋ねぇ
見つかっちゃったんだから、しかたないじゃない?そんな無駄な言い訳しなくても…私達はこんな関係なんで!よろしくお願いしますぅ~」


シバは青い顔をさらに引きつらせて必死に私の誤解を解こうとするが、わかっているよ
ただ…今はひたすらに腹が立つから、悪いがシバにも優しくできそうにないが…

キティさん?いったいあなた達がどんな関係だっていうんだ?私達は付き合っているのだが?しかも、シバが浮気などするはずないだろうが!

はぁっとでかいため息を付きたいのを飲み込んで、とりあえずここで感情のままに怒るわけにはいかない


「わかった。そういう関係なんだな!
理解したよ、ただここは職場だからな?
社会人ならそこらへんはわきまえるように!
キティさん、とりあえず急ぎの書類を早く用意してくれないか?
今日はシバがダークさんのところに行けなくなったからな、私が代わりに届けることになってることはご存知ですよね?
シバはまだ具合が悪そうだな、大人しくしているように!動けるようになったら、今日は帰ってもらって結構だ、家でゆっくり療養するように!」


社会人としての二人を叱り、とりあえずキティさんをシバから離させる。
シバにはしっかりと休んでもらいたいのに…


「あっ…待ってください!バスターさん…俺は、本当に…バスターさん!」

「シバ!とりあえず、今は何も話す必要はないから、しっかりと休んでおきなさい!」


シバが必死に俺に乞うような瞳で、まだ弁明をしようとするから、大丈夫だよっと思いを込めて『休むように』っと伝えたが…
あの表情は、確実に伝わっていないな!
帰ってから慰めなければいけないなっ
きっとそのころにはこの荒ぶった気持ち落ち着いているだろうと思いながら
傍らのキティさんのくだらない言葉を聞き流す。


「もう、この前の告白で一度断られちゃったんですけど!やっぱりその後に気になってたみたいで…今日だってお弁当を交換して食べたんですよ!あはぁ、恥ずかしぃ!!」

「そうですかそのような話は結構ですので、とりあえず早急に書類の作成を行ってください!」


弁当か…それに薬でも仕込んだのだろう、まったく、この女性は…恐ろしいな
ただシバにも、少し腹が立ってくるのは仕方ないことだろう
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