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婚約未遂連続殺人鬼
婚約未遂連続殺人鬼③
しおりを挟む「……あら、お兄さま?いつの間に復活していらしたの?……てか、前半の接頭語何?」
「ハァハァ……お兄さまは……一応死んでいないぞ!でも妹の下僕になってドレスのスカートの中に籠れるなら大歓迎だな……!」
「いや、やめてよ。そんなんだからアマリリスちゃんにもドンびきされるのよ。あと、お兄さまは絶対死なないでね。絶対呼んでもいないのに蘇って変態行為に没頭しそうだわ。せめて強制浄化魔方陣をこしらえるまで待っててちょうだい」
「あぁ……我が妹はなんて優しいんだ……!ハァハァ」
うん……?強制成仏させる魔方陣をこしらえる辺りかしら?
「お兄さまは妹のために、生きる……!」
そうね。強制浄化魔方陣って高そうだし……聖魔法使いを大量に雇う必要がある。神官を当たれば聖魔法使いも手に入ると思うけど……金と労力がかかりそうだか、とりま生きててくれた方が楽だわ。
「……あ、そう言えばお兄さま。さっき何か言いかけてなかったかしら?」
「うん?ハァハァ……そうだった!あのトレペ魔方陣だけど……普通は作ったら即処刑されるような違法なモノだね。あれがあれば国家機密の魔法とかも平気で国外に持ち出せちゃうし、犯罪組織に禁術流し放題になってしまうねっ!」
「いや――――――――っ!?マジで違法なものだったぁ――――――――っ!あのネクロマンサーどんだけ違法物溜め込んでんのよ!そしてしかも提供したのが隣国の王女~~っ!うちに嫁ぐかもしれないけどまだ国籍は隣国じゃないアウトじゃない!」
「……でも、魔法解剖医だけは許可されている」
「相変わらず魔法解剖医、強いわね。さすがは死霊魔法ですらも合法なぶっ飛び感。でもアリア王女はいいの?まだ隣国の姫よ」
「その事なんだけど……実はね、隣国からヤバすぎて隣国に置いておけないからって、隣国からうちに押し付けられたらしいよ」
そりゃぁ、連続殺人鬼な上にアンデットとして蘇らせて侍らせている王女である。
「いや、でも何でうちの国に……?」
「うちの国には陛下も国家公務員の魔法解剖医がいるからね……!陛下も優秀なネクロマンサーになりそうだから喜んでって呑んだらしいよ」
「そう言えばそうだった~~っ!!」
解剖技術はもちろん、呪いや毒、容赦も慈悲の欠片もないデデデデデバフといった黒魔法から、アンデットを自在に操るネクロマンサー技術ですら合法と認められるやつらである。
ネクロマンサーの素質のあるアリア王女を飼い慣らすには……うってつけの存在だわ……!
そして陛下!アリア王女はあくまでも『優秀なネクロマンサー』なの!?サイコパス殺人鬼だってよりも注視するのはそこおぉぉっ!?
――――陛下は陛下で……、下々から上々の者にまで計り知れない感覚の持ち主ね。さすがは国王陛下。
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