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第一章
6 正体不明のドキドキ
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これからどうすればいいのか考え込みながらも、リュカオンはブランデーを飲む手が止まらない。
昨日の晩のことを思い出し、彼は隣でちびちびと酒を飲んでいたエルシオンに尋ねた。
「今日は門を守んなくていいのか?」
この家の場所は定かではないものの、門番をしているうちは否応なく離れることになる。その間にこっそり逃げ出せばいいと思ったのだ。
しかし、エルシオンは淡々と答えた。
「アリスが帰ってきたから、今日は必要ない」
それを聞いてリュカオンは内心落胆したものの「そっか……」と素っ気なく返す。ここで変に食い下がって、彼に警戒されては敵わない。
普段、箱庭の扉はアリスの魔法で強固に守られている。彼女が不在の時は魔法の効果が薄まるので、代わりに門番を置いているのだ。それが無いとなると、ますます脱出は難しくなる。
魔女アリスは気まぐれに外出するため、次に門番が必要になるのはいつか分からない。場合によっては、一カ月くらいこのままということもあり得る。
留守中に逃げ出すことは一旦諦め、リュカオンは改めて尋ねた。
「なんで俺なんだ? 林檎をやっただけだろ?」
エルシオンは「大きくなったら迎えに来い」と言われたと主張していたが、リュカオンはその言葉を信じてはいなかった。自分らしくない発言だし、何よりうさぎ相手には絶対に言わない。
惚れた理由から現状の打開策が見えてこないか期待して待っていると、エルシオンは琥珀色の液体を飲み干し、心を落ち着かせるように小さく息を吐いた。その表情はどこか硬く、緊張して見える。
彼はリュカオンの目を真っ直ぐに見つめると、熱のこもった声で言った。
「一目惚れだ。あの日から、あなたのことが頭から離れなくなった」
種族も性別も超えて愛を貫くなんて、情熱的にも程がある。それも五年も前に一度会っただけの相手にだ。
今もエルシオンは種族の差を感じさせないほど堂々としていて、狼族であるはずのリュカオンの方がタジタジになる。
彼はぐいと身を乗り出し、リュカオンの顔を覗き込んだ。
「狼族はどうやって番を選ぶ?」
真剣な眼差しを向けられ、リュカオンはしばし考えた。
毎年のようによその群れから見合いを持ち掛けられているが、まだ『運命の相手』と呼べるような相手に会ったことがない。そのため、一般的に言われていることをそのまま話すしかなかった。
「そりゃあ……本能的にピンとくんだよ。コイツが番だって」
馬鹿正直に教えた後、彼はしまった!と自分の迂闊さに気付く。せっかく諦めさせる口実になりそうだったのに、これではエルシオンがますます熱を上げかねない。
「おっ……俺は、年上の方が好きだな!」
慌てて付け足すと、エルシオンは表情を曇らせ、長い耳も力なくへにゃりと垂れる。
少し可哀想な気もするが、リュカオンはこれで彼も諦めるだろうと密かに期待した。
ところが、このうさぎはなかなかに手強かった。ハッと何かに気付き、耳がピンと立つ。
エルシオンは赤い瞳を宝石のようにキラキラ輝かせ、自信満々に言った。
「うさぎ族は、狼族よりも成長が速い。だから、いつかはあなたよりも年上になると思う」
彼の言うことは無理矢理にも程がある。だが、その必死さにリュカオンは思わずぷっと吹き出した。
「何言ってんだよ! こういうのは生まれた順だろ? それに、成獣になってからの成長速度はうさぎも狼も変わんねぇだろうが」
大人になるまでは確かにうさぎ族の方が倍近く成長が速いが、そこから先はほとんど変わらない。つまり、エルシオンはどうやったって年上にはなれないのだ。
