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帝冠より大切なもの
献身と欲情
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洞穴に持って帰った鹿肉は、骨もあわせ、大部分をサキルが食べ尽くした。
彼はまだ足りないとばかりじっとイドリスを見てきたが、家畜の市場などないこんな辺鄙な場所ではどうしようもない。
ラファトがきちんと長距離をドラゴンに乗っていられるようになるまでは、待ってもらう他はなかった。
人間用に取り分けた分と兎肉は、祭壇に供えてあった酒と酒甕を利用して、煮込み料理にした。
雪解け水を足し、塩と酒で茹でただけだったが、汁には旨味が出て良いスープになり、肉は柔らかく、昨日作った穀物の汁物よりも格段にいい出来だ。
ラファトは犬のように顔を椀に突っ込み、夢中で食べていた。
甕の中身を調整するために注ぎ出した酒は、供物が入っていた椀に注ぎ、二人で分けて飲んだ。
酒といっても、舐めてみると果実の汁からまだ作ったばかりの、ほとんど甘いばかりの汁だ。
腹の中の赤子に毒にならないよう、イドリスは控えめにして、殆どをラファトの方に飲ませた。
そのせいで酔っ払ったのか、夜中のラファトは酷く機嫌が良かった。
焚き火の爆ぜる音の響く洞穴の中で、一緒に敷物の上に寝転がりながら、ラファトがこちらに笑いかけてくる。
イドリスは試しに彼にまた頼んでみた。
「ラファト……。明日こそはサキルに乗って、俺と帰ろう?」
「こわい。無理」
反抗期でも来ているのかというほど、ラファトは拒絶を即答してくれた。
「全くもう……何故なんだ。……あんなに、お前達は深く絆で結ばれていたのに……」
呆れながら、イドリスは横を向いて目を閉じた。
沢山歩いて動き回ったせいか、今日は悶々とせずに眠れそうな予感がする。
――それなのに。
ラファトがそばに寄ってきて、密着するようにイドリスを背中から抱きしめながら、そっと囁いてくる。
「イドリス……イドリス」
「何だ……眠いのに……」
目を開けて振り向くと、ラファトの熱い息が耳にかかった。
「からだあつい……。ここ、痛い……」
その言葉を聞いて、何か知らないうちに怪我でもしたのかと驚き、イドリスはすぐに振り向いて彼の身体をよく見た。
だが、その長い指が指し示していたのは――布がはっきりと形をあらわにするほどに隆起している、彼の股の間だった。
「……っ」
イドリスは慄いて、耳まで真っ赤になった。
「なっ、なぜ」
思わず聞いてしまって、すぐに気付いた。
赤身の多い鹿肉には強壮効果がある。
しかも、ラファトは記憶を失っていて、自らの慰め方すら知らないのだから、おそらく、今まで精は溜まる一方だったに違いない。
互いに横になったまま、イドリスはごくんと唾を呑んでラファトと見つめ合った。
困り果てた挙句、布越しに優しくラファトの昂りに触れると、びく、とその身体が過敏に震える。
「ここ……、が、痛いのか……?」
顔を覗き込むと、汗ばんで息を上げながら、こくこくとラファトが頷いた。
「大丈夫だ……。精を出せば、治るから……」
「……せい……?」
駄目だ、この男は何も分かっていない。
分かっていないくせに、逞しい大人の男の身体ばかりが雄の匂いをまとわせて、こちらを狂わせてくる。
……一晩は堪えたのに、もう我慢できない。
イドリスはラファトの唇に口付けて、彼の舌の上をひとねぶりし、酒の残り香を味わった。
「あっ……あ」
それだけで、手の中のラファトがビクビクと反応する。
「……お前は、何もしなくて良い……。俺が、手で、してやるから……」
淫蕩に微笑んで、イドリスはラファトのズボンを下げ、その硬く張り詰めた雄を取り出し、優しく握った。
チュ、チュ……と音を立てて唇に軽い口付けを繰り返しながら、指で陰茎を扱き立ててやると、あっという間にラファトが先走りをこぼし、手の中がグチョグチョと音を立てる。
「あ、あ、イドリス、イドリス……っ」
白い顔を真っ赤にして、ラファトが涙を流しながら快感に集中する。
「気持ちいいか……?」
顔を覗き込みながら尋ねると、今度はラファトがイドリスの唇に唇を重ねてきた。
「ン……っ」
