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好きになってはダメな人でした
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しおりを挟む「よし、行ったわね。じゃあ続きを始めましょう」
私は娘が車で学校へ行くのを二階の窓から見届けてからカーテンを閉める。
別に娘が可愛くないという訳でもないが夫のように溺愛しているという程でもな
いというのが私のスタンスである。だってあれを見るとこっちまで胃もたれしそ
うになってしまうのだ、そこまでの情熱を向ける存在ではないのが娘だろう。
子供はただの義務として生んだだけだし、そもそも結婚だってそうであるのだか
ら私が特別という訳ではないだろう。全ては貴族として生きて行くには避けられ
ないものだったからで、私にとって子供を産むという事は義務を果たすという事
でしかなかったのだ。
それでもこうやって娘が学校へ行っているのを見送っているのだから大したもの
だろう。なんて母親っぽい事をして満足したら、次は女として満足をしなくては
ならないだろう。今日は新しい子が来ているからそれはそれは楽しくて仕方がな
かったのだ。
今までいろんな男を抱いてはきたけれど、結局最後に辿り着いた結論は「若い男
がいい」である。若さとはとても素晴らしいものである。それが今一番感じてい
る事だった。男が若い女を求めるように、女も若い男を求めるのも別に特別な事
ではないだろう。新鮮さは生きて行く上で大切な事だと思っている、歳を重ねて
行けば行く程それは希少になっていくのだから私はいつだって新鮮さを味わいた
いのだ。
「ねえ、さっきから何がそんなに気になるのか知らないけど集中してくれない? 」
だというのにどういう訳かやたらと部屋のあちこちへと視線が動くのが気になっ
て仕方がない。もっと必死になって欲しい。私を壊すぐらい夢中になって勢いよ
くむしゃぶりつくような姿勢でなくてどうするのだ。私はそれを求めているのだ
からそうするべきだろう。
そもそもこの部屋にそんなに気になるものがあるとでもいうのだろうか?
そんなに何か特別な装飾が施されているという訳でもないこの部屋は多少の道具
があるというだけなのだから。それともそう言う方が好みなのだろうか? それ
ならそれで構わない。それは私も望む所だった。
彼は何が好みなのだろうか?
まあ首輪はマストとしてだ、それ以外なら何がいいだろうか? 猿轡もいいが、
あまり好みではないし、とりあえずのムチで遊んでみる所から始めるのが一番い
いいのかもしれない。どんな感じなのかを理解するには手っ取り早いから。
「じゃあ、とりあえずこれをつけて」
そう言って渡した首輪。
恥ずかしいからと後ろ向いて欲しいという彼に私が従ったのは何故かそれを可愛
いと感じてしまったからで、よく考えてみれがまったくもって意味が分からない
行動であった。
「もういい? 」
そして私が振りかえればそこにはデリンジャーがあった。
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