いつもと、違うことをしよう

三谷玲

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早川静玖は夢見ていた

強制

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「僕だって好きで遥を傷つけてるわけじゃないんだ。遥が僕を求めないから、僕も傷付いているんだよ? それを遥にわかってほしいだけなんだ」
「は? っっつ……痛っっ! お前、ほんとふざけん、なっ」
「でも、遥は痛いのも好きだよね。あのときだって最後はちゃんと、イったじゃない」

 佑の言葉にあの晩を思い出させられた遥の身体が震えた。

 強制的にではあるが遥の身体は達した。
 無理矢理暴かれ、高みを昇らされて、その身で精を受けたとき、絶望とともにまた自分も精を吐き出していた。
 だからこそ、遥は佑から逃げ出したかった。
 双子の兄弟でこんなことはおかしいと、遥の出来損ないの脳は拒絶した。

 あれから何年も経っているのに、身体はまだ覚えていたのだろうか?
 遥の身体はわずかにかすめる快楽をなんとか拾い出した。
 そうでなければあの時と同じようにただひたすらに痛みだけが与えられることになることを回避しようとして、弛緩した。

「まだ少し固いけど、これなら挿れられそう。どうする? このまま犯して欲しい? ほら、シズクみたいにねだって見たら? ああいうのが好きなんでしょ?」
「す、るか。そんな、ことっ。うっ……あっ」

 首を横に振る遥に佑はその身を持ち上げた。
 少しの身長差でしかないのにも関わらずやすやすと。
 また膝立ちにさせられた遥の首を佑のつめたい掌が覆う。

 喉を締められ、項に歯が当てられた。

「……言ってくれたらシズクに挿れさせてあげるよ? だってほら……」

 遥のアナルから引き抜かれた指がペニスを弾いた。
 遥自身も気付いていなかったそこは反り返るほどに大きくなっていた。
 陰嚢を揉み込み根本をくすぐられ、握り込まれると先ほどの残滓がぷくりと玉を作った。

「も、う……やめろ、ハルカ。こんなの、おかしいって……ひっ! あ、うっ!」
「こんなになっても、まだそんな事言うの? こっちだって僕が欲しいって言ってるのに……ああそんな声出したらシズクが起きちゃう、ほら」

 寝返りをうつ静玖の目がうすぼんやりと開いた。
 その目に最初に映ったのはあろうことか遥のペニスだった。
 一ヶ月の間、快楽を教え込まれた静玖はまるで調教された犬のようにその身を起こすと、まさに犬のような姿勢で尻を振った。

「ほら、ハルカが欲しいって。でもこのままじゃ挿れられないね? ハルカ次第だよ? ハルカが僕を欲しいって言うだけで、ハルカはシズクを手に入れられる」

 苛む手を止めることなく佑は遥を追い立てた。

 一ヶ月の間、快楽を覚えたのは静玖だけではなかった。
 遥もまたその静玖の身体に溺れていた。
 視線はその身体から離すことが出来ず、静玖の中を知った身体がそれを欲した。
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