高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。

桜庭かなめ

文字の大きさ
71 / 279
本編

第70話『恋人になって、祝われて。』

しおりを挟む
「んっ……」

 唇が触れた瞬間、結衣の可愛らしい声が聞こえた。
 女の子の唇って、柔らかくて温かいんだな。ちょっと甘い匂いもして。
 いつまでも、こうして唇を重ねていたい。そう思えるのも、結衣を好きだと自覚して恋人になったからだろうか。
 俺が唇を離すと、結衣は満面の笑顔で見つめてくる。

「ファーストキス……とても良かったです。これまで、悠真君とのキスをたくさん妄想したけど、本当にキスすることには敵わないね。悠真君が好きになってくれて、恋人として付き合うことになって、ファーストキスを悠真君にあげられて。とても幸せです」
「そう言ってくれて俺も幸せだよ。俺もこれがファーストキスです」
「……それを聞いてより幸せになりました」

 えへへっ、と声に出して笑う結衣。そんな結衣の頭を優しく撫でた。
 ――パチパチ。
 そんな音が聞こえてくるので周りを見てみると、何人もの人が俺達に向かって拍手してくれていた。結衣は照れ笑いをして軽く頭を下げる。俺も続けて下げる。

「ゆう君! 結衣ちゃん! おめでとう!」
「結衣! 低田君! 本当におめでとうございます! 親友として嬉しい限りなのです!」

 伊集院さんはとても嬉しそうに、胡桃もいつもの可愛らしい笑みを浮かべながらそう言ってくれた。伊集院さんは両眼に涙を浮かべていた。
 胡桃は涙を流す伊集院さんにハンカチを渡し、頭を撫でる。

「姫奈ちゃんったら、泣いちゃって」
「だって、親友の恋が実ったのですよ。感動してしまうのです」

 伊集院さんが結衣の恋をどれだけ応援していたのかがよく分かる。親友の幸せで泣ける伊集院さんは本当にいい子だと思う。

「ゆう君と大切なことを話せたし、結衣ちゃんと付き合う瞬間を見届けられたから、あたしはそろそろ家に帰ろうかな」
「あたしはエオンに行くのです」
「じゃあ、あたしも一緒に行ってもいい?」
「もちろんなのですよ、胡桃。喉が乾きましたし、中にあるお店で一緒にタピりましょう」
「うんっ! ……だから、ゆう君と結衣ちゃんは2人の時間を楽しんで」
「分かったよ、胡桃ちゃん、姫奈ちゃん」
「お言葉に甘えさせてもらおうか。胡桃、忘れられない時間になったよ。ありがとう」
「……あたしも。じゃあ、またね」
「またなのです」

 胡桃と伊集院さんは優しい笑みを浮かべながら結衣と俺に手を振り、駅の方に向かって歩いていった。2人の姿が見えなくなるまで、結衣と俺は手を振り続けた。

「さてと、これからどうしようか。3時近くだけど、結衣はどこか行きたいところはある?」
「……1カ所あるよ。もし、恋人として付き合うことになったら、そこで悠真君とゆっくりと過ごしたいと思って」

 頬をほんのりと赤くし、結衣はそう言ってくる。恋人として付き合うことになったら、ゆっくり過ごしたい場所って、まさかラブ――。

「悠真君のお家にお泊まりしたい!」
「……お、お泊まりか」
「うん! 付き合い始めた日をもっと思い出深くしたくて。……どうかな?」
「俺はいいけれど、両親に連絡してみるよ」

 俺はスマホで自宅に電話を掛けて、電話に出てくれた父さんに結衣と付き合い始めたことと、結衣が泊まりたい旨を伝えた。
 父さんは「良かったな」と言い、結衣が泊まることを二つ返事で了承してもらった。その後に電話に出た母さんも「鍋の具、追加で買っておくわね!」と嬉しそうに話していた。
 泊まってもいいと許可をもらったことを伝えると、結衣は嬉しそうな様子で自宅に電話を掛ける。すると、結衣はすぐに俺に向かってサムズアップ。どうやら、俺の家に泊まっていいと御両親から許可をもらえたようだ。

