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第一章 始まりの館

Chapter24 新メニュー

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 翌日は曇りだった。
朝早くから布団用の布を作った。
白、赤、青、緑、紫、ピンクに黒…色とりどりな布で心が踊る。
ミュージの世話をリュカシオンとマリアンナがやって、ニワトリの世話をフィナアリスとノアセルジオがやり、畑の水やりと雑草取りをクリストフがやり、庭の水やりと雑草取りをティナジゼルとレオリアムとアルベルティーナがやる。
ルベルジュノーとリナメイシーとメルヒオールはキャンディ作りとラザーニャやパスタの準備だ。
子供達が自発的にやっているので、アルシャインは手出しをせずにいた。
綿を布で包む作業はカシアンと2人でやった。
最後に側面を縫うので、ベッドの上に置いておく。
白い家具で統一した部屋には白い布団を置いた。
白い燭台に白い小さな植木鉢の多肉植物を飾り、壁掛けランプの彫刻は白い鳩だ。
壁紙もいつかは白くしたい。
2つ目の部屋は水色がいいと思った。
布も水色はあるし、作ってある。
「カシアン、2つ目は水色で、ミュージの毛と混合にしましょう!」
「分かった」
答えてカシアンが薄く伸ばして何重にも重ねた綿と毛を運んで水色の布で包む。
今日は3つ目の部屋の家具を作る予定だ。
そこにみんなが入ってくる。
「アイシャママ、木の枝とお花と、木の植木鉢にする木材集めたよ!」
マリアンナが言うと、アルシャインがダイニングのテーブルに行く。
「じゃあ朝食を作るから、みんなでリースを作ってみてくれる?」
「はーい!」みんなが答えた。
「私は手伝うわ」
フィナアリスが言い、アルシャインの隣りに来る。
「ありがとう、ナリス。今日はね、男の子には角ウサギのカツレツコトレッタで、女の子にはミートソースとホワイトソースのリゾットよ」
そう言ってアルシャインは小麦粉やパン粉、米の用意をする。
リゾットは野菜スープで煮立ててから、バターで炒めてお皿に盛り付け、その上にホワイトソースとミートソースを掛けてチーズを乗せ、オーブンで焼く。
コトレッタは角ウサギの肉を塩コショウとディルで味付けしてから小麦粉、卵にチーズとパン粉を付けて揚げていく。
「パン粉を付けると中のお肉がジューシーになるってお肉屋さんが言ってたわ」
アルシャインがフィナアリスに説明する。

匂いに誘われてみんなが配膳にやってくる。
「さあ、食べましょう!」
「うめー!」とルベルジュノー。
「美味しい!」とレオリアム。
「これライスね!ラザニアかリゾットか迷うお客さんも出てくるよ!」とアルベルティーナ。
「あら、やっぱり売った方がいいかしら?」
アルシャインが聞くと全員が頷いた。
「コトレッタはソースが美味いね!…マルゲリータと同じ12Gでいいと思う」とノアセルジオ。
「リゾットはね、8G!ラビオリより1G多く!」とティナジゼル。
女の子はコトレッタを一切れ貰って食べて、男の子はリゾットを一口貰う。
「はいカシアン、あーん」
アルシャインがスプーンを向けてくるので、カシアンが水を吹き掛けて我慢してむせた。
「やだ大丈夫?」
「ゲホゲホあ…はぁはぁ…アイシャ、そういう事は突然やらないでくれ」
「え…じゃあ前もって言えばいいの?一口食べる?あーん」
「そうじゃ…っ!…自分で食べるよ」
カシアンは真っ赤になってスプーンを手にして食べて驚く。
「これ美味い!パンに飽きたらこれ食いたいな!」
「そう?良かったわ!…じゃあ今度お米の料理も増やさないとね」
アルシャインは笑って言った。

黒板に新しいメニューを書き加えた。
 角ウサギのコトレッタ12G
 リゾット8G
どんどん新しいメニューが出来ていく。
食事処としては好調だ。
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