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第一章 新婦の誤解
第02話 初対面(上)
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グントバハロンの首都エンフェリダクスを出発したティルフィーユの輿入れ行列は、まず同国内のベーサイディリックで夜を過ごした。ベーサイディリックはグントバハロン南部一の大都市で、西にあるリアエ川を渡ればそこはもうエヴァエロン共和国の領土である。日の出と共にそのベーサイディリックを発った一行はリアエ川にて、エヴァエロン共和国側の使者と護衛と合流した。人数を増した花嫁の列はリアエ川から徐々に離れるようにやや南西に、オールベーサ街道を進む。そうして向かったのは、旧ジャノオン王国の首都レーゼマーゼ――エヴァエロン共和国になってからは新しくマルドレーゼと呼ばれるようになった首都だ。
夕日が沈み始めた頃にマルドレーゼに入ったグントバハロンの一行は、まずはエヴァエロン共和国の騎士団本部に案内された。ティルフィーユの到着から三日後に結婚式が行われる予定だが、その結婚式が終わるまでティルフィーユはグントバハロン宗家の姫である。そのため、結婚式が終わるまではグントバハロンから付き従ってきた武人たちがティルフィーユを護衛する。その武人たちが乗ってきた馬の休み場として、また、必要な旅の荷物の基本的な置き場として、エヴァエロンの騎士団が場所を貸すことになっているのだ。
騎士団本部で少しばかり護衛の人数を減らしたのち、一行はテベサックス通りを南下してストーラー家の屋敷――ティルフィーユの嫁ぎ先に向かった。
「お疲れ様、ティル。体調はどうだい?」
馬車から降りるなり、ジェラルドはティルフィーユに問いかけた。父によく似た緑色の瞳は、自身も疲れているだろうにいつもの優しさを変わらずに浮かべている。そんな優しい兄ともあと数日で別れるのだと思うと寂しかったが、ティルフィーユはひとまず兄を安心させようと、ゆったりと頷いた。
「はい、大丈夫です」
「ティルフィーユ様、お疲れでしょうが中で旦那様がお待ちですのでどうぞお上がりください」
装飾の少ない、とても簡素なデザインだが上質な絹の黒い生地でできた使用人服をまとった五十手前くらいの男性が、ティルフィーユとジェラルドに近付いて丁寧な口調で案内する。二人はその使用人に先導されて、屋敷の中に入った。
ストーラー家の外壁は、積み重ねられたレンガでできていた。しかし中に入ってみると、息をしているかのような濃い黒柿色の木の柱があちこちに見え、建物の軸は石造りではなく木造であることがわかった。
「旦那様、ティルフィーユ・グントバハロン様のご到着です」
玄関ドアが閉まる音が消えてから、使用人の男性が大柄な男性にそう紹介する。
(この方が……)
玄関ホールで立ち止まったティルフィーユは、少し先にいる巨躯の男を見上げた。
グントバハロンの武人たちに引けを取らないほど、その男――キアン・ミリ・ストーラーはたいそう背の高い人物だった。少し青みがかった赤い髪は短く、眉毛はキリッとつり上がっており、こげ茶色の瞳の目はじっとティルフィーユを見つめている。肩幅は広いのだが、表は黒く裏地が赤いマントがその存在の大きさをさらに大きく見せているように思う。白いジャケットの中には赤いベストを着ており、白いパンツは黒いロングブーツの中に収まっている。グントバハロンの武人のように今すぐにでも戦いを始めそうな衣服ではなく、見た目の麗しさを追求したような印象の服装だった。おそらく、騎士団としての制服なのだろう。
「キアン・ミリ・ストーラーだ」
「あっ……はい、ティルフィーユ・グントバハロンと……申します」
瞬きの少ない眼差しに見下ろされて、ティルフィーユはやや委縮してしまった。それでも、若草色のワンピースの生地を持って膝を曲げ、丁寧な挨拶で自分も名乗る。
ところが、ティルフィーユが顔を上げると、そこにキアンの姿はなかった。
「ホルガー、あとは頼む」
「承知いたしました」
(えっ……?)
