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放課後になって生徒会が終わる時刻に合わせて交通整理をした。
そのあと部屋に戻ってから会長にメールしよう思っていたら、寮の出入口から会長がこっそりと出てくるのが見えた。
なんでこっそりしてるんだろう。
ま、今聞けばいいかと俺は会長が行った方へ向かった。
「かい……」
声をかけようとした時、会長のそばに人がいるのに気がついて俺はとっさに物陰に隠れて様子を見た。すると、なんと会長と一緒にいたのは俺と前に体の関係を持っていた生徒の1人だった。
なんで。
なんで会長はこっそり俺じゃない人と会ってるの。
2人は何やら話していて、途中少し揉め出した。
俺は出ていくべきなのか、出て行かないべきなのか悩みつつ結局ただただ2人を眺めてた。
でも会長がその生徒にスマホの画面を見せた後、その生徒は泣き出した。
そして会長に頭を下げてその場から走ってどこかへ行ってしまった。
なんだろう。
もしかして会長が告白されて断ったのかな。
だけど会長への告白は一応俺を通さないといけないことになってる。
あれ、よくよく考えたら俺ってめっちゃ最悪じゃん。
隊長の座を利用して会長に取り入ったと言っても過言じゃないじゃん。
どうしよう。
「誰だ」
会長の冷たい声が響いた。
ば……ばれた……。
盗み聞きなんてって嫌われるかな。
逃げたい。
「何だ。龍介か。どうしたんだ? あ、もしかして旅行の話し合いか?」
俺のところまで歩いてきて俺を見つけた会長は、先ほどの冷たい声とは打って変わってまたテンションの高い会長になってひとまず俺は安心した。
よっぽど遊園地が楽しみらしい。
「あ、まぁ。そんなところです。あと、聞きたいことがあって」
「聞きたいこと? なんだ?」
「俺の、その、俺の過去の交友関係あった人たちになにかしたりしました?」
「…………どうしてそう思う?」
会長の雰囲気が変わった気がした。
「どうしてって、会長と付き合ってから誘われること全然なくなったんで……。あ! 違いますよ! 誘われても俺は行きませんけど! 突然示し合わせたように誘われなくなったんで何かあったのかなぁって」
「誘われないほうが都合がいいだろ?」
「え、そうですけど。でもやっぱり会長が何か」
「いや、俺は何もしてないが」
「そ、そうですよね。じゃあなんでなんだろ」
「それはそんなに重要なことか?」
「え?」
「過去のセフレが誘ってこなかったとしてお前に不都合があるのか」
また会長の声が低く冷たい声になった。
「あ……いえ。気味が悪いなと思っただけです。でも俺、会長一筋なので都合がいいんです」
「そうか」
そう返事をしながら会長はやたらと上機嫌な笑顔になった。
まぁ、なんで誘われなくなったのかは謎だけど、会長の言う通り今は関係ないからいいか。
一番初めに俺を脅して関係を持ったあの生徒すら最近は俺に話しかけてこないんだから。
「じゃあ、いつ行くか決めようか。体育祭も終わって生徒会の仕事も今月中は落ち着いているから今月中にしないか? 龍介の都合はどうだ?」
「あ、生徒会の仕事が落ち着いてる時は俺も必然的に落ち着くのでいつでも大丈夫です」
「じゃあこの日はどうだ?」
会長はスマホのカレンダーを開いて2週間後の土曜日を指した。
「はい。それでお願いします」
「楽しみだなぁ。泊まることになるが全部俺に任せてくれるか?」
「え、でも会長にだけ押し付けてしまったら悪いですよ」
「俺がやりたいんだ。ダメか?」
子犬のような目で見つめられて俺は気がついたら「お願いします」と言っていた。
そのあと部屋に戻ってから会長にメールしよう思っていたら、寮の出入口から会長がこっそりと出てくるのが見えた。
なんでこっそりしてるんだろう。
ま、今聞けばいいかと俺は会長が行った方へ向かった。
「かい……」
声をかけようとした時、会長のそばに人がいるのに気がついて俺はとっさに物陰に隠れて様子を見た。すると、なんと会長と一緒にいたのは俺と前に体の関係を持っていた生徒の1人だった。
なんで。
なんで会長はこっそり俺じゃない人と会ってるの。
2人は何やら話していて、途中少し揉め出した。
俺は出ていくべきなのか、出て行かないべきなのか悩みつつ結局ただただ2人を眺めてた。
でも会長がその生徒にスマホの画面を見せた後、その生徒は泣き出した。
そして会長に頭を下げてその場から走ってどこかへ行ってしまった。
なんだろう。
もしかして会長が告白されて断ったのかな。
だけど会長への告白は一応俺を通さないといけないことになってる。
あれ、よくよく考えたら俺ってめっちゃ最悪じゃん。
隊長の座を利用して会長に取り入ったと言っても過言じゃないじゃん。
どうしよう。
「誰だ」
会長の冷たい声が響いた。
ば……ばれた……。
盗み聞きなんてって嫌われるかな。
逃げたい。
「何だ。龍介か。どうしたんだ? あ、もしかして旅行の話し合いか?」
俺のところまで歩いてきて俺を見つけた会長は、先ほどの冷たい声とは打って変わってまたテンションの高い会長になってひとまず俺は安心した。
よっぽど遊園地が楽しみらしい。
「あ、まぁ。そんなところです。あと、聞きたいことがあって」
「聞きたいこと? なんだ?」
「俺の、その、俺の過去の交友関係あった人たちになにかしたりしました?」
「…………どうしてそう思う?」
会長の雰囲気が変わった気がした。
「どうしてって、会長と付き合ってから誘われること全然なくなったんで……。あ! 違いますよ! 誘われても俺は行きませんけど! 突然示し合わせたように誘われなくなったんで何かあったのかなぁって」
「誘われないほうが都合がいいだろ?」
「え、そうですけど。でもやっぱり会長が何か」
「いや、俺は何もしてないが」
「そ、そうですよね。じゃあなんでなんだろ」
「それはそんなに重要なことか?」
「え?」
「過去のセフレが誘ってこなかったとしてお前に不都合があるのか」
また会長の声が低く冷たい声になった。
「あ……いえ。気味が悪いなと思っただけです。でも俺、会長一筋なので都合がいいんです」
「そうか」
そう返事をしながら会長はやたらと上機嫌な笑顔になった。
まぁ、なんで誘われなくなったのかは謎だけど、会長の言う通り今は関係ないからいいか。
一番初めに俺を脅して関係を持ったあの生徒すら最近は俺に話しかけてこないんだから。
「じゃあ、いつ行くか決めようか。体育祭も終わって生徒会の仕事も今月中は落ち着いているから今月中にしないか? 龍介の都合はどうだ?」
「あ、生徒会の仕事が落ち着いてる時は俺も必然的に落ち着くのでいつでも大丈夫です」
「じゃあこの日はどうだ?」
会長はスマホのカレンダーを開いて2週間後の土曜日を指した。
「はい。それでお願いします」
「楽しみだなぁ。泊まることになるが全部俺に任せてくれるか?」
「え、でも会長にだけ押し付けてしまったら悪いですよ」
「俺がやりたいんだ。ダメか?」
子犬のような目で見つめられて俺は気がついたら「お願いします」と言っていた。
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