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【番外編①】ギョクとゼフラ④

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【Side:ギョク】

「それにしても、あっさり破滅したな」

――――――あの後、ゼフラたち王家の御庭番と呼ばれる影は、早速行動に移った。俺との婚約もトントン拍子で進んで、あっという間にゼフラは第2王妃の座におさまった。

今では社交界でも注目の的だ。
俺は、自分では顔立ちの整った父上に似ず平凡な顔立ちだと思っている。その反面、誰もが美人だと溜め息を漏らすのがゼフラだ。

釣り合ってない、陰でそう囁く声もあるのは分かっているが……

ゼフラはそう言う連中にもハートを飛ばしてくる者にも見向きもしなかった。

本当に、俺だけを……
そして、俺もだ。
だからこその、運命の番。

「あら、これでも裏工作大変だったんだからっ!いきなり白虎族の当主が破滅したら大変じゃない?跡取りから、次期白虎族の守護者問題とか、かの領地の経営とかいろいろあったんだから。私はトドメを刺しただ・けっ!」

ゼフラはハートを飛ばしながら、俺のあごの線を指でなぞったり、そのまま首筋を通って乳首に……

「いや、待て」

「あら、どぉして?乳首くにくに嫌いなの?」
くにくにって。いや、くにくにだけども。
嫌いではない……と言うかゼフラがしてくれるんならむしろ……。待て待て。

「いや、そう言うわけではなくてだな」
ここは私室ではあるものの、使用人はいるんだぞ。せめて下がらせて……と、言いつつも影は常に俺たちの警護についている。ゼフラの同僚がだ。それでもゼフラは気にせずハートを飛ばしてくるし、以前他の影にも聞いてみたが、さすがは姐さん、幸せにしてやってくだせぇとしか言わねぇ。

「私は好きよ!私の乳首ならいつだって……っ」
そう言ってゼフラは相変わらずエロい声で続け、自身の乳首に両手を当てて、服の上からつまみを……

「いや、それはそのっ、真面目な話をしているんだから」

「エロをいれた方が議論って捗るものよ」

「初めて聞いたわ、そんな議論。それに思ったよりあっさり釣れたなと言う話をしていてだな」

「私の邪眼は特別製なの。素で面白いほどあっさり釣れて、違法商売に手を出してくれましたっ」

「穴蔵の奴隷娼館だったか」

「あれに関わらせて一網打尽よっ!もっとも破滅したのはあのクソ男だけで、他は全部ウチの構成員!みんな名演技だったでしょう?」

「あぁ、お疲れさま」
そのお陰で、厄介なヤツが片付いた。

「あとは即位式ね」
「もっと不自由になる」

「でも守れるものは増えるわ」
「そう、だな。あとは折を見てハルと番も一緒にしてやらんとな」

「付き合うわよ、だって私たちもじゃない?」
「まぁ、な」

運命の番を得た俺は、2番目の妃・ゼフラを迎えた。
そしてそれを機に王位を投げてきた父上の跡を継いだ。

「楽しみねぇ、もうすぐ発情期なの。たくさんたくさん、私の中に出してねっ!」
「だからそう言うことをだな」

「うふふっ。アナタも溜まってるんじゃない?」
全く、ゼフラは恥じらいもせず……いや、公の場では別人のように王妃然としているのは、影として鍛えられたからか。

「そこまで誘われたら、今夜は寝かせられないかもしれないぞ……?」
「あら、そんな情熱的な夜もいいわぁっ。あ、でも竜の雄の交尾、いつも激しくって大好物っ!」
先っぽが二股に別れた舌を出して舌なめずりをするゼフラ。

「その、どうしてもああなる。竜の特徴が、でちまうんだよ」
ゼフラを恐がらせないようにと思ったが、どうしても角と翼と尾が出てしまう。

「その姿も好・きっ!」
運命の番と言うのは不思議なもので。それともゼフラの性格故か、俺の竜の特徴の出た姿も恐れない。好きだと言ってくれる。

「ゼフラと出会えて良かった」
俺の唯一に。そうじゃなきゃ、俺はひとりぼっちだった。
ハルや、王家のためににも第2王妃を迎えても理解者を得られていたとは限らない。
「うん、私も」
ゼフラがにこっと微笑み腕に抱きついてくる。
本当に、導かれるようにやってきた。

――――――そしてゼフラの間に跡取りの第2王子が産まれるのは、もう少し先の話だ。

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