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和馬サイド 反省

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あれから僕はみんなから無視されることになった。
ただ凛太郎と琢磨と一緒に、ずっとずっと仲良くしたいと思っていただけなのに。
だけど、みんなが僕を悪く言った。
不思議と暴力を振るわれたりはしなかったけど、みんなが僕を居ないかのように扱った。
琢磨でさえ僕を無視した。あの朝礼からずっと琢磨は塞ぎ込んで食も細くなっていったのに、しばらくしたらリンくんと仲直りして、元の明るい琢磨に戻っていった。
僕が生徒会室に行かなければ、仕事が大変でしょう? 
そう思っていたのに、初めから僕なんて必要なかったかのように前よりもうまく機能している生徒会室を見て僕は愕然とした。

僕だけがずっとこのままなの……?

そう不安になった。

僕が悪いの……?

だって、寂しかったんだ。

仕方なかったんだ。

僕以外のみんなは幸せそうに笑っていて、僕だけけがこの学校の異物になったみたいだった。

誰の目にも映らない。
けどずっとここに居るんだ。
誰の目にも映らないならと、僕は授業をサボるようになった。

この頃には本当に自分がしたことが間違っていたことは分かっていた。
だけど今更気がついたって遅いって分かってるから。
ごめん。リンくん。結城副会長。

僕は学校を中退した。
親からは泣かれて勘当された。
でも、僕には自分のやったことの責任の取り方が分からなかった。
寮の片付けをして敷地から出て振り返って校舎を見た。

僕という異物がなくなって、心なしか校舎も輝いて見える。
なんて感傷に浸りながらボストンバック1つの荷物を持ってあてもなく歩き始めた。

「おい、お前」

振り返ると副会長がいた。
だけどなんだかいつもと雰囲気が違うように見えた。

「副会長……、すみませんでした。謝って済む問題じゃないって分かってます。でも、本当にすみません」

頭を下げてそう言うと副会長は笑った。

「はははっ。俺は副会長じゃないぞ」
「え?」
「俺は忠次の兄の吉次だ!」
「お、兄さん?」
「ああ。お前は月城和馬だろう?」
「……はい」
「俺と一緒に来い」

そう言って僕の手を掴んで近くの黒いリムジンに押し込まれた。
副会長のお兄さんと言うことは、一条組の若頭なんだろう。
どこに行くのか、何をされるのか、させられるのか、何も分からなかったけど、別にどうでもよかった。このまま臓器を抜かれて、残りは海に沈められるのかもしれない。
でもそれでも別に構わない。

「お前、相当やらかしたらしいな」

吉次さんに静かにそう問いかけられた。

「はい」
「正直、忠次の不利益になることしたってのは許せないが、忠次がお前のことを助けてやれって言うもんだから……まぁ、お前も知ってると思うが、俺たちは間違いだらけのお家柄だろう? だから、性根腐ってるお前みたいなやつの寄せ集めだ。だが、これからは忠次のために文字通り命がけで働け。一生かけて忠次に従え」
「え?」
「行くところがないんだろう?」
「はい」
「今日からお前は一条組の舎弟だ。いいな?」
「僕、なんかが、いいんですか」
「忠次がそう望んでいる」
「僕、誓います。た、忠次様に一生の忠誠」
「そうか」

吉次さんは僕の答えに満足そうに笑っていた。
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