「許可をもらったよ。悠真君、今夜はよろしくお願いします」
「ああ、こちらこそよろしく」
「荷物を用意したいし、まずは私の家に行ってもいいかな?」
「もちろん。俺も、結衣と付き合うことになったって御両親に報告したいから」
「了解。あと、電話で悠真君と付き合うって言ったら、お父さんもお母さんも喜んでた。だから、あまり緊張しなくても大丈夫だと思う」
「……その話を聞いて、ちょっと安心したよ」

 俺は結衣の右手と恋人繋ぎの形で繋いで、結衣の家に向かって歩き始めた。それは結衣と恋人になり、新たな一歩を踏み出した感じがした。
 結衣と手を繋ぐのはこれが初めてじゃないけど、付き合い始めたから、これだけでも結構ドキドキする。話したい気持ちはあるけど、なかなか言葉が見つからない。結衣も同じような気持ちなのか何も話しかけてこなくて。目が合うと、結衣は頬を赤くしてはにかむ。それがたまらなく可愛かった。
 結局、何も話さないまま10分近く歩いて、結衣の家に到着。

「ただいま~。恋人を連れてきましたー!」

 家の中に入り、結衣が大きな声でそう言うとすぐに、リビングから父親の卓哉さんと、母親の裕子さんが姿を現す。柚月ちゃんは部活でいないのかな。

「おおっ、低田君。さっき、結衣からの電話で付き合い始めたことを聞いたよ。父親として、君が恋人になってくれるのはとても嬉しい。結衣のことを末永くよろしくお願いします。あと、今夜は低田君の家で結衣がお世話になります」
「こちらこそよろしくお願いします」

 卓哉さんとは両手で握手を交わした。初めてここに来たとき、結衣と仲良くしてほしいと言っていただけあって、とても嬉しそうだ。その気持ちを裏切ってしまわないためにも、結衣とは仲良く付き合っていきたい。

「結衣からは低田君の話をたくさん聞いていたからね。良かったわね、結衣」
「うん!」
「低田君、これからも結衣のことをよろしくお願いします。何かあったら遠慮なく言ってね。結衣の母親としてできることがあれば、何でもするつもりだから……」

 そう言うと、裕子さんは俺の手を握り、頬をほんのりと赤くして俺を見つめてくる。今の裕子さんを見ていると、結衣の母親らしいなぁと思える。
 今後、裕子さんに相談することがあるかもしれない。もちろん、常識的な範囲で。

「そ、そのときはよろしくお願いしますね」
「じゃあ、荷物をまとめたら、悠真君の家に行くよ。悠真君、一緒に私の部屋に来て?」
「ああ、分かった。お邪魔します」

 俺は結衣に手を引かれる形で、結衣の部屋へ向かう。
 この部屋に来るのは水曜日にお見舞い以来か。何度も来たことがあるのに、恋人の部屋だと思うと、とてもドキドキするな。結衣と恋人になって1時間も経っていないけど、世界が変わったように見える。

「私は荷物をまとめるから、悠真君は適当な場所でくつろいでて」
「分かった」

 ベッドの近くにあるクッションに腰を下ろす。
 いくら恋人になったとはいえ、結衣がタンスから服や下着を取り出すところ見るのはまずいよな。なので、俺はスマートフォンを取り出した。

「結衣、中野先輩にも俺達が付き合うことをすぐに報告した方がいいよね」
「そうだね。杏樹先生にも報告した方が良さそう。LIMEのグループトークにメッセージを送ろっか」 

 中野先輩はともかく、福王寺先生がこのことを知ったらどんな反応をするのか。
 ただ、どういう言葉を使って付き合うことを報告するか迷うな。
 ――プルルッ。
 スマホが鳴ったので確認すると、高校生5人と福王寺先生のグループトークに結衣からメッセージが届いたと通知が。
 実は一昨日の放課後、バイト先へ行くとき、中野先輩に福王寺先生の素のモードを話したら、先輩も先生と話したいと言ってきた。なので、お互いの連絡先を俺が教え、6人でのグループが作られたのだ。

『突然ですが、悠真君と恋人として付き合うことになりました!』

 結衣のメッセージはシンプルな内容だった。何かを伝えたいときはこのくらいストレートな方がいいのか。
 結衣を見ると、結衣は笑顔で俺を見てウインクをし、再び荷造りをしていく。