元気よく立っていた耳が再び下がり、見るからに落ち込んだ様子を見せる。リュカオンは笑いが止まらず、彼の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「それから、俺の名前はリュカオンだ。まあ、好きに呼んで構わねぇけど」
ずっと「あなた」呼びをされていたが、狼族にはそんな風に丁寧に接してくる相手はいないので、聞いていてずっとむずむずしていたのだ。
名前を教えると、エルシオンの耳が嬉しそうにぴょんと跳ね上がった。表情よりも耳の方に感情が出る様は、傍目に見ていても面白い。
エルシオンはしばらく名前を教えてもらった喜びを噛み締めていたが、遠慮がちに寄りかかってきた。
「リュカ」
甘やかな囁きに、リュカオンの目が点になる。今まで、他人からそんな風に名前を呼ばれたことがあっただろうか。
心臓がうるさいほどに高鳴り、彼は身を強張らせた。戸惑いを隠せずに見つめ返すと、赤い目が穏やかに細められ、その優しげな眼差しにまた胸がどきりとする。
エルシオンは愛情を示すように身をすり寄せ、蕩けるように甘い声で尋ねた。
「年下は嫌い?」
仄かに林檎の香りがする囁きに、きゅっと胸が締め付けられる。
見惚れるほど美しい顔から放たれたその言葉は破壊力抜群だ。リュカオンは咄嗟に否定することができなかった。
「べっ、別に……嫌いじゃねぇ……けど」
まともに目を合わせていることができなくて、彼は熱っぽい眼差しからサッと顔を逸らした。あっという間に頭に血が上ってきて、身体中がカッと熱くなる。
無性に外を駆け回りたい気分だったが、残念ながら今は囚われの身だ。リュカオンはグラスに残ったブランデーを一息で飲み切ると、急にソファから立ち上がった。
「夜風に当たりてぇんだけど?」
動揺を隠すように不機嫌な声を出すと、エルシオンも静かに腰を上げる。彼はリュカオンの背中に手を添え、穏やかな口調で言った。
「少し待っていて。着替えを用意する」
その言葉のお陰で、リュカオンは自分がシルクのローブを着ていたことを思い出す。着心地が良すぎて、すっかり体に馴染んでしまっていた。
ソファに座り直して待っていると、エルシオンが部屋の引き出しから服を持ってきてくれた。
しかし、彼が持ってきたのは、よく似てはいるが元々着ていた服ではなかった。
元はありふれた白いシャツに焦茶色のベストとズボンだ。ところが、エルシオンが持ってきたものに袖を通すと、生地の滑らかさに驚く。
見た目こそ似ているが、明らかに高級品だ。
「服を新調しておいた」
エルシオンは澄ました顔で、こともなげに言う。リュカオンは一瞬突き返すか迷ったものの、迷惑料として受け取ることにした。
小窓のついた扉から外へ出ると、エルシオンの住む家は木々が下に見えるほど高い場所にあることが分かった。巨木の上に建つ大きなツリーハウスだ。
冷たい夜風が肌を撫で、熱を冷ましてくれる。薔薇の香りが混じる外の空気を胸いっぱいに吸い込み、彼は辺りを見渡した。
家の扉の正面には大きな薔薇園。その奥には小さな家々と明かりが点々と浮かんでいる。街というより村のようだが、広大で全貌は把握できない。
「向こうが箱庭の中か?」
薔薇園の向こうを指差すと、エルシオンが頷いた。
「薔薇の迷路を抜けると箱庭の中だ。この家はクマの集落と箱庭の間に建っている」
話を聞いて、リュカオンは不思議に思う。
うさぎ族は狼族以上に群れを作る。それなのに、どうしてエルシオンはここに一人で住んでいるのだろうか。
「お前も箱庭の住人だろ? なんで外に住んでるんだ?」
まさか自分と住むためにか?と怪しんでいると、エルシオンは薔薇園の向こうを見て、ため息を吐いた。
