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Paint It, White
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男に振られて自棄になっていた。
振られたと言っても付き合ってると思っていたのは俺だけで、アイツにしたら妊娠しない性欲処理の道具だった。
最初は最悪。しばらくは椅子に座るのもキツかった。呼ばれるたびに自分で準備してすぐに挿れられるようにしておいて、と今になって思えばなんでそんな健気なことをしていたのか。
振られて初めて自分がアイツにとってはオナホと変わらないことを知り自分の価値が分からなくなった。
知らない街の知らない飲み屋、一応そこは発展場だって聞いてたから周りは男だらけ。
ひとりだったりすでに見つけた人たちは人目なんて気にせずいちゃついていた。
そう言えば手も握ったことなかったな……。
悲しさと虚しさを打ち消すために出された酒を一気に煽った。
「いい飲みっぷりだけど、平気?」
「いいんです、俺なんて」
「こんなかわいい子がそんなこと言っちゃだーめ」
横から聞こえた声に振り返るとチャラさ全開の男がにこやかに笑っていた。
「可愛い? じゃあ、慰めてくれますか?」
男は目を丸くして驚いてから、またにこやかに微笑んで耳元で囁いた。
「慰めるの身体でもいい?」
コクリと頷いた俺の手を握って店を出た。
手慣れた手順でするすると進むのは見た目通りのチャラ男なのだろう。
道すがら問われるままに答えた。
男に振られたこと、性欲処理に使われていたこと、セックスに良い思い出がないこと。
男は笑った。
「じゃ、僕が気持ちよくしてあげる、ね?」
一緒にシャワーを浴びるのも、キスをするのも初めての俺に優しく丁寧に扱ってくれる。
一晩の相手にするには優しすぎる扱いに俺は戸惑った。
まさか中の処理までしてくれるとは思わず、思い出した俺はベッドに乗せられ羞恥で丸くなった。
「恥ずかしすぎるっ……」
「えぇ? これくらいは付き合ってたら普通だって、ね? ほら、こっち向いて」
「ム、ムリっ」
しょうがないなぁなんて声が聞こえたかと思ったらうつ伏せのままの俺の手を取り背中側で縛り始めた。
「え? な、なにこれっ」
「大丈夫、怖いことはしないから。さっきのだって気持ちよかった、でしょ?」
確かに恥ずかしかったけどされたことは大事にされてると誤解するくらい、優しく甘く蕩けるような行為だった。
「せっかく顔も、ここも、可愛いんだから、ちゃーんとここで気持ち良くなれるようにしてあげるから」
そう言って風呂でもさんざん弄られた俺の尻穴に顔を近づけた。
処理したから汚れているわけじゃない、そりゃもう丁寧過ぎるくらい丁寧に処理してくれたけど、やっぱりそんなところを舐められるのは恥ずかしい。
「やっ、そこは」
「大丈夫だから、任せて、ね?」
振り向いたら目の前にあった胡散臭い一歩手前の笑顔になぜか従わざるを得なくなる。首是で答えると背中に強く口付けられた。
跡が残るくらいに強く。
そこからはもう言葉にするのも恥ずかしいくらいに蕩ける愛撫が続いた。
腰だけを持ち上げられた姿勢で尻穴に舌が差し入れられる。少し入っては縁をくすぐり、また少し。
今までに味わったこと無い感覚に俺の腰が砕けた。
なにこれ……。
今まで自分でするときはなんとかアイツのモノが入るように拡げるだけの行為。
こんなとこで気持ちよくなれる訳がないと思っていた。
男の舌と指はただ拡げるだけじゃない。俺の知らない性感帯を探るようにさまざまな角度から触れてくる。
次はどこを触られるのか分からないからそのたび反応してしまい、俺のモノがむくむくと起き上がる。
砕けた腰は男が抱え上げられているからぷらぷらと揺れてるだけで、触れても貰えない。
たまに自分の腹に触れるだけ。
イきたいのに触れない触ってもらえない焦燥感に俺は叫んだ。
「手、解いてっ」
「だーめ」
男は軽い調子で返事をするとまた俺の尻穴に指を挿れた。
さっきまで、一本だけだった指が一度に三本。
急な刺激は焦らされた身体を一気に上昇させた。
こんなの知らない。
男の唾液とローションで濡れた尻穴から卑猥な水音が響き渡る。
激しい動きの中に指が掠めるのは前立腺?
