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夏休み編4
第8話『華頂家』
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8月20日、火曜日。
胡桃の誕生日である今日は朝からよく晴れている。雲が多少広がるときがあるそうだけど、雨が降る心配はないらしい。青く広がる空を見ていると、胡桃の16歳の1年間がいいものになりそうだ。そう考えると、今日くらいは熱くて眩しい陽差しに対する嫌な気持ちは抱かない。
午後2時45分。
俺は自宅の近所にある公園にいる。結衣と伊集院さん、中野先輩と2時50分にここで待ち合わせをしているのだ。ここから4人で胡桃の家に向かい、午後3時頃にお邪魔する予定だ。
また、福王寺先生は仕事、芹花姉さんはバイト、柚月ちゃんは部活があるため誕生日パーティーには参加しない。ただ、3人も胡桃に誕生日プレゼントを用意している。姉さんは俺、柚月ちゃんは結衣に託しており、パーティー中に渡す予定だ。
福王寺先生は、LIMEで使える三毛猫のイラストスタンプを胡桃にプレゼントしたとのこと。そういえば、俺の誕生日プレゼントもLIMEの猫スタンプだったな。生徒への誕生日プレゼントは平等にLIMEのスタンプにすると決めているのだろうか。
あと、先日参加したコアマで会った芹花姉さんの友人・月読彩乃さんから、『みやび様は告られたい。』のヒロイン・みやび様のお誕生日イラストが送られたそうだ。
「悠真くーん!」
結衣の元気な呼び声が聞こえてきた。
声がした方に向くと、こちらに向かって歩いてくる結衣と伊集院さんと中野先輩の姿が見える。結衣はノースリーブの襟付きワンピース、伊集院さんはロングスカートに半袖のブラウス、中野先輩はキュロットスカートに肩開きの半袖Tシャツという服装だ。俺が手を振ると、3人とも元気良く手を振ってくれた。
「みなさん、こんにちは」
「こんにちは、悠真君! ワイシャツ姿似合ってるね! かっこいいよ!」
「ありがとう。結衣もワンピース姿がよく似合っていて綺麗だよ。伊集院さんと中野先輩も似合ってます」
「ありがとう、悠真君!」
「どうもなのです」
「ありがとね、悠真」
結衣はもちろんのこと、伊集院さんと中野先輩も嬉しそうな様子でそう言った。嬉しさのあまりか、結衣は俺にキスしてきて。唇の柔らかさや香水と思われるシトラスの香りがいいなって思う。
無事に結衣達と落ち合えたので、俺達は胡桃の家に向かって歩き始める。
「華頂ちゃんが8月生まれなのは何だか意外だな。個人的には12月生まれくらいかと……」
「ふふっ、そうですか。私は8月から10月の間かなって思ってました。胡桃の実の収穫時期がそのくらいなので」
「へえ、そうなんだ。知らなかったなぁ」
「俺もです」
「あたしも知らなかったのです。さすがは結衣なのです」
「えへへっ」
嬉しそうに笑う結衣。親友にさすがと言われたのが嬉しかったのだろう。
「中間試験の勉強のときに、悠真は4月6日、高嶺ちゃんは1月1日だって知ったけど、伊集院ちゃんの誕生日っていつなの?」
「3月3日なのです」
「3月3日か。ひな祭りの日だ。……もしかして、姫奈って名前の由来はひな祭りから?」
「そうなのですよ」
「やっぱり」
伊集院さんはひな祭りの日に生まれたんだ。名前は「ひな」だし、見た目や声、性格も可愛らしい女の子だから、個人的にはイメージ通りだ。
『ふふふっ……』
と、伊集院さんと結衣は2人で楽しそうに笑っている。
「どうしたんだ、伊集院さん、結衣。楽しそうに笑って」
「友達になったばかりの頃、結衣も同じように『誕生日が3月3日ってことは、名前の由来はひな祭り?』って訊いてきたので。それを思い出したら笑ってしまって」
「私もそのときのことを思い出して笑ってた」
「もちろん、結衣や千佳先輩以外にも同じように訊いてくる友達は何人もいたのです」
