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菫川ヒイロ

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されど初恋

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 『どうしてなのだろうか? 』
 その疑問がずっと消えなくて私は考え込んでしまう。
 それが私の悪い癖なのだとしてもそうせずにはいられなかったのだ。
 だって私にとってこの恋はとても大切な初めての恋だったから。
 
 
 初めて彼の事を知ったのはテーナとのちょっとした会話の中だった。
 私とテーナは幼い時からの友達でクラスは違えど昔からよく遊んでいたからお互
 いの事をよく知っていたし、基本的に学校が休みの日はとりあえず会うという間
 柄だった。
 
 
 だからそんなテーナからちょくちょく彼の名前を聞くようになった私は気が付い
 てしまったのだ『これは気になっているのだろうな』と。それはとても素晴らし
 い事だと私は思っていたし、そのうちに良い報告が聞ける日が来るのではないか
 と楽しみだったからつい笑みが零れてしまった。
 
 
「何? 何かいい事でもあったの? 」


 なんてテーナに聞かれた時は言った方がいいのかと悩んだけど、結局言わないで
 おく事にしたのは、テーナの性格上そう言う事を言わない方がいいと思ったのか
 らだ。指摘はせずにテーナが自分から言って来る事を待つことにした私の判断は
 間違っていただろうか?
 
 
 碌に見たこと事もない彼の事を私はテーナからの情報で形作っていった。
 見た目はよく居るようなタイプの男の子のようで、自己主張などをするタイプで
 はなくって気を留めてないと気が付かないなんて事もあるらしいく、不意に姿が
 見えなくなっているなんて事もよくあるらしい。
 
 
 なにそれって誰もが思うだろうし、私も伊賀か甲賀かで悩んだりもした。
 
 
 基本的にはあまりしゃべらないらしく、必要な事だけしか言わないので理解する
 のが難しかったらしいけど慣れると寧ろその方が良いらしいく、後になってから
 話が繋がると結構感動したりするらしいがそれの何がいいのかは私には分からな
 い。
 
 
 忍びの者らしく無口なのは想像出来たけど、そんな謎解きみたいな事をするなん
 て尚更忍者感が増してきて私の中で彼は忍び装束を着ていたし、ニンニンと手は
 印を結んでおりもう完璧に一人の忍者が出来上がってしまったのだ。忍者が居る
 学園生活とはなかなかに面白いのではないだろうか?
 
 
 そして私は重要な事に気が付いてしまったのだ、
 『忍者って恋愛してもいいのだろうか? 』という事だ。
 掟だとかなんだとかいろいろあるのではないだろうかと変な心配をしながらも
 それはそれで面白そうだと思い始めていた。
 
 




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