さっと移動したキアンが背後にいると知り、ティルフィーユは慌てて振り向いた。しかし目に入ったのはひるがえったキアンのマントと、彼の短く刈られた襟足だけだった。
「おや……キアン殿は急用でも?」
ほんのわずかな時間の顔合わせをしただけですぐに立ち去ってしまったキアンを訝しく思い、ジェラルドはホルガーと呼ばれた使用人の男性に探るような眼差しを向けた。
「申し訳ありません。騎士団長の判断を必要とする案件が立て込んでおりまして」
「そうですか。仕事ならば仕方がないですが、三日後の結婚式に影響はないのでしょうか」
「はい、あさってからは休暇に入れる予定ですので」
「あさって……事前に聞いていた以上にお忙しいようですね」
それで本当に大丈夫なのか、とジェラルドは言外の意味を込めて少し嫌味ったらしくホルガーに呟いた。
立国したばかりのエヴァエロン共和国が、まだ変化の時期を終えていないことは理解している。何しろ、旧ジャノオン王国を倒す際にこの首都が戦場になったのだ。二年弱の間に補修できるところはしたようだが、しかしそれでも、街のいたるところに戦いの名残が見えた。えぐれて無整備状態の道、壊れたままであったり焦げ跡が残っていたりする民家の壁、投げ込まれてそのままの石――ティルフィーユたち一行が通って来たのは首都マルドレーゼの北西エリアのメインストリートだけだが、そこだけでもそれらが散見された。ほかのエリアや路地裏などには、もっと凄惨な痕跡があるのだろう。
「旦那様が率いるミリ族にいま一番求められているのは、治安維持です。街と国の復興のためにも、民が心安らかに日々を送り、安心してそれぞれの仕事に打ち込めるような環境を守ること。それを徹底してほしいと、議長直々に頼まれておりますゆえ、どうぞご容赦ください」
(議長……ロイック様のことね)
深々と頭を下げて詫びるホルガーの言葉に、ティルフィーユはエヴァエロン共和国の現状に心を寄せた。
最後の王であるゲイニー王を処刑し、ジャノオン王国をクーデターで滅亡させたロイックは、エヴァエロン共和国を打ち立てた。その名前からもわかるとおり、国民が選んだ「議員」で成り立つ「議会」によって政治を行う共和制に移行したのだ。ロイックを新しい王に、という声もあったようだが、民を蔑ろにするゲイニー王の悪政が心の底から許せなかったロイックは決して首を縦に振らず、ただ一人の君主を再び置くことは絶対にしなかった。
そうして新しく作られた「共和議会」の初代議長にロイックは就き、以降はなるべく民の声に耳をかたむけながら議員たちと共に新しい国を運営しているという。治安維持を徹底しようと考えているところからも、本当に心の底から、この地に住まう民一人一人のことを大事にしているようだ。
「申し遅れました。わたしはホルガー・ハフ・テスティ。この手足を必要とする者に仕えることを使命とするハフ族の者です」
「ハフ族……つまり、ダミアレア族ですか」
「ええ、そうです。そちらにいる家内のバルボラ・ハフ・テスティと共に、ミリ族の族長であるキアン様に仕えております」
ホルガーが手のひらで示した方向にいた女性にティルフィーユとジェラルドが視線を向けると、その女性――バルボラは丁寧に頭を下げた。ホルガーと同じ黒髪で、黒いロングワンピースに白い前掛けをしているバルボラは、夫婦だからなのか同じハフ族だからなのか、生真面目そうな雰囲気がホルガーに似ていた。
「ミリ族をはじめ、この地に移住できるダミアレア族はこの数年でほとんどがここへ移ってきました。ダミアレア族についてティルフィーユ様には後日、テコ族の者に詳しく説明させます。その時に、我々ダミアレア族について理解を深めていただければと思います」
「は、はい……承知いたしました」
ティルフィーユがか細い声で頷くと、ホルガーはティルフィーユとジェラルドに屋敷内を案内すべく、ゆっくりと歩き出した。