「彼女の意向で、楽園には可愛いものしか立ち入れない。それに、私が中に入るとうさぎ族の雌が殺到してくる」
一度酷い目に遭ったのか、エルシオンは浮かない顔だ。
彼は見目麗しく強い雄うさぎなのだから、雌が殺到するのは当然だろう。その光景が目に浮かぶようで、リュカオンは小さく笑みを漏らす。
「モテていいじゃねぇか」
「私の番はリュカ一人だ」
またしても名前を呼ばれ、リュカオンは顔が熱くなるのを感じた。せっかく夜風に当たって熱が冷めたのに、これでは出てきた意味がない。
彼は気恥ずかしさを誤魔化すように咳払いをして、家の周りをぶらぶらと一周してみた。するとおかしなことに、どこを見ても下へ続く階段や梯子の類いが見当たらないではないか。
彼はくるりと振り返り、後ろをついて来ているエルシオンを不思議そうに見る。
「お前、普段どうやって出入りしてんだ? これじゃ出られねぇだろ」
「魔法で足場を作る」
こんな風に、とエルシオンが魔法を使うと、青く光る魔法陣が浮かび上がった。
彼は軽々とそこに飛び乗り、もう一度跳躍して隣に戻ってくる。それは恐らく、リュカオンを攫った時に使った魔法と同じだ。
「魔法無しじゃ出られそうにねぇな……」
下を覗き込むと、遥か遠くに地面が見えた。
自力で出るには木を伝って降りていく他ないが、大木にしがみついて降りるのはかなり危険だ。
「リュカ、危ないことはしないで」
身を乗り出して下を見ていた彼を、エルシオンが優しく引き戻す。
名残惜しく下を見て、リュカオンはうーん、と頭を悩ませた。どうにかして、魔法なしで下に降りる方法を考えなければならない。
「なあ、しばらくお前んとこに世話になる代わりに、飯の時に出たワインを俺の仲間たちに届けてくれねぇかな」
「分かった」
エルシオンが二つ返事で頷いてくれたので、ついでに手紙を託すことにした。「珍しい酒の仕入れをしているから、しばらく留守にする」と。
これなら、長らく留守にしても多少は面目が立つ。
大人しく家で待つことと引き換えに、リュカオンは今日中に荷物と手紙を届けることを約束させた。
昨日の晩のことを思い出し、彼は隣でちびちびと酒を飲んでいたエルシオンに尋ねた。
「今日は門を守んなくていいのか?」
この家の場所は定かではないものの、門番をしているうちは否応なく離れることになる。その間にこっそり逃げ出せばいいと思ったのだ。
しかし、エルシオンは淡々と答えた。
「アリスが帰ってきたから、今日は必要ない」
それを聞いてリュカオンは内心落胆したものの「そっか……」と素っ気なく返す。ここで変に食い下がって、彼に警戒されては敵わない。
普段、箱庭の扉はアリスの魔法で強固に守られている。彼女が不在の時は魔法の効果が薄まるので、代わりに門番を置いているのだ。それが無いとなると、ますます脱出は難しくなる。
魔女アリスは気まぐれに外出するため、次に門番が必要になるのはいつか分からない。場合によっては、一カ月くらいこのままということもあり得る。
留守中に逃げ出すことは一旦諦め、リュカオンは改めて尋ねた。
「なんで俺なんだ? 林檎をやっただけだろ?」
エルシオンは「大きくなったら迎えに来い」と言われたと主張していたが、リュカオンはその言葉を信じてはいなかった。自分らしくない発言だし、何よりうさぎ相手には絶対に言わない。
惚れた理由から現状の打開策が見えてこないか期待して待っていると、エルシオンは琥珀色の液体を飲み干し、心を落ち着かせるように小さく息を吐いた。その表情はどこか硬く、緊張して見える。
彼はリュカオンの目を真っ直ぐに見つめると、熱のこもった声で言った。
「一目惚れだ。あの日から、あなたのことが頭から離れなくなった」
種族も性別も超えて愛を貫くなんて、情熱的にも程がある。それも五年も前に一度会っただけの相手にだ。
