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そこに愛はありますか?
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しおりを挟むそもそも愛だの恋だのと言っているのが俺にはまったく理解が出来なかったと
いうのが正直な感想だった。馬鹿じゃないのか? なんて思っていても言っては
いけないという事を俺がただ知っているというだけで、本当なら今すぐにでも
言ってやりたいくらいなのだ。
「お母さん行って来るから」
わざわざそんな報告をしてから出かけたので母もういない。
そしてこの場には姉ちゃんと俺、二人だけの最悪な世界だった。
出来る事なら自分だけの世界であって欲しかったと思うのは傲慢な考え方だろう
か? と食事をする姉ちゃんを見ながら思った。
姉ちゃんはバクバクと箸が止まる事なく食べ続けている。
失恋だとか何だとか騒いだ所で結局人間は食べないと生きていけない訳で、
そもそも姉ちゃんの行動はいつもと何ら変わり映えはせずに、これで何回目だと
かいう事すら馬鹿馬鹿しいのだ。
別に分かっていた事だろうに。始まれば終わりが来るのが当たり前だというのに
そんな当たり前の事ですら忘れてしまったという事ならば思い出させてやるのが
弟の役割なのかもしれない。
「それで、いくら貢いだの? 」
俺の質問に姉は面倒臭そうに指を三つ立てたのを見て俺は正直引いた。
それはない、さすがに三十万は馬鹿がする事だ。どうしてそんな事をしたのか?
というよりもこれは最早病気の領域だった。
「姉ちゃん。流石にそれはダメだって。三十は人間がつぎ込む額じゃない」
「はあ? 誰が三十って言ったのよ。勘違いしてんじゃないわよ、三百よ三百! 」
既に末期だという事を知った俺は言葉を失った。
あり得ない。いくら実家から出ていないとはいえ三百も突っ込むとかもうそれは
ただのジャンカーじゃないか! まさか身内にこんなのが居るなんて俺はショック
だった。三百も突っ込むとか狂っているとしか思えない。
「だからコンシュマーにしとけって言ったのに……ソシャゲなんて何も残らないの
に何やってんだよ! 」
「私だって知ってたわよ! だからちょっとだけのつもりだったのに、だんだん
増えていっただけなのよ! 私はただ名前を呼んで欲しかっただけなのに、それ
だけだったのにどうしてなのよ! もっと課金すればよかったっていうの? 」
箸を握りしめたままテーブルを叩く姉の姿を見て俺は、まだ諦めていないのかと
恐怖する。一体何が姉ちゃんをそうさせるのか? これが愛だとでもいうのだろ
うか? だとしたらそこに愛なんてものが存在しているのだろうか?
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