37 / 98
第一部 勇者パーティ追放編
37 ロウご本人とご対面!?(第一部 完結)
しおりを挟む
ネイヴァが帰ったあと、リアが駆け寄ってきた。
「ご主人さま……」
心配そうな顔をした彼女を責めるつもりはない。何かを言いたそうにしていたけど、どうしても言えなかったのは伝わってきたから。
「私もずっと前から気づいていたんですけど、言えばよかったです。ご主人さまの顔に泥を塗って、すみませんでした」
「謝らなくていいのよ。ファンを公言しているくらいだったら、自分で気づかないといけなかったんだわ。ほんとファン失格よね。これまでの無礼を平謝りしないと、きっと大魔法使いさまからは許してもらえないわ!」
そう言い切ると、リアは否定するように目を瞬いた。
「魔道具屋の店主でしたら、怒ってはいらっしゃらないのではないでしょうか。……だってご主人さまの実力を認めていましたもの」
私の実力を認めてくださった!? あの大魔法使いさまが!?
単純に嬉しい。涙が出るくらい嬉しい。
でも、謝らないとどうも気持ちの収まりが悪い。だって生意気すぎるにも程があるでしょう? 本当は一般人が話しかけてはいけない人だったんだから。どうやって謝ろうか……と考えたところで。良い案がひらめいた。
「ロウが、いいえ、大魔法使いさまが激推ししていたウサ耳を着けて謝るしか……」
カチューシャから取り外したウサ耳は奇跡的に残してあった。使う機会はないだろうけど、捨てるのも何だか可哀想で一応取ってあったのだ。
「ウサ耳を着けて謝る!? そんなことなさらないでください! 魔道具屋の店主の変な趣味に無理に合わせる必要はありません!」
と、リアからは強く止められた。
変な趣味。確かに変な趣味だけど、大魔法使いさまの趣味だったら天才の考えることだから次元が違うと感じてしまう。
残念。私にできるのはこれくらいしかないと思ったのになぁ。
でも、誠意を持って謝っている場面でウサ耳を着用しているのはおかしな話で。真面目に謝っているのか疑問を持たれるに違いない。
「じゃあ、どうしたらいいのかな。そもそも、最近忙しそうで会ってもらえるかもわからないのに……」
「ご主人さまが謝りたいと思うのでしたら、その気持ちを言葉で伝えたらいいのではないでしょうか。魔道具屋の店主でしたら、しっかりと気持ちを受け取ってくれるのではないかと思います」
正論なんだけど、心の中にじんわりときて勇気が出てきた。
そうだよね。目を見てしっかり話せば、気持ちは伝わるはず。
「そうだよね。よーし、やってみるわ! ……って、大魔法使いさまは忙しくて、魔道具屋では会えないじゃないの……」
やる気が出たところで弊害があった。そんなことでめげたりはしたくないんだけどさ。
「ご主人さまファイトです! 店を空けたくないと以前おっしゃっていたので、いつかは営業しているはずですよ!」
と、リアは精一杯励ましてくれた。
全然期待はしていなかったのに、行ってみたらなんと魔道具屋は通常営業していました。
窓に「OPEN」の看板がかかっていて、中に入ると薄暗い店内だけど人の気配があって。
「ロザリーか、久しぶりだな」
私服ヨレヨレのダサい店主がそこにいた。
「あ――はい」
つい、いつもの調子で軽く返事をしてしまった。
じっくりと見れば実感する。メガネを外して、身なりを整えれば大魔法使いさまなんだって。
「大魔法使いさまは、伝説の勇者パーティの再招集で忙しくされていたのではなかったのですか?」
「それは、今は店の優秀な魔道具があるからな。いくつか買い取ってもらって、同行を免除してもらった。――って、ついに俺の正体がわかったんだな?」
ああ、やっぱり意図的に正体を隠してたんだわ。
イタズラな顔をしているロウを見て、そう実感した。
緊張するけど、今言わなくては。
私は大きく息を吸い込んで、一気に言葉を紡ぐ。
「ロウさん、いいえ、大魔法使いさま。今まで生意気なことをたくさん言って、申し訳ありませんでした」
彼の目をしっかりと見てから、ペコリと頭を下げた。私のできる精一杯の謝罪だった。
「は? ロザリーらしくない。というか、全然気にしてねえよ。大魔法使いさまを中級の魔物討伐に誘ってきたときは肝の据わった娘だと思ったが、物怖じしないところがロザリーの良いところだし。むしろ、急に態度を改められても困る。今さら改まって言うな」
肝の据わった娘! そう思われていたとは、やっぱり恥ずかしい!