『結衣と付き合うことになりました。これからもよろしくお願いします』

 結衣に倣って、俺も同じようなメッセージを送った。
 これで中野先輩、福王寺先生にも伝えられるかなと画面を眺めていると、さっそく既読人数のカウンターが一気に5まで上がる。俺以外のグループメンバーが全員見たのか。

『先ほども言いましたが、2人とも、おめでとうございます! 結衣はついに恋が叶いましたね! 低田君、結衣と一緒に幸せになってくださいね。近くで見守っていくという、親友としてのこれからの楽しみができました』

『あの噂を聞いてから、悠真への高嶺ちゃんの愛情は凄いと思ったけど、ついに成就したか。あたしは華頂ちゃんともいい雰囲気だと思ってたけどね。2人ともおめでとう! もし、今夜、高嶺ちゃんと一緒に過ごすことになったとしても、悠真は明日のバイトには遅れないように!』

『低変人さまあっ! 結衣ちゃん! お付き合いおめでとう! 2人の恋はもちろん、低変人様のこれからの作曲活動も応援するね!』

『さっきも言ったけど、ゆう君と結衣ちゃん、本当におめでとう!』

 4人から温かな祝福メッセージが届き、胡桃と福王寺先生は更に『おめでとう!』という文字付きのバンザイをする猫スタンプを送ってくれた。結衣も見たのか「ふふっ」と笑い、

『ありがとうございます!』

 メッセージを送った。俺も結衣に続いて『ありがとう』とメッセージを送信した。
 月曜日になったら、きっと俺達が付き合い始めたことが学校中に広まるだろう。結衣が俺にフラれた話が広まったとき以上に騒ぎになるかもしれないな。

「悠真君、荷物をまとめ終わったよ」
「お疲れ様。じゃあ、俺の家に行くか」
「……その前に、ちょっと休ませて。1時間以上、あのビルの前でじっと待っていたからさ。だから、悠真君と一緒にベッドで横になりたい」
「分かった」

 結衣の誘いで、結衣のベッドで一緒に横になる。さすがにゆったりさは感じないけど、結衣の温もりと匂いを感じられるから、このくらいの広さがちょうど良く思える。

「悠真君と恋人になって、自分のベッドで一緒に横になるのが夢の1つだったんだ」
「そうだったのか。叶って良かったな」
「うんっ!」

 すると、結衣は俺に覆い被さるような体勢になる。そのことで、笑顔の結衣に視界を独占され、結衣の匂いに包まれた感覚に。 

「悠真君、キスしていい? 私からするファーストキス」
「もちろんだよ」
「ありがとう。悠真君、大好き」

 囁いて、結衣は俺にキスしてくる。
 結衣のベッドで仰向けになった状態でされるキスは、告白した直後のキスよりもかなりドキドキする。俺は両手を結衣の背中に回した。そのことで、唇だけではなく全身で結衣の温もりを感じる。

「んっ……」

 甘い声を漏らすと、結衣は俺の口の中に舌を入れて、俺の舌と絡ませてくる。しかし、絡ませ方が激しすぎるので、ドキドキさが薄れていく。きっと、舌を絡ませる中で、どんどん好きな気持ちが膨らんだり、興奮したりしているからだと思う。結衣らしいと思えてほっこりするほどだった。
 結衣の方から唇を離すと、結衣はうっとりとした様子で俺を見つめてくる。

「自分からするキスもいいね。興奮しすぎて舌を激しく絡ませちゃった」
「絡ませ方が激しすぎて、途中からドキドキよりもほっこりとした気持ちが勝ったよ。結衣らしくてさ」
「ふふっ、何それ。舌を絡ませる加減を考えなきゃいけないね。あと、悠真君の口からコーヒーとチョコっぽい匂いがした」
「喫茶店でアイスコーヒーとガトーショコラを頼んだからな」
「そうだったんだ。……もうちょっとキスしたいな」
「はいはい」

 俺は右手を結衣の後頭部に回し、結衣の顔を近づかせてキスをする。そのことに結衣は「ふふっ」と笑った。
 それから少しの間、ベッドの上で結衣とのキスの時間を堪能するのであった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2025.12.18)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました

藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。 次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。

ルピナス

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。  そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。  物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。 ※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。  ※1日3話ずつ更新する予定です。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

処理中です...