「そうなんだ」
まあ、3月3日生まれで「ひな」って読み方の名前だと、由来がひな祭りだと考える人は多いだろう。もし、俺が伊集院さんの誕生日を訊いていたら、中野先輩と同じように由来を問いかけていたと思う。
「千佳先輩の誕生日はいつなのですか?」
「11月15日だよ」
「そうなのですね。その時期になると寒くなってきますが、11月は好きなのですよ」
「へえ、そうなんだ。何か嬉しいな」
そう言うと、中野先輩は可愛らしい笑みを浮かべた。先輩の誕生日は11月15日か。誕生日が近づいたら、プレゼントする曲を制作しよう。
誕生日トークをしていたのもあり、気付けば胡桃の家が見えていた。毎度、淡い灰色の外観を見ると、落ち着いていい雰囲気だなぁと思う。ここに来るのは……期末試験の勉強会以来かな。
玄関の前まで行き、結衣がインターホンを押した。
『はい。……あっ、結衣ちゃん! ゆう君達も』
インターホンのスピーカーから胡桃の声が聞こえてきた。
「こんにちは、胡桃ちゃん! 4人みんなで来ました!」
『うん、待ってたよ! すぐに行くね』
胡桃の声、弾んでいるな。これから誕生日パーティーだもんな。胡桃にとっていい誕生日だと思えるような時間にしたい。
「みなさん、いらっしゃい!」
玄関が開かれ、桃色のキャミワンピースに白いTシャツという可愛らしい服に身を包んだ胡桃が姿を現した。胡桃は嬉しそうな様子だ。
「こんにちは。誕生日おめでとう、胡桃」
「こんにちは、胡桃ちゃん! お誕生日おめでとう! ピンクのキャミワンピース似合ってるね! 可愛いよ!」
「誕生日おめでとうなのです、胡桃!」
「16歳の誕生日おめでとう、華頂ちゃん!」
俺達はそれぞれ胡桃に誕生日の祝福の言葉を贈る。結衣は服装の感想を添えて。
すると、胡桃は白い歯を見せニコッと笑う。
「ありがとうございます! 家にいるけどパーティーだから、このキャミワンピースを着てみました」
「可愛いのですよ、胡桃!」
「華頂ちゃん似合ってるよ。悠真もそう思うよね」
「ええ。よく似合っているよ、胡桃」
「ありがとう!」
胡桃はそうお礼を言うと、俺に可愛らしい笑顔を向けてくれる。
メッセンジャーやLIMEでおめでとうとメッセージは送っているけど、実際に会って直接伝えるのが一番いいのかも。胡桃の嬉しそうな笑顔を見てそう思う。
「さあ、中に入ってください」
俺達は胡桃の家にお邪魔する。
家の中に入った瞬間、洋菓子系の甘い匂いが香ってくる。おそらく、パーティーで出されるケーキやスイーツによるものだろう。昨晩、メッセンジャーで胡桃が『ケーキやスイーツを作って待ってる』と話していたし。
「みなさん、こんにちは」
胡桃の母親の夏芽さんの声が聞こえると、リビングからロングスカートに半袖のVネックシャツ姿の夏芽さん、ジーンズパンツに半袖のブラウスに身を包んだ胡桃の姉の杏さん、そしてスラックスに半袖のYシャツ姿の男性が姿を現した。夏芽さんと杏さんは小さく手を振って、男性は軽く頭を下げた。
男性は背が俺よりも少し低く、端整な顔立ちをしている。優しそうな雰囲気を醸し出しているな。胡桃達と同じ紫色の髪をしているから……胡桃のお父様だろうか。以前、胡桃に見せてもらったアルバムに、彼のような人が写る写真が貼ってあったのを覚えている。
「みんな、こんにちは。胡桃のために来てくれてありがとう。姉として嬉しいよ」
杏さんは優しげな笑みを見せてそう言ってくれる。
「いえいえ! 大好きな友人の誕生日ですから」
と、伊集院さんが元気良く答える。伊集院さんは輝かせた目で杏さんのことを見ている。伊集院さんは以前、杏さんのことをとても素敵な人と言っていたからなぁ。パーティー中は杏さんと話すことが多くなるかもしれない。
「旅行などの写真で姿は知っていたけど、実際に会うと素敵な子達だね、胡桃」