それに、今さら態度を変えるなですって!? それは無理な注文です!
困惑していると、ロウは軽く笑った。
「俺はロザリーから、気軽に話しかけてくれるのが嬉しかった。でも、正体を言ったら、距離を取られるんじゃないかと怖くなって、ずっと言えなかったんだ。俺こそすまん」
私はフルフルと頭を振る。
「いいえ。自分で気づくべきところでした。ロウさんは悪くないです」
「俺からのお願いだ。どうか、今までのように気軽にロウと呼んでほしい」
真剣にそう言われた。
ロウからの要望ならば、断ることはできない。
「わかったわ。今さらかしこまるのも変だしね。ロウ、これからもよろしくお願いします」
「んーそうだな。ロザリーらしくない丁寧な話し方も元に戻してほしい」
「……それは、どうにも無理です! だって、尊敬している大魔法使いさまに失礼なことは言えません!」
「今まで失礼な発言をたくさんしていたくせに。丁寧に話されても違和感だらけだ」
笑って却下された。
私の中で作り上げられていた大魔法使いさまの像がボロボロと崩れ落ちていくけれど、それが不思議と嫌ではない。何だ、この気持ちは。
「まだ、私の中で整理がつかないんです! 今さら同一人物でしたって言われても困ります。私ってば恥ずかしすぎるじゃないですか!」
「俺は別に構わないが……」
「大魔法使いさまが良くても、私は良くありません」
キッと睨むと、ロウの緑色の瞳が心配そうに細められる。国王陛下主催のパーティでエスコートしてくれた時に、間近で見た彼の瞳と同じ。
ああ、本当に大魔法使いさまなんだ……。
そう悟ると、完全に開き直った。やっちまったものはしょうがない!
「私も、今さら話し方や態度を変えるのも無理そう。ロウが良いと言ってくれるなら、甘えさせてもらうわ!」
「ああ。そうしてくれ」
我儘を言っても、ロウの目は優しかった。
私がよそよそしくて寂しくなったから、大目に見てくれた感じかな?
今さら借りてきた猫になるのは私らしくもない。いつも通りを心がけよう! ……それが上手くできるかわからないけど。
《第一部 完結》
「ご主人さま……」
心配そうな顔をした彼女を責めるつもりはない。何かを言いたそうにしていたけど、どうしても言えなかったのは伝わってきたから。
「私もずっと前から気づいていたんですけど、言えばよかったです。ご主人さまの顔に泥を塗って、すみませんでした」
「謝らなくていいのよ。ファンを公言しているくらいだったら、自分で気づかないといけなかったんだわ。ほんとファン失格よね。これまでの無礼を平謝りしないと、きっと大魔法使いさまからは許してもらえないわ!」
そう言い切ると、リアは否定するように目を瞬いた。
「魔道具屋の店主でしたら、怒ってはいらっしゃらないのではないでしょうか。……だってご主人さまの実力を認めていましたもの」
私の実力を認めてくださった!? あの大魔法使いさまが!?
