夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§ 一番綺麗な私を 29 (sideシバ) §§

「Ｍｓ．ウィッチ…俺は貴方のことをバスターさんよりは知らない、バスターさんと貴方の関係も、貴方の過去も、貴方自身にもバスターさんよりは思い入れは薄い…だから貴方には容赦しませんから！！」

「えぇ、だからそうして頂戴よ！
私はとても自分からこの魔法を解除する気にはならないわ、この魔法の価値はそんなに容易に手放していいものじゃないのよ！
だからあんたが私を消したらいいのよ！バスターさんの選んだシバ公にやられて、死ねるなら本望よ！！」


抱きしめてくれているバスターさんの力が強くなる。まるで俺を止めるように…大丈夫ですよ？あんな煽りには乗らないから


「俺もそうしたいのは山々ですが、バスターさんがそれは望んでないから…
こうさせていただきます！！すいませんが…紙とペンと電卓を貸してもらえませんか？」

「「「「「はっ？？？」」」」」


その場にいたカズマさん以外の人たちの疑問の声が重なった。カズマさんだけは我関せずでＭｓ．ウィッチをガン見していた。
すぐに渡されたそれらを手にローテーブルの上でペンを走らせて電卓を叩いていく


「バスターさんの所長としての一年間の役職手当がだいたいがコレくらいで、バスターさんの年齢は42歳で定年が65歳だから✕かける23年、あと退職金への割当で差額がこれくらいで…あと冒険者ギルドからの討伐依頼が年一くらいあるとして、それが一回でこれくらいかな？
あとはバスターさんのスキルと防御力損失の慰謝料がどれくらいなのかな？これは、わからないなぁ…」

「なるほど！シバさんはやっぱり頭がいいなぁ、確かに、スキルも防御力もなしだと今の働き方は無理だね…
一般的なスキル値から出した金額だとこれくらいかな？バスターさんくらいのビッグネームだと、さらに上乗せされると思うけどね？」


シノダ教授が俺の考えを察して、電卓を叩いて金額を教えてくれる。助かります！


「ふふっ、なるほど、シバさん流石です。確かにバスターさんには絶対に思いもつかない方法ですね？
あと訓練施設としても所長損失の慰謝料と補填料も入れてください！だいたいコレくらいかな？Ｍｓ．ウィッチ、さすがに故意で労災事故のリカバリーをしないというなら、会社も庇いませんからね？」

「そうですね、会社としての損失もお願いします。これはかなりの金額いきますよ、バスターさんは人狼族と冒険者達の重要なパイプですからね？更に冒険者としてビッグネームだ、その方の損失なら株価への影響もでますし…最低でもコレくらいは…」


アキラさんと社長まで便乗してすごい金額を紙に書いていく…これはもう、合計すると我が組の年間予算レベルだな！


「っということで…Ｍｓ．ウィッチ、もしこの魔法を解除しないなら、この金額を慰謝料として払ってもらいます！！」

「はっ？！？？無理でしょ！そんな…途方もない金額！何これ？はっ？？私の年収の500年分以上はいくわよ！！」

「バスターさんが失ったモノには、それ以上の価値がありますよ！言っておきますけど、一括が無理ならしっかり利息もとりますからね、逃げようとしても駄目だから、裁判だってやってやりますからね！！」


もうＭｓ．ウィッチの真っ青な顔が見えて、めちゃ爽快な気分になる…ざまあみろだ！


「ねぇ？Ｍｓ．ウィッチ…貴方は、なんでそんなに若くあろうとするんの？」