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そうだ、結婚しよう(6)
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男を受け入れたのは四年ぶりだからか、痛みこそないものの圧迫感がひどい。
「ん……う。あっ……」
真琴が途切れ途切れに息を吐き出すのに合わせるかのように、かたく凝った熱が強引に隘路を押し開いて最奥に達した。
「……っ」
薫が劣情の籠った双眸で真琴を見下ろす。
「真琴、すごく、いい……。俺の形、わかる?」
「……あ」
胎内に薫の肉が満ち満ちているのを感じる。大切に育ててきた義弟に犯されている――その衝撃で今更ながらに目の奥から涙が滲んだ。
(ど……して。どうして……なんで……)
なぜこうなってしまったのか。いくら問い掛けてもわからない。そもそも誰を責めればいいというのか。
すると、薫が頬に零れ落ちた滴を舐め取りながら、薄紅色に色付いた右の膨らみをぐっと掴んだ
「……っ」
爪を立てられているからかひどく痛い。眉根を寄せる真琴に薫が静かに告げる。
「……真琴はいい義姉さんだったよ。でも、俺以外の男を選ぼうとしたから、勝手に離れようとしたから、こうするしかなかった。だから、真琴が悪いんだよ」
言葉が終わるのと同時に薫が腰を揺すぶり始め、繋がる箇所が卑猥なねばついた音を立てた。
真琴は呆然と薫の汗の浮いた、欲望に染まった目元を見上げる。
(私が、悪い……?)
ずっと頑張ってきたつもりだった。だが、それは薫のためというよりは、思い返してみるとすべて自分のためだった。和歌子のようになりたくはないという、独りよがりでしかなかったのではないか。
自身に絶望し、黙り込んだ真琴を見下ろし、薫は唇の端に薄い笑みを浮かべた。
「真琴は、可哀想だね。両親も、義弟も失くして、信じるものがなくなって……。でも、これからは俺がいる」
ぐっと腰を押し付けられ咽ぶような吐息が漏れる。直後にずぷりと弱い箇所を抉られ、真琴は声にならない声を上げた。何かに縋り付きたいのに、手首を拘束されているので、ただ火照る体をくねらせることしかできない。
「あっ……あっ……ひっ……やぁっ……」
薫は昂ぶりを不意に浅くにまで引き抜いたかと思うと、今度は息も止まるほど深く貫き、真琴の最奥を貪欲に征服していく。続けざまに訪れる痛みと、圧迫感と、耐えがたい快感に、真琴の脳裏から思考が徐々に失われていった。
しかし、耳元で囁かれた薫の言葉に、一瞬で現実に引き戻される。
「二度と俺を捨てようだなんて思わせないから。真琴は、男は捨てても子どもは捨てられない。だったら……」
(まさか……)
真琴は恐怖に体が強張るのを感じた。薫が優しく唇を重ねて目を細める。
「……心配ない。責任は取るし、真琴にはなんの苦労もさせないから。だから、俺についてきて」
「ダメ、そんなのダメ……! や……やあっ!」
真琴は恐怖に足をばたつかせたが、薫の大きな体はびくともしなかった。
「大人しくして。早いか、遅いか、それだけのことだ」
どういうわけか心は怯え切っているのに、体は薫を拒絶するどころか、その屹立をぎゅうっと締め付けてしまう。
薫は胸の頂を舌で一舐めしてから顔を上げた。
「真琴のここは素直だね。もっとよくするから」
腰が激しく叩き付けられたかと思うと、より激しい抽送が始まり、薫の本気を真琴に思い知らせる。
「んっ……あっ……んんっ」
いつしか薫も何も言わなくなり、室内には腰と腰がぶつかり合い、ベッドが壊れるほどに激しく軋み、蜜が絡まる音が響き渡った。
「真琴……義姉さん」
狂おしさすら感じさせる「義姉さん」との呼び声は、聞き違えではなかったのかどうだったのか。
隠微な湿気の立ち込める部屋の中、真琴は薫の蓄積された劣情と恋情に、荒海に浮かぶ木の葉のように翻弄されるしかなかった。
――どこからか馴染んだ香りが鼻に届いた
「……?」
肌に触れるシーツの感触が心地良い。
(あれ? 私昨日いつ寝たんだろ?)