ティルフィーユは今日からこのストーラーの屋敷に住むが、結婚式が終わるまでは兄のジェラルドも客としてこの屋敷に滞在することになっている。そのため、食堂や応接室、手洗い場、浴室、客室、そしてティルフィーユの私室、寝室など、ジェラルドも屋敷全体の間取りを説明してもらった。
日が暮れていたので案内が終わるとすぐに夕食、湯浴みとなった。ティルフィーユの身の回りの世話はホルダーの妻であるバルボラが行った。バルボラは日に焼けたのかそれとももとからそういう色なのか、グントバハロンではあまり見かけることのない小麦色の肌の女性だった。決しておしゃべりではなく、かといって愛想がないわけではないが、グントバハロンにいた侍女とはまた少し違った雰囲気のバルボラに緊張しつつもティルフィーユは丁寧に世話をされて、眠りについた。しかし夫婦の寝室として用意されたはずのその部屋に、キアンが帰ってくることはなかった。
◆◇◆◇◆
夕日が沈み始めた頃にマルドレーゼに入ったグントバハロンの一行は、まずはエヴァエロン共和国の騎士団本部に案内された。ティルフィーユの到着から三日後に結婚式が行われる予定だが、その結婚式が終わるまでティルフィーユはグントバハロン宗家の姫である。そのため、結婚式が終わるまではグントバハロンから付き従ってきた武人たちがティルフィーユを護衛する。その武人たちが乗ってきた馬の休み場として、また、必要な旅の荷物の基本的な置き場として、エヴァエロンの騎士団が場所を貸すことになっているのだ。
騎士団本部で少しばかり護衛の人数を減らしたのち、一行はテベサックス通りを南下してストーラー家の屋敷――ティルフィーユの嫁ぎ先に向かった。
「お疲れ様、ティル。体調はどうだい?」
馬車から降りるなり、ジェラルドはティルフィーユに問いかけた。父によく似た緑色の瞳は、自身も疲れているだろうにいつもの優しさを変わらずに浮かべている。そんな優しい兄ともあと数日で別れるのだと思うと寂しかったが、ティルフィーユはひとまず兄を安心させようと、ゆったりと頷いた。
「はい、大丈夫です」
「ティルフィーユ様、お疲れでしょうが中で旦那様がお待ちですのでどうぞお上がりください」
装飾の少ない、とても簡素なデザインだが上質な絹の黒い生地でできた使用人服をまとった五十手前くらいの男性が、ティルフィーユとジェラルドに近付いて丁寧な口調で案内する。二人はその使用人に先導されて、屋敷の中に入った。
ストーラー家の外壁は、積み重ねられたレンガでできていた。しかし中に入ってみると、息をしているかのような濃い黒柿色の木の柱があちこちに見え、建物の軸は石造りではなく木造であることがわかった。
「旦那様、ティルフィーユ・グントバハロン様のご到着です」
玄関ドアが閉まる音が消えてから、使用人の男性が大柄な男性にそう紹介する。
(この方が……)
玄関ホールで立ち止まったティルフィーユは、少し先にいる巨躯の男を見上げた。
グントバハロンの武人たちに引けを取らないほど、その男――キアン・ミリ・ストーラーはたいそう背の高い人物だった。少し青みがかった赤い髪は短く、眉毛はキリッとつり上がっており、こげ茶色の瞳の目はじっとティルフィーユを見つめている。肩幅は広いのだが、表は黒く裏地が赤いマントがその存在の大きさをさらに大きく見せているように思う。白いジャケットの中には赤いベストを着ており、白いパンツは黒いロングブーツの中に収まっている。グントバハロンの武人のように今すぐにでも戦いを始めそうな衣服ではなく、見た目の麗しさを追求したような印象の服装だった。おそらく、騎士団としての制服なのだろう。
「キアン・ミリ・ストーラーだ」
「あっ……はい、ティルフィーユ・グントバハロンと……申します」
瞬きの少ない眼差しに見下ろされて、ティルフィーユはやや委縮してしまった。それでも、若草色のワンピースの生地を持って膝を曲げ、丁寧な挨拶で自分も名乗る。
ところが、ティルフィーユが顔を上げると、そこにキアンの姿はなかった。
「ホルガー、あとは頼む」
「承知いたしました」
(えっ……?)