舌を誘導するように粘膜の中に誘い込み、舌先を優しく吸ってやりながら、重く張った玉を優しく撫で回し、陰茎を擦り上げる手の動きを早めてゆく。
「ウ、ウ、うぅ……っ!!」
ラファトがひとたまりもなく、下腹を痙攣させながら、イドリスの手の中に精を吐き出した。
「はあっ、はあっ」
涙ぐみながら肩で息をしているラファトを物欲しげに見つめながら、イドリスは無意識に手に付いた精をべろりと舌で舐め取っていた。
青苦い味もどろりとした食感も、最悪としか言いようがないのに、それを喉奥に飲み込んでいくのをやめられない……。
――そんな様子をじっと見ていたラファトが、出したばかりなのにまだ硬い雄をイドリスの太ももに押し付けてくる。
「もっと……イドリス」
「こら……っ、一度だけだ……」
戸惑いながら首を横に振る。
「もっと」
真剣な顔で懇願されて、どうしようもなく胸が苦しくなる。
「……。今度こそ、最後だからな。その代わり、口でしてやるから……」
イドリスは毛布をめくり、ラファトの下着とズボンを完全に脱がせた。
自分は一体何をしているのだろうかと、涙が目尻に滲む。
命じられたわけでもないのに、こんな何もわからない男に自ら、娼婦のように媚びて……。
多分、自身がこれをしたくて堪らないのだ。ラファトの為だけではなくて――。
目の前にそそり立つ怒張に甘いため息を吹き掛け、淫らに口付ける。
「うあっ」
ラファトはいちいち動揺が激しい。
なるべくそっと指でそれに触れ、輪を作って、先ほどと同じ動きで優しく茎を愛撫してゆく。
相手がその慎ましやかな快感に夢中になった頃を見計らい、イドリスは大きく唇を開いて亀頭を含み、精の残滓を吸いながら舌でくびれや裏筋を舐め回し始めた。
「あああ……!?」
温かで艶めかしい未知の快感にそこを包まれて、ラファトが動揺の叫びを上げる。
同時に彼の腰が浮き、唇の奥にずんと遠慮なしに雄を突き込まれて、喉を無理矢理に開いて擦られた。
「ウ、ン……ッ!」
出し入れするように腰を動かされて、窒息しそうになりながら、深く深く喉で彼を吸い上げ、上目遣いにラファトを見つめる。
「んっ、んぐっ」
ジュッ、ジュッと淫猥な水音を立てて懸命に頬肉と舌で扱きあげると、あっけないほどに早く、再びラファトが精を噴いた。
それをこぼすことなくしっかりと飲み込んで、銀の糸をひきながら唇を離し、ラファトの顔をじっと見つめる。
「……はあっ……、これで、満足したか……」
問うと、その切れ長の目にまだ涙を滲ませたまま、彼は頷いた。
「ん……」
「ならば、自分でズボンをはいて寝ろ……。ここまで俺がしたからには、明日こそは絶対に、ドラゴンに乗ってもらうからな……」
毛布を引っ張りながら、イドリスは元の位置に、ラファトに背を向けて横になった。
本当は身体中がズキズキと興奮して、とても眠れる状態ではない。
乳首も、快楽を拾う他には役に立たなくなった雄も、全部が充血して、服や毛布に擦れるたびに甘い声が出そうなほどだ。
しばらく我慢すれば昨日のように、ちゃんとおさまるはず――そう思ったのに。
ラファトの手がまた、昨日のようにイドリスの体の下に入ってくる。
強く抱かれながら背中に密着されると、性懲りも無くまだ硬くなっている性器が、ズボン越しに尻を擦ってくる。
うなじにも熱い息を吹きかけられ、いやらしい呻きが漏れそうになった。
しかも彼の手は、イドリスの腹からその下へと、艶かしく降りてゆく。
「あ……、ン……」
撫でられただけでゾクゾクと腰を震わせていると、ラファトの指が、イドリスの軍服のズボン越しに、張り詰めた雄を撫で始めた。
そこは孕んでからずっと、極端に敏感になっている。
「は……ンっ! あぅ……っ、やめ……」
ビクビクと反応するイドリスの髪に、ラファトが頬擦りした。
「やってみる……ラファトも」
その言葉に驚いた。
昼間の狩のように、彼はイドリスを習ってやってみるつもりなのだ――他人への手淫を。
「いい、お前はそんなことしなくて……アッ、あ」
ホックも外していないズボンの腰から無理やり手を突っ込まれて、下着の中に直に触れられる。
その動きはぎこちなく、刺激が強過ぎて、イドリスは涙目で首を横に振った。
「痛い……っ、うっ……、俺のそれはっ、お前のよりも敏感なんだ……っ」