真琴はゆっくりと瞼を開けて取り敢えず辺りを見回し、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいるのに気付く。いつもと変わらぬ穏やかな週末の朝だった。
(そうだった。今日の朝ご飯、薫担当じゃないの。う~ん、いい香り)
薫は昔高校に入学したその週から、みずから「俺がやるから」と買って出て、土日には朝食作りを担当しているのである。それは来年薫がこの家を出て行くまで、続けられるはずの習慣だった。
数十秒後に部屋のドアが開けられ、お玉を持った薫が姿を現す。
「真琴、朝飯できたよ。味噌汁、豆腐だけでもよかった?」
その言葉に「しまった!」と頭を抱える。
「ワカメ買ってくるの忘れていたんだった……。うん、なんでもいいよ。おかずって何かあった?」
「鮭の西京漬けがちょうど二切れ」
「あっ、まだ残っていたんだ。ラッキー。ご飯、お代わりしちゃおうかな」
真琴は「今行くから」と起き上がり、直後に我が身を見下ろして凍り付いた。
「……」
(な、なんで裸!? なんでキスマーク!?)
鎖骨と乳房だけではなく、恐る恐る布団を捲ると、なんと腿にまで紅い痕がある。
「ど、どうして……」
足の間のぬるりとした感触と体の異様なまでの疲労から、昨夜の出来事を思い出すのにそう時間はかからなかった。どうやら激しい薫の責めに耐え切れず、途中で失神してしまっていたらしい。
「……!!」
あまりのことに喉が凍り付いてそれ以上声が出ない。びくびくしながらドアに目を向けると、薫は「早く来いよ」と微笑んで腕を組んだ。
「……これからのこと、ゆっくり話し合おう?」
「ん……う。あっ……」
真琴が途切れ途切れに息を吐き出すのに合わせるかのように、かたく凝った熱が強引に隘路を押し開いて最奥に達した。
「……っ」
薫が劣情の籠った双眸で真琴を見下ろす。
「真琴、すごく、いい……。俺の形、わかる?」
「……あ」
胎内に薫の肉が満ち満ちているのを感じる。大切に育ててきた義弟に犯されている――その衝撃で今更ながらに目の奥から涙が滲んだ。
(ど……して。どうして……なんで……)
なぜこうなってしまったのか。いくら問い掛けてもわからない。そもそも誰を責めればいいというのか。
すると、薫が頬に零れ落ちた滴を舐め取りながら、薄紅色に色付いた右の膨らみをぐっと掴んだ
「……っ」
爪を立てられているからかひどく痛い。眉根を寄せる真琴に薫が静かに告げる。
「……真琴はいい義姉さんだったよ。でも、俺以外の男を選ぼうとしたから、勝手に離れようとしたから、こうするしかなかった。だから、真琴が悪いんだよ」
言葉が終わるのと同時に薫が腰を揺すぶり始め、繋がる箇所が卑猥なねばついた音を立てた。
真琴は呆然と薫の汗の浮いた、欲望に染まった目元を見上げる。
(私が、悪い……?)
