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第三幕 想定外

vs13 マリアとコルネフォロス

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 狩猟大会まであと5日。
ギルベルトはマリミエドと共に衣装を見にデザイナーの店へ来ていた。
「うん、悪くないな…どうだいリュミ」
「ええ、狩りにはいいと思いますわ」
マリミエドもギルベルトと同じようなズボンを仕立てて着替えてみた。
「リュミも似合うよ、女騎士のようだな」
そう褒め合う部屋の壁では、コルネフォロスにべったりなマリアが居る。
「ねぇ、この前のお店にまた行きたいな」
「マリア…今は大事なお客様がいるんだ。奥で待っていてくれ」
「えー」
マリアは渋々奥の部屋に引っ込む。
「大変そうだな」
ギルベルトが言うとコルネフォロスは苦笑する。
「紹介されたのはギルベルト様ですよ」
「そうだな。上手くいってるのか?」
「…どうでしょうか」
微妙な答えだ。
マリアをコルネフォロスに会わせたのは一週間前だ。
店にベストを作りに来たついでに連れてきただけだ。
後は自然と2人が仲良くなっていた。

ギルベルトとマリミエドが品物を持ち帰ると、マリアがコーヒーを注いで持ってくる。
「お疲れ様」
「ああ、ありがとう」
そう言いコルネフォロスは座ってコーヒーを飲んでスケッチを手にする。
と、マリアがそれを取って怒る。
「私と居る時は仕事しないでって言ったじゃないの!」
「でもねマリア…」
苦笑して言うとマリアがコルネフォロスの後ろから抱き着いて言う。
「ダーメ。…私が甘えられないでしょう…?」
そう言ってマリアはコルネフォロスの頬にキスをする。
コルネフォロスは笑ってマリアにキスをした。
はディナーの後で、と思っていたのにな…」
そう言い、コルネフォロスはマリアを抱き上げて立ち上がる。
「きゃあ!」
マリアは笑いながらコルネフォロスの肩に手を回す。
2人は見つめ合って再びキスをして奥の部屋に行った。


 屋敷に帰ったマリミエドは、軽い弦のクロスボウの練習をしていた。
魔石で弦を引き寄せられて、引き金は銃と同じになっている。
女性でも狩りが出来るように改良された物だ。
狩猟大会では、魔物との戦いがあると世界樹は言っていた。
〈クロスボウに魔力を込めたら、きっと役に立つわ〉
そう思って10日程前から練習をしていた。
そこにギルベルトがやって来て猟銃で的の真ん中を撃つ。
「お兄様!」
「…真ん中に当てられていないじゃないか、どうしたんだ?」
「だって…助けた魔物の子と同じだったらと思うと…」
「リュミは優しいね。…さっき、最後の青い野薔薇サファイア・ローズ碧い百合リム・リリエルが見付かったよ」
「本当ですか⁈ あ…宝物殿に行かなくては…」
「明日、アルビオンとユークレース、クリフォードとレアノルドと共に行こう。ライアンは探せていなかったから、わざわざ呼ばなくてもいいだろう…こんなだいそれた事を知るのは気が重いだろうからね」
「…そうですわね」
2人は頷き合って、猟銃の肩慣らしとクロスボウの特訓をした。
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