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第一部
【24】吸血鬼ばぶちゃんとままんの雄っぱい。
しおりを挟む「ばぶ――――――っ!!!ばぶば――――――ぶ~~~~~~っ!!!」
ぎゃ~~~~っ!?お義父さんがばぶに!ばぶお義父さんになったぁ~~っ!
「あぅ……あえぁぁぁぁあぁぁ~~~~っ!!」
ぎゃ~~~~っ!?弟まで!弟まで泣き出しちゃった~~っ!
「よしよ~し、いいこ、いいこね。リアルばぶちゃん。ままんの雄っぱい、ままんの雄っぱいがついてるわ~!大丈夫よ!」
すかさずお義母さんが弟をあやしてくれて、弟はかわいらしいローズレッドのお目目を見せて、きゃっきゃと笑ってくれる。よ、良かったあぁ~~。しかし問題は山積みで。
「ばぶ――――――っ!まんまぁ――――――っ!ばぶ~~~~~~っ!!」
ぎゃ~~~~っ!でっかいばぶちゃんがまだだったあぁぁ――――――――!
「よしよ~し、大丈夫よ~、ばぶちゃん!まんまの雄っぱいですよ~~」
お義母さんがすかさずお義父さんをなでなでして、胸元の布をめくり、雄っぱいをお目見えさせる。
「まんま、ちゅーちゅ!」
途端に泣き止んだお義父さんは、とっても嬉そうに、お義母さんの雄っぱいをちゅーちゅしていた。
――――――お母さんままんって、大変だ。しかし……。
「父さん、父さんは、やっぱり、嫌……?ばぶちゃんと、弟のこと」
「……その、それは。ユユは違うのか」
「俺は父さんがままんだって、大好きだよ。弟のこともかわいいし……それに。いろいろあってもさ、ばぶちゃんはばぶちゃんだから……」
「……」
「ばーぶ」
ナナヤさんが、父さんの袖を掴む。ばぶ化している。やっぱりナナヤさんは、寂しかったんじゃないのかな。
「ままんが大好きじゃないばぶちゃんなんて、いないよ」
俺もそんなに知ってるわけじゃないけれど、お義母さんを見ていたら、そう思ったんだ。
「ユユは、俺をまだ、父親だと思ってくれるのか」
「当たり前じゃんか」
「……うん、分かった……」
父さんは、ゆっくりとナナヤさんに向かい合う。
「ばぶ……まみー、ばふぅ」
ナナヤさんの甘えるような、……いや、祈るような声。ばぶちゃんは、やっぱりままんが大好きなんだね。
「だが……俺には分からない」
父さんがふいと顔をそらしてしまう。そんな……せっかくふたりの気持ちが通じ合ったのに……っ。
「安心なさい……!お義母さんがついているわ!!」
「お義母さ――――んっ!!」
お義母さんは、どこまでもお義母さん。ベストオブままんであった!!
「ほら、ばぶちゃん。いらっしゃい」
ナナヤさんの横に腰かけたお義母さんは、そっと太ももをぽふぽふする。……すると。
「ばぶっ!まんま、ばぶーっ!」
大喜びでやって来たお義父さんばぶちゃんが、慣れた動作でお義母さんのお膝の上に頭を乗っけて、そして寝転がる。
こ、これは……っ!お膝、枕――――――っ!
「いいこねぇ、ばぶちゃん。いいこ」
そうしてお義父さんばぶちゃんの頭を優しくぽふぽふするお義母さんを見て、父さんが。
「おい、こら。早くやれ」
父さんんんんっ!?とんだヤンキーままんじゃないかそれ――――――っ!?
「ばぶ……、ばぶっ!」
ぱあぁぁっと顔を輝かせて、父さんのお膝に頭を預けるナナヤさんばぶちゃん。
それでも、父さんのナナヤさんばぶちゃんを撫でる優しい手付きは、何だか子どもの頃を思い出す。
「ユユ……」
その時、リクリたんがもじもじしていることに気が付く。
「俺たちはこっち」
「ユユ……!?」
リクリたんの手をひっぱり、俺は弟のベビーベッドの傍らに腰をおろす。
「ほら、おいで」
「うむ……!」
嬉しそうに俺のお膝に頭を預けたリクリたん。その艶のある髪を梳きながら。
にこやかに笑う弟も……。
父と母の和解を、喜んでいるようだった。
「名前……決めようか」
そんな父さんの呟きに……。
「ばぶぅ……!」
ナナヤさんばぶちゃんの嬉そうな声が響いた。
――――――その後、弟の名前は七羽に決まった。
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