【完結】あなたに撫でられたい~イケメンDomと初めてのPLAY~

金色葵

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「やっと見つけた」
強くその腕が遼を抱きしめてくれる。
「遅くなってごめんね」
温かい大河の体温に自分の体から力が抜けるのが分かった。優しい声が耳元で聞こえて、安心感で瞳が潤む。
「青木」
大河の何もかもが気持ちよくて堪らない。ふわふわとした浮遊感に包まれて、そしてあらぬ部分に一気に熱が集まるのを感じた。
「あ......かんざきぃ......」
知らず甘えた声が出る。助けを求めるように遼は大河の胸元に隠れるように顔を埋めた。
「.........」
遼の様子を大河が伺う。遼の赤くなった頬と、熱い息に気付いて大河はギュッと遼をその胸に抱きしめた。
「大丈夫だよ」
そう言って優しく笑うと、大河が体を離す。
「あ......」
不安そうな遼の声に、大河が耳元に口を近づける。
動くな-stay-
「っ~~」
周りに聞こえないように囁かれた言葉に、ビリビリと背筋に震えるような快感が走って、遼は一瞬で動けなくなる。
「もう少しだけ、我慢だよ」
大河は白衣を脱ぐと、遼の体を包む。そして遼を抱きあげた。
「ちょっ......!」
いきなりのことに遼は慌てる。
「青木」
だけど名前を呼ばれて、それだけで遼は抱きあげる大河の腕の中に大人しく収まった。
「青木が体調悪いみたいだから連れてくね」
「え?あ、ああ......」
いきなりのことに面食らう佐々木に、にっこりと笑顔を向けると大河は歩き出す。
「神崎!」
そんな大河の背中を、佐々木の呼ぶ声が引き止める。
「......お前、遼に何するつもりだ」
佐々木が大河を睨む。その姿からは遼のことを心配していることが容易に伝わってきた。
佐々木の視線をまっすぐに受けて、大河が真摯な瞳を向ける。
「青木の嫌がることはしない。約束するよ」
佐々木にそう言うと、大河が腕の中の遼に微笑みかける。それに胸が高鳴った遼は、無意識で赤くなった頬を隠すように大河に引っ付いた。
そんな二人の様子に佐々木は瞳を瞬かせる。
まかせてと言うように佐々木に向かって頷くと、大河は遼を連れてその場を去っていった。
お姫様抱っこで遼を連れていく王子様のような大河の姿に、その場にいる女子だけじゃなく男子までがきゃあきゃあと黄色い声を上げる。
消えていく二人の姿を見つめながら、佐々木はふうと息を吐いた。
「なんか......知らないうちにおもしろいことになってんな......」
心配そうな顔をしながらも、大河の真摯な瞳と大河に対する遼の様子に、大丈夫そうだなと佐々木はホッと息を吐いた。
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