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完全崩壊
ー優大ー堕ちる 1
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真希ちゃんと連絡が撮れないまま、ドラマの撮影が何日も続く。
少しでも時間が空いたら会おう。
そう決めたものの忙しかった。
もっと、ちゃんとしていれば傷つけなかった。
もう駄目かもしれない。
振られたって仕方ないよね。
スキャンダルなんて今まで撮られたことがなかったのに。
タイミングが悪かったとしか言いようがない。
馬鹿だよね僕は。
真希ちゃんが大変な時に、もっと苦しめてしまったんだから。
これから撮るシーンは大事な場面。
海でミサキを思い、泣く。
切ない顔をするのは得意なのに涙を流すのは苦手。
「ミサキ……大好きだよ」
セリフの後に泣く。
泣くには辛かった記憶を思い出せっていつも役作りの時に言われる。悲しいから泣けるとは限らないのに。
彼女との記憶を思い出す。
真希ちゃん、君だけなんだ。
本当にごめんね。
こんな最低な僕を許して。
簡単に許されようなんて思わない。でも嫌われるのは凄く悲しい。
真希ちゃんと居ると、作ってる自分が容易く崩れていく。
「カット!」
演技は終わったはずなのに、涙が出続ける。
止めようとしてるのに無理だ。
誰かを思って泣くとこんなに切ないんだね。
僕は悔しかったり、辛かったとしても泣いたりしない。
悲しい時に涙なんか流してる暇なんてない。
いつも、本当の姿を見せないようにして怯えてた。
仮面を被り続けて楽しくもないのに笑ってみせたり。
いつしか慣れてしまって自分の気持ちなんて分からなくなってた。
久しぶりに強く心に響いた感情。いつもは何も感じたくなくて演じてたのに。
僕はいつだって自分の本当の激しい感情が嫌だった。
でも僕自身、ありのままの感情を知らなかった。
真希ちゃんが教えてくれたんだ。
強すぎ感情が心を揺さぶってる。
もっと彼女を大切に出来たらよかったんだ。
僕のせいで本当に別れてしまうかもしれない。それでも自分の気持ちはちゃんと伝えたい。
たとえ、それが最後になったとしても。
今日の撮影は終わり。
監督は大満足だと自信ありげだった。
涙が止められない場面を思い出すと恥ずかしい。
自分の素の感情ってあまり見せたくないな。
僕は真希ちゃんの家に向かっている。
事前に連絡したかったけど、ブロックされてるから無理だった。他に手段がないし。だから、急で申し訳ないけど会いに行くしかない。
直接、ちゃんと話さなきゃ。誤解が解けるまで。
それでも嫌いと言われたら辛いけど仕方ない。
別れる選択肢を真希ちゃんが選ぶなら、従うしかない。
真希ちゃんの住んでいるアパートまで来ると、インターホンを何度か押した。
待ってみたけど全然反応がない。
凄く心配だ。ドアを開けようとしたら、鍵が掛かっていなかった。
ひとり暮らしの女の子なのに無防備過ぎる。
危ないよ、ちゃんと戸締りしないと。
部屋に行こうとしたら聞こえた声。
信じられなかった。
嫌だとか、止めてとか聞こえる。真希ちゃんの声?
嘘だ。何してるの、ねえ?
部屋のドアを少し開いて覗くと……
少しでも時間が空いたら会おう。
そう決めたものの忙しかった。
もっと、ちゃんとしていれば傷つけなかった。
もう駄目かもしれない。
振られたって仕方ないよね。
スキャンダルなんて今まで撮られたことがなかったのに。
タイミングが悪かったとしか言いようがない。
馬鹿だよね僕は。
真希ちゃんが大変な時に、もっと苦しめてしまったんだから。
これから撮るシーンは大事な場面。
海でミサキを思い、泣く。
切ない顔をするのは得意なのに涙を流すのは苦手。
「ミサキ……大好きだよ」
セリフの後に泣く。
泣くには辛かった記憶を思い出せっていつも役作りの時に言われる。悲しいから泣けるとは限らないのに。
彼女との記憶を思い出す。
真希ちゃん、君だけなんだ。
本当にごめんね。
こんな最低な僕を許して。
簡単に許されようなんて思わない。でも嫌われるのは凄く悲しい。
真希ちゃんと居ると、作ってる自分が容易く崩れていく。
「カット!」
演技は終わったはずなのに、涙が出続ける。
止めようとしてるのに無理だ。
誰かを思って泣くとこんなに切ないんだね。
僕は悔しかったり、辛かったとしても泣いたりしない。
悲しい時に涙なんか流してる暇なんてない。
いつも、本当の姿を見せないようにして怯えてた。
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いつしか慣れてしまって自分の気持ちなんて分からなくなってた。
久しぶりに強く心に響いた感情。いつもは何も感じたくなくて演じてたのに。
僕はいつだって自分の本当の激しい感情が嫌だった。
でも僕自身、ありのままの感情を知らなかった。
真希ちゃんが教えてくれたんだ。
強すぎ感情が心を揺さぶってる。
もっと彼女を大切に出来たらよかったんだ。
僕のせいで本当に別れてしまうかもしれない。それでも自分の気持ちはちゃんと伝えたい。
たとえ、それが最後になったとしても。
今日の撮影は終わり。
監督は大満足だと自信ありげだった。
涙が止められない場面を思い出すと恥ずかしい。
自分の素の感情ってあまり見せたくないな。
僕は真希ちゃんの家に向かっている。
事前に連絡したかったけど、ブロックされてるから無理だった。他に手段がないし。だから、急で申し訳ないけど会いに行くしかない。
直接、ちゃんと話さなきゃ。誤解が解けるまで。
それでも嫌いと言われたら辛いけど仕方ない。
別れる選択肢を真希ちゃんが選ぶなら、従うしかない。
真希ちゃんの住んでいるアパートまで来ると、インターホンを何度か押した。
待ってみたけど全然反応がない。
凄く心配だ。ドアを開けようとしたら、鍵が掛かっていなかった。
ひとり暮らしの女の子なのに無防備過ぎる。
危ないよ、ちゃんと戸締りしないと。
部屋に行こうとしたら聞こえた声。
信じられなかった。
嫌だとか、止めてとか聞こえる。真希ちゃんの声?
嘘だ。何してるの、ねえ?
部屋のドアを少し開いて覗くと……
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