男性は穏やかな笑みを浮かべ、静かな口調でそう言う。その言葉に胡桃はゆっくりと頷く。いつもの優しい笑顔を見せながら。
「うん。金井高校で出会ったお友達。ゆう君とは中学で出会って、高校生になってから友達になれたんだよ、お父さん」
「そうか」
やはり、この男性は胡桃のお父様か。4人全員が穏やかな家族だ。
あと、2年ほど前から胡桃とは友人だけど、それはネット上で『桐花さんと低変人』として続いてきた関係。ただ、お父様は俺が低変人だとは知らないだろうから、今のような言い方になったんだと思う。実際、今年の5月に2年前の嘘告白事件のことについて胡桃から謝ってもらい、リアルでの友人として交流するようになったから。
「みんな、お父さんと会うのは初めてでしたね。こちら、あたしの父の華頂蓮といいます」
「初めまして、胡桃の父の華頂蓮です。娘がいつもお世話になっております」
そう挨拶をすると、胡桃の父親……蓮さんは俺達4人に向かって、さっきよりも深めに頭を下げる。俺達も蓮さんに対して軽く頭を下げる。
蓮さんが自己紹介したので、俺達も自己紹介しないとな。
「初めまして、低田悠真といいます。胡桃さんとは……中学2年のときに同じクラスになりました。当時は色々ありましたが……高校生になってから、胡桃とは友人として仲良くさせてもらっています。よろしくお願いします」
「初めまして、高嶺結衣です。胡桃ちゃんとはクラスは違いますが、スイーツ部で一緒になったのがきっかけで仲良くなりました。あと、悠真君は私の恋人です。よろしくお願いします」
「伊集院姫奈です、初めまして。結衣と同じく胡桃とは部活をきっかけに仲良くなりました。結衣とは中学からの親友なのです。よろしくお願いします」
「中野千佳です、初めまして。悠真のバイトの先輩で、胡桃ちゃんとは3人を通じて仲良くなりました。よろしくお願いします」
「みんなよろしく。……食事のときなどに胡桃が楽しそうに話すのも納得だ」
蓮さんはそう言うと目つきが優しくなり、口角が上がる。この様子からして、胡桃が俺達のことを本当に楽しく話しているのだと分かる。そして、その話を蓮さんが楽しく聞いていることも。
「さあ、上がりなさい。リビングにケーキとスイーツを用意してあるよ」
甘い匂いも香ってきているし、ケーキとスイーツがどんな感じなのか楽しみだ。この8人でなら、胡桃の誕生日パーティーは楽しいイベントになるに違いない。
胡桃の誕生日である今日は朝からよく晴れている。雲が多少広がるときがあるそうだけど、雨が降る心配はないらしい。青く広がる空を見ていると、胡桃の16歳の1年間がいいものになりそうだ。そう考えると、今日くらいは熱くて眩しい陽差しに対する嫌な気持ちは抱かない。
午後2時45分。
俺は自宅の近所にある公園にいる。結衣と伊集院さん、中野先輩と2時50分にここで待ち合わせをしているのだ。ここから4人で胡桃の家に向かい、午後3時頃にお邪魔する予定だ。
また、福王寺先生は仕事、芹花姉さんはバイト、柚月ちゃんは部活があるため誕生日パーティーには参加しない。ただ、3人も胡桃に誕生日プレゼントを用意している。姉さんは俺、柚月ちゃんは結衣に託しており、パーティー中に渡す予定だ。
福王寺先生は、LIMEで使える三毛猫のイラストスタンプを胡桃にプレゼントしたとのこと。そういえば、俺の誕生日プレゼントもLIMEの猫スタンプだったな。生徒への誕生日プレゼントは平等にLIMEのスタンプにすると決めているのだろうか。
あと、先日参加したコアマで会った芹花姉さんの友人・月読彩乃さんから、『みやび様は告られたい。』のヒロイン・みやび様のお誕生日イラストが送られたそうだ。
「悠真くーん!」
結衣の元気な呼び声が聞こえてきた。
声がした方に向くと、こちらに向かって歩いてくる結衣と伊集院さんと中野先輩の姿が見える。結衣はノースリーブの襟付きワンピース、伊集院さんはロングスカートに半袖のブラウス、中野先輩はキュロットスカートに肩開きの半袖Tシャツという服装だ。俺が手を振ると、3人とも元気良く手を振ってくれた。