さっと移動したキアンが背後にいると知り、ティルフィーユは慌てて振り向いた。しかし目に入ったのはひるがえったキアンのマントと、彼の短く刈られた襟足だけだった。
「おや……キアン殿は急用でも?」
ほんのわずかな時間の顔合わせをしただけですぐに立ち去ってしまったキアンを訝しく思い、ジェラルドはホルガーと呼ばれた使用人の男性に探るような眼差しを向けた。
「申し訳ありません。騎士団長の判断を必要とする案件が立て込んでおりまして」
「そうですか。仕事ならば仕方がないですが、三日後の結婚式に影響はないのでしょうか」
「はい、あさってからは休暇に入れる予定ですので」
「あさって……事前に聞いていた以上にお忙しいようですね」
それで本当に大丈夫なのか、とジェラルドは言外の意味を込めて少し嫌味ったらしくホルガーに呟いた。
立国したばかりのエヴァエロン共和国が、まだ変化の時期を終えていないことは理解している。何しろ、旧ジャノオン王国を倒す際にこの首都が戦場になったのだ。二年弱の間に補修できるところはしたようだが、しかしそれでも、街のいたるところに戦いの名残が見えた。えぐれて無整備状態の道、壊れたままであったり焦げ跡が残っていたりする民家の壁、投げ込まれてそのままの石――ティルフィーユたち一行が通って来たのは首都マルドレーゼの北西エリアのメインストリートだけだが、そこだけでもそれらが散見された。ほかのエリアや路地裏などには、もっと凄惨な痕跡があるのだろう。
「旦那様が率いるミリ族にいま一番求められているのは、治安維持です。街と国の復興のためにも、民が心安らかに日々を送り、安心してそれぞれの仕事に打ち込めるような環境を守ること。それを徹底してほしいと、議長直々に頼まれておりますゆえ、どうぞご容赦ください」
(議長……ロイック様のことね)
深々と頭を下げて詫びるホルガーの言葉に、ティルフィーユはエヴァエロン共和国の現状に心を寄せた。
最後の王であるゲイニー王を処刑し、ジャノオン王国をクーデターで滅亡させたロイックは、エヴァエロン共和国を打ち立てた。その名前からもわかるとおり、国民が選んだ「議員」で成り立つ「議会」によって政治を行う共和制に移行したのだ。ロイックを新しい王に、という声もあったようだが、民を蔑ろにするゲイニー王の悪政が心の底から許せなかったロイックは決して首を縦に振らず、ただ一人の君主を再び置くことは絶対にしなかった。
そうして新しく作られた「共和議会」の初代議長にロイックは就き、以降はなるべく民の声に耳をかたむけながら議員たちと共に新しい国を運営しているという。治安維持を徹底しようと考えているところからも、本当に心の底から、この地に住まう民一人一人のことを大事にしているようだ。
「申し遅れました。わたしはホルガー・ハフ・テスティ。この手足を必要とする者に仕えることを使命とするハフ族の者です」
「ハフ族……つまり、ダミアレア族ですか」
「ええ、そうです。そちらにいる家内のバルボラ・ハフ・テスティと共に、ミリ族の族長であるキアン様に仕えております」
ホルガーが手のひらで示した方向にいた女性にティルフィーユとジェラルドが視線を向けると、その女性――バルボラは丁寧に頭を下げた。ホルガーと同じ黒髪で、黒いロングワンピースに白い前掛けをしているバルボラは、夫婦だからなのか同じハフ族だからなのか、生真面目そうな雰囲気がホルガーに似ていた。
「ミリ族をはじめ、この地に移住できるダミアレア族はこの数年でほとんどがここへ移ってきました。ダミアレア族についてティルフィーユ様には後日、テコ族の者に詳しく説明させます。その時に、我々ダミアレア族について理解を深めていただければと思います」
「は、はい……承知いたしました」
ティルフィーユがか細い声で頷くと、ホルガーはティルフィーユとジェラルドに屋敷内を案内すべく、ゆっくりと歩き出した。
ティルフィーユは今日からこのストーラーの屋敷に住むが、結婚式が終わるまでは兄のジェラルドも客としてこの屋敷に滞在することになっている。そのため、食堂や応接室、手洗い場、浴室、客室、そしてティルフィーユの私室、寝室など、ジェラルドも屋敷全体の間取りを説明してもらった。
日が暮れていたので案内が終わるとすぐに夕食、湯浴みとなった。ティルフィーユの身の回りの世話はホルダーの妻であるバルボラが行った。バルボラは日に焼けたのかそれとももとからそういう色なのか、グントバハロンではあまり見かけることのない小麦色の肌の女性だった。決しておしゃべりではなく、かといって愛想がないわけではないが、グントバハロンにいた侍女とはまた少し違った雰囲気のバルボラに緊張しつつもティルフィーユは丁寧に世話をされて、眠りについた。しかし夫婦の寝室として用意されたはずのその部屋に、キアンが帰ってくることはなかった。
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