単純に嬉しい。涙が出るくらい嬉しい。
でも、謝らないとどうも気持ちの収まりが悪い。だって生意気すぎるにも程があるでしょう? 本当は一般人が話しかけてはいけない人だったんだから。どうやって謝ろうか……と考えたところで。良い案がひらめいた。
「ロウが、いいえ、大魔法使いさまが激推ししていたウサ耳を着けて謝るしか……」
カチューシャから取り外したウサ耳は奇跡的に残してあった。使う機会はないだろうけど、捨てるのも何だか可哀想で一応取ってあったのだ。
「ウサ耳を着けて謝る!? そんなことなさらないでください! 魔道具屋の店主の変な趣味に無理に合わせる必要はありません!」
と、リアからは強く止められた。
変な趣味。確かに変な趣味だけど、大魔法使いさまの趣味だったら天才の考えることだから次元が違うと感じてしまう。
残念。私にできるのはこれくらいしかないと思ったのになぁ。
でも、誠意を持って謝っている場面でウサ耳を着用しているのはおかしな話で。真面目に謝っているのか疑問を持たれるに違いない。
「じゃあ、どうしたらいいのかな。そもそも、最近忙しそうで会ってもらえるかもわからないのに……」
「ご主人さまが謝りたいと思うのでしたら、その気持ちを言葉で伝えたらいいのではないでしょうか。魔道具屋の店主でしたら、しっかりと気持ちを受け取ってくれるのではないかと思います」
正論なんだけど、心の中にじんわりときて勇気が出てきた。
そうだよね。目を見てしっかり話せば、気持ちは伝わるはず。
「そうだよね。よーし、やってみるわ! ……って、大魔法使いさまは忙しくて、魔道具屋では会えないじゃないの……」
やる気が出たところで弊害があった。そんなことでめげたりはしたくないんだけどさ。
「ご主人さまファイトです! 店を空けたくないと以前おっしゃっていたので、いつかは営業しているはずですよ!」
と、リアは精一杯励ましてくれた。
全然期待はしていなかったのに、行ってみたらなんと魔道具屋は通常営業していました。
窓に「OPEN」の看板がかかっていて、中に入ると薄暗い店内だけど人の気配があって。
「ロザリーか、久しぶりだな」
私服ヨレヨレのダサい店主がそこにいた。
「あ――はい」
つい、いつもの調子で軽く返事をしてしまった。
じっくりと見れば実感する。メガネを外して、身なりを整えれば大魔法使いさまなんだって。
「大魔法使いさまは、伝説の勇者パーティの再招集で忙しくされていたのではなかったのですか?」
「それは、今は店の優秀な魔道具があるからな。いくつか買い取ってもらって、同行を免除してもらった。――って、ついに俺の正体がわかったんだな?」
ああ、やっぱり意図的に正体を隠してたんだわ。
イタズラな顔をしているロウを見て、そう実感した。
緊張するけど、今言わなくては。
私は大きく息を吸い込んで、一気に言葉を紡ぐ。
「ロウさん、いいえ、大魔法使いさま。今まで生意気なことをたくさん言って、申し訳ありませんでした」
彼の目をしっかりと見てから、ペコリと頭を下げた。私のできる精一杯の謝罪だった。
「は? ロザリーらしくない。というか、全然気にしてねえよ。大魔法使いさまを中級の魔物討伐に誘ってきたときは肝の据わった娘だと思ったが、物怖じしないところがロザリーの良いところだし。むしろ、急に態度を改められても困る。今さら改まって言うな」
肝の据わった娘! そう思われていたとは、やっぱり恥ずかしい!
それに、今さら態度を変えるなですって!? それは無理な注文です!
困惑していると、ロウは軽く笑った。
「俺はロザリーから、気軽に話しかけてくれるのが嬉しかった。でも、正体を言ったら、距離を取られるんじゃないかと怖くなって、ずっと言えなかったんだ。俺こそすまん」
私はフルフルと頭を振る。
「いいえ。自分で気づくべきところでした。ロウさんは悪くないです」
「俺からのお願いだ。どうか、今までのように気軽にロウと呼んでほしい」
真剣にそう言われた。
ロウからの要望ならば、断ることはできない。
「わかったわ。今さらかしこまるのも変だしね。ロウ、これからもよろしくお願いします」
「んーそうだな。ロザリーらしくない丁寧な話し方も元に戻してほしい」
「……それは、どうにも無理です! だって、尊敬している大魔法使いさまに失礼なことは言えません!」
「今まで失礼な発言をたくさんしていたくせに。丁寧に話されても違和感だらけだ」
笑って却下された。
私の中で作り上げられていた大魔法使いさまの像がボロボロと崩れ落ちていくけれど、それが不思議と嫌ではない。何だ、この気持ちは。
「まだ、私の中で整理がつかないんです! 今さら同一人物でしたって言われても困ります。私ってば恥ずかしすぎるじゃないですか!」
「俺は別に構わないが……」
「大魔法使いさまが良くても、私は良くありません」
キッと睨むと、ロウの緑色の瞳が心配そうに細められる。国王陛下主催のパーティでエスコートしてくれた時に、間近で見た彼の瞳と同じ。
ああ、本当に大魔法使いさまなんだ……。
そう悟ると、完全に開き直った。やっちまったものはしょうがない!
「私も、今さら話し方や態度を変えるのも無理そう。ロウが良いと言ってくれるなら、甘えさせてもらうわ!」
「ああ。そうしてくれ」
我儘を言っても、ロウの目は優しかった。
私がよそよそしくて寂しくなったから、大目に見てくれた感じかな?
今さら借りてきた猫になるのは私らしくもない。いつも通りを心がけよう! ……それが上手くできるかわからないけど。
《第一部 完結》
226
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる