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第三幕 想定外

vs41 女神との話し合い

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 翌日。
マリミエドは子犬と共に神殿へ行き、女神像に祈る。
〈女神様…〉
マリミエドは子犬と共に祈った。
〈女神…どうか応えて欲しい……〉
一時間も祈ったが、何の返答も無かった。
『リュミ…神殿の前のガゼボで寝てみよう。会えるかもしれない』
「ええ…」
答えてマリミエドは子犬を抱えて神殿の前の公園にあるガゼボに入る。そこは、ベンチが丸くなっている。
「エレナ、わたくし達は寝て女神様に会えるか試してみるわ」
「分かりました。ではランチの時に起こしますね」
「ええ」
頷いてマリミエドは子犬をベンチに降ろして、ショールを枕にして横になる。
エレナが持っていた膝掛けをマリミエドと子犬に掛けた。



 ギルベルトの夢の中。
女神が目の前に居て手を合わせていた。
「ごめんなさい!」
「…リュミの加護が」
言い掛けるとリュミエリーナが言う。
「それ! あのね…何だかよく暴漢に遭うから、に効くようにしちゃったの…ホントにごめんなさい!」
「ヴァンパイアまで寄ってきて!」
「アレはモンスターだし…人間の男じゃないし…。貴方が防いだんだからいいじゃなーい…ね?」
「ね、じゃないよ…。男とキスなんてしたくもなかった…」
「大丈夫、犬だし!」
女神が焦りながら笑って誤魔化した。
すると急にギルベルトが落ち込んだように俯いて真顔で言う。
「……女神、もし…俺の体が駄目でも……何か人間になる方法は無いかな…」
「何を弱気になっているの⁉ 4人も貴方の無事を願ったのだから絶対に戻れるわよ!」
「…俺の中に入ったのは魔族だ。恐らく地上の侵略を目論む。そうすれば、が魔族の王として人間に指名手配されるんだよ。そして俺は戻った体で死罪を迎えてしまう…」
「あ……」
「体は無事でも…罪を侵しては意味が無いんだ…」
そう呟くとシンとなる。
さすがに女神の管轄ではないので、〝大丈夫〟などとは言えなかった。
「世界樹に聞きましょう」
女神が真顔で言う。
「どうやって?」
「世界樹の針は」
「俺のベストだ…魔族の手の中さ」
「…ペン先…っ」
「自分の分は作って無いんだ」
そう答えて、何か世界樹の物が無いかを考え、ギルベルトが思い出す。
「世界樹のコサージュ! ユークレースがマリミエドにプレゼントしたのがある筈だ! ああでも持って来てない…!」
「それがあるのなら、街に出て私の像を買いなさい! 貴方がピンとくる物を!」
「難しい事を言うね…」
「女神像よ、いいわね!」
その言葉にギルベルトはうんうんと頷く。
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