今もエルシオンは種族の差を感じさせないほど堂々としていて、狼族であるはずのリュカオンの方がタジタジになる。
彼はぐいと身を乗り出し、リュカオンの顔を覗き込んだ。
「狼族はどうやって番を選ぶ?」
真剣な眼差しを向けられ、リュカオンはしばし考えた。
毎年のようによその群れから見合いを持ち掛けられているが、まだ『運命の相手』と呼べるような相手に会ったことがない。そのため、一般的に言われていることをそのまま話すしかなかった。
「そりゃあ……本能的にピンとくんだよ。コイツが番だって」
馬鹿正直に教えた後、彼はしまった!と自分の迂闊さに気付く。せっかく諦めさせる口実になりそうだったのに、これではエルシオンがますます熱を上げかねない。
「おっ……俺は、年上の方が好きだな!」
慌てて付け足すと、エルシオンは表情を曇らせ、長い耳も力なくへにゃりと垂れる。
少し可哀想な気もするが、リュカオンはこれで彼も諦めるだろうと密かに期待した。
ところが、このうさぎはなかなかに手強かった。ハッと何かに気付き、耳がピンと立つ。
エルシオンは赤い瞳を宝石のようにキラキラ輝かせ、自信満々に言った。
「うさぎ族は、狼族よりも成長が速い。だから、いつかはあなたよりも年上になると思う」
彼の言うことは無理矢理にも程がある。だが、その必死さにリュカオンは思わずぷっと吹き出した。
「何言ってんだよ! こういうのは生まれた順だろ? それに、成獣になってからの成長速度はうさぎも狼も変わんねぇだろうが」
大人になるまでは確かにうさぎ族の方が倍近く成長が速いが、そこから先はほとんど変わらない。つまり、エルシオンはどうやったって年上にはなれないのだ。
元気よく立っていた耳が再び下がり、見るからに落ち込んだ様子を見せる。リュカオンは笑いが止まらず、彼の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「それから、俺の名前はリュカオンだ。まあ、好きに呼んで構わねぇけど」
ずっと「あなた」呼びをされていたが、狼族にはそんな風に丁寧に接してくる相手はいないので、聞いていてずっとむずむずしていたのだ。
名前を教えると、エルシオンの耳が嬉しそうにぴょんと跳ね上がった。表情よりも耳の方に感情が出る様は、傍目に見ていても面白い。
エルシオンはしばらく名前を教えてもらった喜びを噛み締めていたが、遠慮がちに寄りかかってきた。
「リュカ」
甘やかな囁きに、リュカオンの目が点になる。今まで、他人からそんな風に名前を呼ばれたことがあっただろうか。
心臓がうるさいほどに高鳴り、彼は身を強張らせた。戸惑いを隠せずに見つめ返すと、赤い目が穏やかに細められ、その優しげな眼差しにまた胸がどきりとする。
エルシオンは愛情を示すように身をすり寄せ、蕩けるように甘い声で尋ねた。
「年下は嫌い?」
仄かに林檎の香りがする囁きに、きゅっと胸が締め付けられる。
見惚れるほど美しい顔から放たれたその言葉は破壊力抜群だ。リュカオンは咄嗟に否定することができなかった。
「べっ、別に……嫌いじゃねぇ……けど」
まともに目を合わせていることができなくて、彼は熱っぽい眼差しからサッと顔を逸らした。あっという間に頭に血が上ってきて、身体中がカッと熱くなる。
無性に外を駆け回りたい気分だったが、残念ながら今は囚われの身だ。リュカオンはグラスに残ったブランデーを一息で飲み切ると、急にソファから立ち上がった。
「夜風に当たりてぇんだけど?」
動揺を隠すように不機嫌な声を出すと、エルシオンも静かに腰を上げる。彼はリュカオンの背中に手を添え、穏やかな口調で言った。
「少し待っていて。着替えを用意する」