拒絶しようとするが、ラファトの手は止まらない。
力任せでズボンのホックを一つ壊してまで、その長い指は強引に、イドリスの雄をしっかりと握り込んできた。
彼はまだ足りないとばかりじっとイドリスを見てきたが、家畜の市場などないこんな辺鄙な場所ではどうしようもない。
ラファトがきちんと長距離をドラゴンに乗っていられるようになるまでは、待ってもらう他はなかった。
人間用に取り分けた分と兎肉は、祭壇に供えてあった酒と酒甕を利用して、煮込み料理にした。
雪解け水を足し、塩と酒で茹でただけだったが、汁には旨味が出て良いスープになり、肉は柔らかく、昨日作った穀物の汁物よりも格段にいい出来だ。
ラファトは犬のように顔を椀に突っ込み、夢中で食べていた。
甕の中身を調整するために注ぎ出した酒は、供物が入っていた椀に注ぎ、二人で分けて飲んだ。
酒といっても、舐めてみると果実の汁からまだ作ったばかりの、ほとんど甘いばかりの汁だ。
腹の中の赤子に毒にならないよう、イドリスは控えめにして、殆どをラファトの方に飲ませた。
そのせいで酔っ払ったのか、夜中のラファトは酷く機嫌が良かった。
焚き火の爆ぜる音の響く洞穴の中で、一緒に敷物の上に寝転がりながら、ラファトがこちらに笑いかけてくる。
イドリスは試しに彼にまた頼んでみた。
「ラファト……。明日こそはサキルに乗って、俺と帰ろう?」
「こわい。無理」
反抗期でも来ているのかというほど、ラファトは拒絶を即答してくれた。
「全くもう……何故なんだ。……あんなに、お前達は深く絆で結ばれていたのに……」
呆れながら、イドリスは横を向いて目を閉じた。
沢山歩いて動き回ったせいか、今日は悶々とせずに眠れそうな予感がする。
――それなのに。
ラファトがそばに寄ってきて、密着するようにイドリスを背中から抱きしめながら、そっと囁いてくる。
「イドリス……イドリス」
「何だ……眠いのに……」
目を開けて振り向くと、ラファトの熱い息が耳にかかった。
「からだあつい……。ここ、痛い……」
その言葉を聞いて、何か知らないうちに怪我でもしたのかと驚き、イドリスはすぐに振り向いて彼の身体をよく見た。
だが、その長い指が指し示していたのは――布がはっきりと形をあらわにするほどに隆起している、彼の股の間だった。
「……っ」
イドリスは慄いて、耳まで真っ赤になった。
「なっ、なぜ」
思わず聞いてしまって、すぐに気付いた。
赤身の多い鹿肉には強壮効果がある。
しかも、ラファトは記憶を失っていて、自らの慰め方すら知らないのだから、おそらく、今まで精は溜まる一方だったに違いない。
互いに横になったまま、イドリスはごくんと唾を呑んでラファトと見つめ合った。
困り果てた挙句、布越しに優しくラファトの昂りに触れると、びく、とその身体が過敏に震える。
「ここ……、が、痛いのか……?」
顔を覗き込むと、汗ばんで息を上げながら、こくこくとラファトが頷いた。
「大丈夫だ……。精を出せば、治るから……」
「……せい……?」
駄目だ、この男は何も分かっていない。
分かっていないくせに、逞しい大人の男の身体ばかりが雄の匂いをまとわせて、こちらを狂わせてくる。
……一晩は堪えたのに、もう我慢できない。
イドリスはラファトの唇に口付けて、彼の舌の上をひとねぶりし、酒の残り香を味わった。
「あっ……あ」
それだけで、手の中のラファトがビクビクと反応する。
「……お前は、何もしなくて良い……。俺が、手で、してやるから……」
淫蕩に微笑んで、イドリスはラファトのズボンを下げ、その硬く張り詰めた雄を取り出し、優しく握った。
チュ、チュ……と音を立てて唇に軽い口付けを繰り返しながら、指で陰茎を扱き立ててやると、あっという間にラファトが先走りをこぼし、手の中がグチョグチョと音を立てる。
「あ、あ、イドリス、イドリス……っ」
白い顔を真っ赤にして、ラファトが涙を流しながら快感に集中する。
「気持ちいいか……?」
顔を覗き込みながら尋ねると、今度はラファトがイドリスの唇に唇を重ねてきた。
「ン……っ」
舌を誘導するように粘膜の中に誘い込み、舌先を優しく吸ってやりながら、重く張った玉を優しく撫で回し、陰茎を擦り上げる手の動きを早めてゆく。
