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危険な類さん
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不意に右足を持ち上げられた。
シンデレラにガラスの靴を履かせるような仕草で、足の甲にチュッとキスを落とした類さんは「綺麗な足だな」と呟いた。
足を褒めらるなんて、生まれて初めてだ。
それを伝えようと口を開きかけたけど、駆けあがってきた甘い嬌声が追い越した。
「ふわっ……やっ、そんな所っ……汚い、か…らっ」
「黙れよ、綺麗だって言ってんだろ」
言葉は乱暴なくせに、彼は熱い舌を丁寧に動かして、右足を味わいつくそうとする。
小指から一本ずつ、棒付きのキャンディーを舐めるように嬲られれば、体も意識もドロドロに溶けていく。
右足、そして左足も味わいつくして、ようやく満足したらしい。
顔を上げ、自分の濡れた唇をペロリと舐める彼は、獲物を捕らえた狼みたいだ。
「いい顔になってきたな」
狼はトロリと笑う。
きっと獲物を最高に美味しい状態に彩ってから、捕食するのだろう。
自分がどうなってしまうのだろうという恐怖と、どうにでもして欲しいという期待で叫びだしそうだった。
「続き、して欲しい?」
これは質問なんかじゃない。
だって彼は私が頷く以外の選択肢を持っていないことなど、百も承知なのだから。
現に私が首を縦に振るより前に顔を伏せ、くるぶしを唇で覆い、ジュッと吸い上げた。
熱い舌がゆっくりとふくらはぎを這い上がり、最も秘めたる場所へと辿りつく。
開かれた足の間に、艶のある黒髪が見える。
あと少し、数センチ先に到達したら……。今その場所に触れられたら、狂ってしまうかもしれない。
だから少しだけ、息を整えさせて欲しい――なんて願いは聞いて貰える筈もなく。
「あっ……あああっ!」
舌先が軽く触れただけだと思う……多分。
それでも体の中心を電流が貫き、一瞬で強すぎる絶頂に投げ出された。
なのに――。
「ひっ、待っ……いま、イっ……やっ、あああっ!」
彼は私の小さな突起を責め続ける。
「ああっ、やっ、だ……くっ、のおおっ!」
獰猛な唇と舌に、舐られ、転がされ、弾かれ――。
言葉にならない喘ぎをまき散らした。
終わらない、どこまでも上り詰め、降りてこられない。
足の間にある彼の髪を掴んで、動きを留めようとする。
もう許してと、何度も懇願したのに、彼の耳は聞こえなくなってしまったのだろうか。
私の両足をつかんだまま、耳をふさぎたくなるような水音を生み出し続ける。
限界はすぐそこまできていた。あと数秒でも続けられたら、意識を手放していただろう。
私の背中が弧を描いて跳ね上がり、シーツに落下するのを見届けてから、彼は顔をあげた。
「……大丈夫か?」
「っ……わっ……けな……」
大丈夫なわけがない。
聞かなくても、地面に投げ捨てられた金魚みたいな私を見れば分かるでしょう。
息があがって答えられないので、ギロリと睨みつけた。
つもりだったけど、実際にはただ蕩けきった目を細めたようにしか、見えなかっただろう。
「そんなに良かったのか」
ほら、やっぱり伝わっていない。
彼はフッと笑って、私の髪を撫でた。
そうして唇を耳に寄せ、甘やかな声を落とす。
「じゃあ、もっと先までしてやるよ」
「だめっ、待っ――んんっ!」
言葉は途中で閉じ込められた。
熱い舌が器用に私の唇を押し開き、スルリと口内に侵入してくる。
同時に下半身に重い痺れを感じた。
シンデレラにガラスの靴を履かせるような仕草で、足の甲にチュッとキスを落とした類さんは「綺麗な足だな」と呟いた。
足を褒めらるなんて、生まれて初めてだ。
それを伝えようと口を開きかけたけど、駆けあがってきた甘い嬌声が追い越した。
「ふわっ……やっ、そんな所っ……汚い、か…らっ」
「黙れよ、綺麗だって言ってんだろ」
言葉は乱暴なくせに、彼は熱い舌を丁寧に動かして、右足を味わいつくそうとする。
小指から一本ずつ、棒付きのキャンディーを舐めるように嬲られれば、体も意識もドロドロに溶けていく。
右足、そして左足も味わいつくして、ようやく満足したらしい。
顔を上げ、自分の濡れた唇をペロリと舐める彼は、獲物を捕らえた狼みたいだ。
「いい顔になってきたな」
狼はトロリと笑う。
きっと獲物を最高に美味しい状態に彩ってから、捕食するのだろう。
自分がどうなってしまうのだろうという恐怖と、どうにでもして欲しいという期待で叫びだしそうだった。
「続き、して欲しい?」
これは質問なんかじゃない。
だって彼は私が頷く以外の選択肢を持っていないことなど、百も承知なのだから。
現に私が首を縦に振るより前に顔を伏せ、くるぶしを唇で覆い、ジュッと吸い上げた。
熱い舌がゆっくりとふくらはぎを這い上がり、最も秘めたる場所へと辿りつく。
開かれた足の間に、艶のある黒髪が見える。
あと少し、数センチ先に到達したら……。今その場所に触れられたら、狂ってしまうかもしれない。
だから少しだけ、息を整えさせて欲しい――なんて願いは聞いて貰える筈もなく。
「あっ……あああっ!」
舌先が軽く触れただけだと思う……多分。
それでも体の中心を電流が貫き、一瞬で強すぎる絶頂に投げ出された。
なのに――。
「ひっ、待っ……いま、イっ……やっ、あああっ!」
彼は私の小さな突起を責め続ける。
「ああっ、やっ、だ……くっ、のおおっ!」
獰猛な唇と舌に、舐られ、転がされ、弾かれ――。
言葉にならない喘ぎをまき散らした。
終わらない、どこまでも上り詰め、降りてこられない。
足の間にある彼の髪を掴んで、動きを留めようとする。
もう許してと、何度も懇願したのに、彼の耳は聞こえなくなってしまったのだろうか。
私の両足をつかんだまま、耳をふさぎたくなるような水音を生み出し続ける。
限界はすぐそこまできていた。あと数秒でも続けられたら、意識を手放していただろう。
私の背中が弧を描いて跳ね上がり、シーツに落下するのを見届けてから、彼は顔をあげた。
「……大丈夫か?」
「っ……わっ……けな……」
大丈夫なわけがない。
聞かなくても、地面に投げ捨てられた金魚みたいな私を見れば分かるでしょう。
息があがって答えられないので、ギロリと睨みつけた。
つもりだったけど、実際にはただ蕩けきった目を細めたようにしか、見えなかっただろう。
「そんなに良かったのか」
ほら、やっぱり伝わっていない。
彼はフッと笑って、私の髪を撫でた。
そうして唇を耳に寄せ、甘やかな声を落とす。
「じゃあ、もっと先までしてやるよ」
「だめっ、待っ――んんっ!」
言葉は途中で閉じ込められた。
熱い舌が器用に私の唇を押し開き、スルリと口内に侵入してくる。
同時に下半身に重い痺れを感じた。
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