「みなさん、こんにちは」
「こんにちは、悠真君! ワイシャツ姿似合ってるね! かっこいいよ!」
「ありがとう。結衣もワンピース姿がよく似合っていて綺麗だよ。伊集院さんと中野先輩も似合ってます」
「ありがとう、悠真君!」
「どうもなのです」
「ありがとね、悠真」
結衣はもちろんのこと、伊集院さんと中野先輩も嬉しそうな様子でそう言った。嬉しさのあまりか、結衣は俺にキスしてきて。唇の柔らかさや香水と思われるシトラスの香りがいいなって思う。
無事に結衣達と落ち合えたので、俺達は胡桃の家に向かって歩き始める。
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「へえ、そうなんだ。知らなかったなぁ」
「俺もです」
「あたしも知らなかったのです。さすがは結衣なのです」
「えへへっ」
嬉しそうに笑う結衣。親友にさすがと言われたのが嬉しかったのだろう。
「中間試験の勉強のときに、悠真は4月6日、高嶺ちゃんは1月1日だって知ったけど、伊集院ちゃんの誕生日っていつなの?」
「3月3日なのです」
「3月3日か。ひな祭りの日だ。……もしかして、姫奈って名前の由来はひな祭りから?」
「そうなのですよ」
「やっぱり」
伊集院さんはひな祭りの日に生まれたんだ。名前は「ひな」だし、見た目や声、性格も可愛らしい女の子だから、個人的にはイメージ通りだ。
『ふふふっ……』
と、伊集院さんと結衣は2人で楽しそうに笑っている。
「どうしたんだ、伊集院さん、結衣。楽しそうに笑って」
「友達になったばかりの頃、結衣も同じように『誕生日が3月3日ってことは、名前の由来はひな祭り?』って訊いてきたので。それを思い出したら笑ってしまって」
「私もそのときのことを思い出して笑ってた」
「もちろん、結衣や千佳先輩以外にも同じように訊いてくる友達は何人もいたのです」
「そうなんだ」
まあ、3月3日生まれで「ひな」って読み方の名前だと、由来がひな祭りだと考える人は多いだろう。もし、俺が伊集院さんの誕生日を訊いていたら、中野先輩と同じように由来を問いかけていたと思う。
「千佳先輩の誕生日はいつなのですか?」
「11月15日だよ」
「そうなのですね。その時期になると寒くなってきますが、11月は好きなのですよ」
「へえ、そうなんだ。何か嬉しいな」
そう言うと、中野先輩は可愛らしい笑みを浮かべた。先輩の誕生日は11月15日か。誕生日が近づいたら、プレゼントする曲を制作しよう。
誕生日トークをしていたのもあり、気付けば胡桃の家が見えていた。毎度、淡い灰色の外観を見ると、落ち着いていい雰囲気だなぁと思う。ここに来るのは……期末試験の勉強会以来かな。
玄関の前まで行き、結衣がインターホンを押した。
『はい。……あっ、結衣ちゃん! ゆう君達も』
インターホンのスピーカーから胡桃の声が聞こえてきた。
「こんにちは、胡桃ちゃん! 4人みんなで来ました!」
『うん、待ってたよ! すぐに行くね』
胡桃の声、弾んでいるな。これから誕生日パーティーだもんな。胡桃にとっていい誕生日だと思えるような時間にしたい。
「みなさん、いらっしゃい!」
玄関が開かれ、桃色のキャミワンピースに白いTシャツという可愛らしい服に身を包んだ胡桃が姿を現した。胡桃は嬉しそうな様子だ。
「こんにちは。誕生日おめでとう、胡桃」
「こんにちは、胡桃ちゃん! お誕生日おめでとう! ピンクのキャミワンピース似合ってるね! 可愛いよ!」
「誕生日おめでとうなのです、胡桃!」
「16歳の誕生日おめでとう、華頂ちゃん!」
俺達はそれぞれ胡桃に誕生日の祝福の言葉を贈る。結衣は服装の感想を添えて。
すると、胡桃は白い歯を見せニコッと笑う。
「ありがとうございます! 家にいるけどパーティーだから、このキャミワンピースを着てみました」