その言葉のお陰で、リュカオンは自分がシルクのローブを着ていたことを思い出す。着心地が良すぎて、すっかり体に馴染んでしまっていた。
ソファに座り直して待っていると、エルシオンが部屋の引き出しから服を持ってきてくれた。
しかし、彼が持ってきたのは、よく似てはいるが元々着ていた服ではなかった。
元はありふれた白いシャツに焦茶色のベストとズボンだ。ところが、エルシオンが持ってきたものに袖を通すと、生地の滑らかさに驚く。
見た目こそ似ているが、明らかに高級品だ。
「服を新調しておいた」
エルシオンは澄ました顔で、こともなげに言う。リュカオンは一瞬突き返すか迷ったものの、迷惑料として受け取ることにした。
小窓のついた扉から外へ出ると、エルシオンの住む家は木々が下に見えるほど高い場所にあることが分かった。巨木の上に建つ大きなツリーハウスだ。
冷たい夜風が肌を撫で、熱を冷ましてくれる。薔薇の香りが混じる外の空気を胸いっぱいに吸い込み、彼は辺りを見渡した。
家の扉の正面には大きな薔薇園。その奥には小さな家々と明かりが点々と浮かんでいる。街というより村のようだが、広大で全貌は把握できない。
「向こうが箱庭の中か?」
薔薇園の向こうを指差すと、エルシオンが頷いた。
「薔薇の迷路を抜けると箱庭の中だ。この家はクマの集落と箱庭の間に建っている」
話を聞いて、リュカオンは不思議に思う。
うさぎ族は狼族以上に群れを作る。それなのに、どうしてエルシオンはここに一人で住んでいるのだろうか。
「お前も箱庭の住人だろ? なんで外に住んでるんだ?」
まさか自分と住むためにか?と怪しんでいると、エルシオンは薔薇園の向こうを見て、ため息を吐いた。
「彼女の意向で、楽園には可愛いものしか立ち入れない。それに、私が中に入るとうさぎ族の雌が殺到してくる」
一度酷い目に遭ったのか、エルシオンは浮かない顔だ。
彼は見目麗しく強い雄うさぎなのだから、雌が殺到するのは当然だろう。その光景が目に浮かぶようで、リュカオンは小さく笑みを漏らす。
「モテていいじゃねぇか」
「私の番はリュカ一人だ」
またしても名前を呼ばれ、リュカオンは顔が熱くなるのを感じた。せっかく夜風に当たって熱が冷めたのに、これでは出てきた意味がない。
彼は気恥ずかしさを誤魔化すように咳払いをして、家の周りをぶらぶらと一周してみた。するとおかしなことに、どこを見ても下へ続く階段や梯子の類いが見当たらないではないか。
彼はくるりと振り返り、後ろをついて来ているエルシオンを不思議そうに見る。
「お前、普段どうやって出入りしてんだ? これじゃ出られねぇだろ」
「魔法で足場を作る」
こんな風に、とエルシオンが魔法を使うと、青く光る魔法陣が浮かび上がった。
彼は軽々とそこに飛び乗り、もう一度跳躍して隣に戻ってくる。それは恐らく、リュカオンを攫った時に使った魔法と同じだ。
「魔法無しじゃ出られそうにねぇな……」
下を覗き込むと、遥か遠くに地面が見えた。
自力で出るには木を伝って降りていく他ないが、大木にしがみついて降りるのはかなり危険だ。
「リュカ、危ないことはしないで」
身を乗り出して下を見ていた彼を、エルシオンが優しく引き戻す。
名残惜しく下を見て、リュカオンはうーん、と頭を悩ませた。どうにかして、魔法なしで下に降りる方法を考えなければならない。
「なあ、しばらくお前んとこに世話になる代わりに、飯の時に出たワインを俺の仲間たちに届けてくれねぇかな」
「分かった」
エルシオンが二つ返事で頷いてくれたので、ついでに手紙を託すことにした。「珍しい酒の仕入れをしているから、しばらく留守にする」と。
これなら、長らく留守にしても多少は面目が立つ。
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