ずっと頑張ってきたつもりだった。だが、それは薫のためというよりは、思い返してみるとすべて自分のためだった。和歌子のようになりたくはないという、独りよがりでしかなかったのではないか。
自身に絶望し、黙り込んだ真琴を見下ろし、薫は唇の端に薄い笑みを浮かべた。
「真琴は、可哀想だね。両親も、義弟も失くして、信じるものがなくなって……。でも、これからは俺がいる」
ぐっと腰を押し付けられ咽ぶような吐息が漏れる。直後にずぷりと弱い箇所を抉られ、真琴は声にならない声を上げた。何かに縋り付きたいのに、手首を拘束されているので、ただ火照る体をくねらせることしかできない。
「あっ……あっ……ひっ……やぁっ……」
薫は昂ぶりを不意に浅くにまで引き抜いたかと思うと、今度は息も止まるほど深く貫き、真琴の最奥を貪欲に征服していく。続けざまに訪れる痛みと、圧迫感と、耐えがたい快感に、真琴の脳裏から思考が徐々に失われていった。
しかし、耳元で囁かれた薫の言葉に、一瞬で現実に引き戻される。
「二度と俺を捨てようだなんて思わせないから。真琴は、男は捨てても子どもは捨てられない。だったら……」
(まさか……)
真琴は恐怖に体が強張るのを感じた。薫が優しく唇を重ねて目を細める。
「……心配ない。責任は取るし、真琴にはなんの苦労もさせないから。だから、俺についてきて」
「ダメ、そんなのダメ……! や……やあっ!」
真琴は恐怖に足をばたつかせたが、薫の大きな体はびくともしなかった。
「大人しくして。早いか、遅いか、それだけのことだ」
どういうわけか心は怯え切っているのに、体は薫を拒絶するどころか、その屹立をぎゅうっと締め付けてしまう。
薫は胸の頂を舌で一舐めしてから顔を上げた。
「真琴のここは素直だね。もっとよくするから」
腰が激しく叩き付けられたかと思うと、より激しい抽送が始まり、薫の本気を真琴に思い知らせる。
「んっ……あっ……んんっ」
いつしか薫も何も言わなくなり、室内には腰と腰がぶつかり合い、ベッドが壊れるほどに激しく軋み、蜜が絡まる音が響き渡った。
「真琴……義姉さん」
狂おしさすら感じさせる「義姉さん」との呼び声は、聞き違えではなかったのかどうだったのか。
隠微な湿気の立ち込める部屋の中、真琴は薫の蓄積された劣情と恋情に、荒海に浮かぶ木の葉のように翻弄されるしかなかった。
――どこからか馴染んだ香りが鼻に届いた
「……?」
肌に触れるシーツの感触が心地良い。
(あれ? 私昨日いつ寝たんだろ?)
真琴はゆっくりと瞼を開けて取り敢えず辺りを見回し、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいるのに気付く。いつもと変わらぬ穏やかな週末の朝だった。
(そうだった。今日の朝ご飯、薫担当じゃないの。う~ん、いい香り)
薫は昔高校に入学したその週から、みずから「俺がやるから」と買って出て、土日には朝食作りを担当しているのである。それは来年薫がこの家を出て行くまで、続けられるはずの習慣だった。
数十秒後に部屋のドアが開けられ、お玉を持った薫が姿を現す。
「真琴、朝飯できたよ。味噌汁、豆腐だけでもよかった?」
その言葉に「しまった!」と頭を抱える。
「ワカメ買ってくるの忘れていたんだった……。うん、なんでもいいよ。おかずって何かあった?」
「鮭の西京漬けがちょうど二切れ」
「あっ、まだ残っていたんだ。ラッキー。ご飯、お代わりしちゃおうかな」
真琴は「今行くから」と起き上がり、直後に我が身を見下ろして凍り付いた。
「……」
(な、なんで裸!? なんでキスマーク!?)
鎖骨と乳房だけではなく、恐る恐る布団を捲ると、なんと腿にまで紅い痕がある。
「ど、どうして……」
足の間のぬるりとした感触と体の異様なまでの疲労から、昨夜の出来事を思い出すのにそう時間はかからなかった。どうやら激しい薫の責めに耐え切れず、途中で失神してしまっていたらしい。
「……!!」
あまりのことに喉が凍り付いてそれ以上声が出ない。びくびくしながらドアに目を向けると、薫は「早く来いよ」と微笑んで腕を組んだ。
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