「ウ、ウ、うぅ……っ!!」
ラファトがひとたまりもなく、下腹を痙攣させながら、イドリスの手の中に精を吐き出した。
「はあっ、はあっ」
涙ぐみながら肩で息をしているラファトを物欲しげに見つめながら、イドリスは無意識に手に付いた精をべろりと舌で舐め取っていた。
青苦い味もどろりとした食感も、最悪としか言いようがないのに、それを喉奥に飲み込んでいくのをやめられない……。
――そんな様子をじっと見ていたラファトが、出したばかりなのにまだ硬い雄をイドリスの太ももに押し付けてくる。
「もっと……イドリス」
「こら……っ、一度だけだ……」
戸惑いながら首を横に振る。
「もっと」
真剣な顔で懇願されて、どうしようもなく胸が苦しくなる。
「……。今度こそ、最後だからな。その代わり、口でしてやるから……」
イドリスは毛布をめくり、ラファトの下着とズボンを完全に脱がせた。
自分は一体何をしているのだろうかと、涙が目尻に滲む。
命じられたわけでもないのに、こんな何もわからない男に自ら、娼婦のように媚びて……。
多分、自身がこれをしたくて堪らないのだ。ラファトの為だけではなくて――。
目の前にそそり立つ怒張に甘いため息を吹き掛け、淫らに口付ける。
「うあっ」
ラファトはいちいち動揺が激しい。
なるべくそっと指でそれに触れ、輪を作って、先ほどと同じ動きで優しく茎を愛撫してゆく。
相手がその慎ましやかな快感に夢中になった頃を見計らい、イドリスは大きく唇を開いて亀頭を含み、精の残滓を吸いながら舌でくびれや裏筋を舐め回し始めた。
「あああ……!?」
温かで艶めかしい未知の快感にそこを包まれて、ラファトが動揺の叫びを上げる。
同時に彼の腰が浮き、唇の奥にずんと遠慮なしに雄を突き込まれて、喉を無理矢理に開いて擦られた。
「ウ、ン……ッ!」
出し入れするように腰を動かされて、窒息しそうになりながら、深く深く喉で彼を吸い上げ、上目遣いにラファトを見つめる。
「んっ、んぐっ」
ジュッ、ジュッと淫猥な水音を立てて懸命に頬肉と舌で扱きあげると、あっけないほどに早く、再びラファトが精を噴いた。
それをこぼすことなくしっかりと飲み込んで、銀の糸をひきながら唇を離し、ラファトの顔をじっと見つめる。
「……はあっ……、これで、満足したか……」
問うと、その切れ長の目にまだ涙を滲ませたまま、彼は頷いた。
「ん……」
「ならば、自分でズボンをはいて寝ろ……。ここまで俺がしたからには、明日こそは絶対に、ドラゴンに乗ってもらうからな……」
毛布を引っ張りながら、イドリスは元の位置に、ラファトに背を向けて横になった。
本当は身体中がズキズキと興奮して、とても眠れる状態ではない。
乳首も、快楽を拾う他には役に立たなくなった雄も、全部が充血して、服や毛布に擦れるたびに甘い声が出そうなほどだ。
しばらく我慢すれば昨日のように、ちゃんとおさまるはず――そう思ったのに。
ラファトの手がまた、昨日のようにイドリスの体の下に入ってくる。
強く抱かれながら背中に密着されると、性懲りも無くまだ硬くなっている性器が、ズボン越しに尻を擦ってくる。
うなじにも熱い息を吹きかけられ、いやらしい呻きが漏れそうになった。
しかも彼の手は、イドリスの腹からその下へと、艶かしく降りてゆく。
「あ……、ン……」
撫でられただけでゾクゾクと腰を震わせていると、ラファトの指が、イドリスの軍服のズボン越しに、張り詰めた雄を撫で始めた。
そこは孕んでからずっと、極端に敏感になっている。
「は……ンっ! あぅ……っ、やめ……」
ビクビクと反応するイドリスの髪に、ラファトが頬擦りした。
「やってみる……ラファトも」
その言葉に驚いた。
昼間の狩のように、彼はイドリスを習ってやってみるつもりなのだ――他人への手淫を。
「いい、お前はそんなことしなくて……アッ、あ」
ホックも外していないズボンの腰から無理やり手を突っ込まれて、下着の中に直に触れられる。
その動きはぎこちなく、刺激が強過ぎて、イドリスは涙目で首を横に振った。
「痛い……っ、うっ……、俺のそれはっ、お前のよりも敏感なんだ……っ」
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