「可愛いのですよ、胡桃!」
「華頂ちゃん似合ってるよ。悠真もそう思うよね」
「ええ。よく似合っているよ、胡桃」
「ありがとう!」
胡桃はそうお礼を言うと、俺に可愛らしい笑顔を向けてくれる。
メッセンジャーやLIMEでおめでとうとメッセージは送っているけど、実際に会って直接伝えるのが一番いいのかも。胡桃の嬉しそうな笑顔を見てそう思う。
「さあ、中に入ってください」
俺達は胡桃の家にお邪魔する。
家の中に入った瞬間、洋菓子系の甘い匂いが香ってくる。おそらく、パーティーで出されるケーキやスイーツによるものだろう。昨晩、メッセンジャーで胡桃が『ケーキやスイーツを作って待ってる』と話していたし。
「みなさん、こんにちは」
胡桃の母親の夏芽さんの声が聞こえると、リビングからロングスカートに半袖のVネックシャツ姿の夏芽さん、ジーンズパンツに半袖のブラウスに身を包んだ胡桃の姉の杏さん、そしてスラックスに半袖のYシャツ姿の男性が姿を現した。夏芽さんと杏さんは小さく手を振って、男性は軽く頭を下げた。
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「みんな、こんにちは。胡桃のために来てくれてありがとう。姉として嬉しいよ」
杏さんは優しげな笑みを見せてそう言ってくれる。
「いえいえ! 大好きな友人の誕生日ですから」
と、伊集院さんが元気良く答える。伊集院さんは輝かせた目で杏さんのことを見ている。伊集院さんは以前、杏さんのことをとても素敵な人と言っていたからなぁ。パーティー中は杏さんと話すことが多くなるかもしれない。
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男性は穏やかな笑みを浮かべ、静かな口調でそう言う。その言葉に胡桃はゆっくりと頷く。いつもの優しい笑顔を見せながら。
「うん。金井高校で出会ったお友達。ゆう君とは中学で出会って、高校生になってから友達になれたんだよ、お父さん」
「そうか」
やはり、この男性は胡桃のお父様か。4人全員が穏やかな家族だ。
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「みんな、お父さんと会うのは初めてでしたね。こちら、あたしの父の華頂蓮といいます」
「初めまして、胡桃の父の華頂蓮です。娘がいつもお世話になっております」
そう挨拶をすると、胡桃の父親……蓮さんは俺達4人に向かって、さっきよりも深めに頭を下げる。俺達も蓮さんに対して軽く頭を下げる。
蓮さんが自己紹介したので、俺達も自己紹介しないとな。
「初めまして、低田悠真といいます。胡桃さんとは……中学2年のときに同じクラスになりました。当時は色々ありましたが……高校生になってから、胡桃とは友人として仲良くさせてもらっています。よろしくお願いします」
「初めまして、高嶺結衣です。胡桃ちゃんとはクラスは違いますが、スイーツ部で一緒になったのがきっかけで仲良くなりました。あと、悠真君は私の恋人です。よろしくお願いします」
「伊集院姫奈です、初めまして。結衣と同じく胡桃とは部活をきっかけに仲良くなりました。結衣とは中学からの親友なのです。よろしくお願いします」
「中野千佳です、初めまして。悠真のバイトの先輩で、胡桃ちゃんとは3人を通じて仲良くなりました。よろしくお願いします」
「みんなよろしく。……食事のときなどに胡桃が楽しそうに話すのも納得だ」
蓮さんはそう言うと目つきが優しくなり、口角が上がる。この様子からして、胡桃が俺達のことを本当に楽しく話しているのだと分かる。そして、その話を蓮さんが楽しく聞いていることも。
「さあ、上がりなさい。リビングにケーキとスイーツを用意してあるよ」
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