今までだって触れたことがあるけど、こんなに感じたことはなかった。
「うそうそ、なんか、クる、キちゃうっ♡」
溜め込んだ射精感が前立腺から押し上げられる。
こんなの知らない。
「イけそ? いいよ、イけよ」
いつの間にか俺の耳元に顔を寄せていた男の声が脳に響いた。
その瞬間、一度も触られることの無かった俺のモノからどくりと精液が零れた。
「気持ちよかった、ね?」
あぁこれが気持ち良いってことなのか……。
あの男との忌まわしいセックスが射精とともに真っ白に塗り替えられた。
振られたと言っても付き合ってると思っていたのは俺だけで、アイツにしたら妊娠しない性欲処理の道具だった。
最初は最悪。しばらくは椅子に座るのもキツかった。呼ばれるたびに自分で準備してすぐに挿れられるようにしておいて、と今になって思えばなんでそんな健気なことをしていたのか。
振られて初めて自分がアイツにとってはオナホと変わらないことを知り自分の価値が分からなくなった。
知らない街の知らない飲み屋、一応そこは発展場だって聞いてたから周りは男だらけ。
ひとりだったりすでに見つけた人たちは人目なんて気にせずいちゃついていた。
そう言えば手も握ったことなかったな……。
悲しさと虚しさを打ち消すために出された酒を一気に煽った。
「いい飲みっぷりだけど、平気?」
「いいんです、俺なんて」
「こんなかわいい子がそんなこと言っちゃだーめ」
横から聞こえた声に振り返るとチャラさ全開の男がにこやかに笑っていた。
「可愛い? じゃあ、慰めてくれますか?」
男は目を丸くして驚いてから、またにこやかに微笑んで耳元で囁いた。
「慰めるの身体でもいい?」
コクリと頷いた俺の手を握って店を出た。
手慣れた手順でするすると進むのは見た目通りのチャラ男なのだろう。
道すがら問われるままに答えた。
男に振られたこと、性欲処理に使われていたこと、セックスに良い思い出がないこと。
男は笑った。
「じゃ、僕が気持ちよくしてあげる、ね?」
一緒にシャワーを浴びるのも、キスをするのも初めての俺に優しく丁寧に扱ってくれる。
一晩の相手にするには優しすぎる扱いに俺は戸惑った。
まさか中の処理までしてくれるとは思わず、思い出した俺はベッドに乗せられ羞恥で丸くなった。
「恥ずかしすぎるっ……」
「えぇ? これくらいは付き合ってたら普通だって、ね? ほら、こっち向いて」
「ム、ムリっ」
しょうがないなぁなんて声が聞こえたかと思ったらうつ伏せのままの俺の手を取り背中側で縛り始めた。
「え? な、なにこれっ」
「大丈夫、怖いことはしないから。さっきのだって気持ちよかった、でしょ?」
確かに恥ずかしかったけどされたことは大事にされてると誤解するくらい、優しく甘く蕩けるような行為だった。
「せっかく顔も、ここも、可愛いんだから、ちゃーんとここで気持ち良くなれるようにしてあげるから」
そう言って風呂でもさんざん弄られた俺の尻穴に顔を近づけた。
処理したから汚れているわけじゃない、そりゃもう丁寧過ぎるくらい丁寧に処理してくれたけど、やっぱりそんなところを舐められるのは恥ずかしい。
「やっ、そこは」
「大丈夫だから、任せて、ね?」
振り向いたら目の前にあった胡散臭い一歩手前の笑顔になぜか従わざるを得なくなる。首是で答えると背中に強く口付けられた。
跡が残るくらいに強く。
そこからはもう言葉にするのも恥ずかしいくらいに蕩ける愛撫が続いた。
腰だけを持ち上げられた姿勢で尻穴に舌が差し入れられる。少し入っては縁をくすぐり、また少し。
今までに味わったこと無い感覚に俺の腰が砕けた。
なにこれ……。
今まで自分でするときはなんとかアイツのモノが入るように拡げるだけの行為。
こんなとこで気持ちよくなれる訳がないと思っていた。
男の舌と指はただ拡げるだけじゃない。俺の知らない性感帯を探るようにさまざまな角度から触れてくる。
次はどこを触られるのか分からないからそのたび反応してしまい、俺のモノがむくむくと起き上がる。
砕けた腰は男が抱え上げられているからぷらぷらと揺れてるだけで、触れても貰えない。
たまに自分の腹に触れるだけ。
イきたいのに触れない触ってもらえない焦燥感に俺は叫んだ。
「手、解いてっ」
「だーめ」
男は軽い調子で返事をするとまた俺の尻穴に指を挿れた。
さっきまで、一本だけだった指が一度に三本。
急な刺激は焦らされた身体を一気に上昇させた。
こんなの知らない。
男の唾液とローションで濡れた尻穴から卑猥な水音が響き渡る。
激しい動きの中に指が掠めるのは前立腺?
今までだって触れたことがあるけど、こんなに感じたことはなかった。
「うそうそ、なんか、クる、キちゃうっ♡」
溜め込んだ射精感が前立腺から押し上げられる。
こんなの知らない。
「イけそ? いいよ、イけよ」
いつの間にか俺の耳元に顔を寄せていた男の声が脳に響いた。
その瞬間、一度も触られることの無かった俺のモノからどくりと精液が零れた。
「気持ちよかった、ね?」
あぁこれが気持ち良いってことなのか……。
あの男との忌まわしいセックスが射精とともに真っ白に塗り替えられた。
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