【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実

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 レスリー子爵夫人がいるときは、チーズケーキをお代わりしなかったのに、フレディと私の三人になった途端お代わりをし始めました。

 「レイモンド様、レスリー子爵夫人が見えるときはお代わりをされてませんが、緊張されていましたか?」

「いえ、あの時は、ディアにエスコート役を降ろされるかもと心配してました。

 でもこうやってフレディとお茶ができると言う事は、大丈夫だと思えてきて、ダンスもなんとかなるのではないかと思ったら、安心して、お腹がすいてきました」

「そうですか、いっぱい食べてくださいね 」

「レイモンド先輩、年末のお祭りに行けることなりました。

 護衛に一緒に付いてきてくれる約束覚えていますか?

 僕達は行ったことがないので、どんな順番に行ったほうがいいとか、広場で歌姫が歌うとか聞きました」

「クライブ伯爵の許可が出たのなら、もちろん一緒に行くよ。
 グレイと順路を考えてみるから、少し待っててくれ。

 歌姫を間近でみたいなら早めに広場で席取りしないといけない。

 もちろん、ディアも行くでしょ。

 当日迎えに行きますね」

 フレディと話しているのに、どうして私の方を見て話すのですか、なまじ顔がキレイなので、ドキドキしてきます。

 相手が自分に好意があるとわかると、いろいろ考えてしまいます。

 前世でいうと、学校の席替えで、隣に座った男の子が気になる感覚ですかね。

 そう考えるのは前世でろくに恋愛をしてなかったからです。
 アイドル並みのキレイな顔が私を見つめています。ドキドキしながら

「レイモンド様、よろしくお願いします」

 返事をするだけで精一杯な状態になってきましたよ。

 精神年齢が高いですが、恋の経歴はほぼ学生並みの状態です。

 ここまで、自分に好意がある目線を受けたのが、もしかしたら、初めてかもしれません。

 レイモンドを見極めると言っていましたが、今の私の状態は、付き合い始める前のフワフワした状態です。

 前世なら、付合って駄目になったら、別れて次に行こうと考えれますが、レイモンドの思いを受け入れたら、この人無理となっても、後戻りができないのです。

 慎重に考えなくてはと思うのですが、ドキドキして、観察できないのです。
 
 チーズケーキを沢山食べて満足したのか、また来週来ますと帰って行きました。

 フレディが私の様子に気づいて

「姉様、どうしました?顔が赤いですよ。大丈夫ですか?」

「フレディ、私どうしましょう。

 レイモンド様が私を見つめてきても、前は全然平気だったのに、今日のダンスの練習の後から、おかしいのです。

 私、見極めるなんて言ってましたが、ドキドキして落ち着かない状態なのです」

「僕は、まだ恋したことがないので、なんとも言えませんが、姉様も、もしかしたら恋の花が膨らんできたのではないですか?

 姉様のレイモンド先輩の思いを大切にして、ゆっくり育ててみたらいいんじゃないでか?

 僕からみた、レイモンド先輩の恋の花は、キレイに咲いてますよ」

 恋の花ですか、素敵な言葉ですね。どんな花が咲くかはわかりませんが、フレディの言う通りに、ゆっくり育てましょう。
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