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夏の思い出
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しおりを挟む「ねえ、ここってどうすればいいの? 」
そう聞いた私の事を頭のおかしな奴を見るような目で見る彼に私は心外だとばか
りに首を振った。まさか私が同じ過ちを犯すなんて事がある訳がないではないか
私をそこら辺の馬鹿と一緒にしないでもらいたい。
「え、馬鹿なのか」
でもそんな私の気持ちなど知らない彼が発したのはまさかの言葉で、私はつい
むきになってしまった。
「何がよ! アンタと一緒のソフトでしょ」
私はあれから調べたのだ彼が使っているソフトを、だから間違ってはいないはず
で、それなのにそんな言われようは心外である。
「別にそこまでしなくてもいいだろ、これ結構するのに」
それは確かに思った。なんでこんな値段なんだと躊躇はしたけど私は買った。
だって私は他人に合わせるのが得意なのだ。
それから彼が私に懇切丁寧に教えてはくれたけど、結局はあまりよく分からない
ままである。結局は出来る人に聞けばいいという最も効率がいい方法を見つけて
しまった為で、それはこの授業の本質を完全に無視するものだった。
そんな出会いだった私達。
だからいつも私の方から聞くという状況が当たり前になってしまっており、
それは私の行動原理からすればおかしな事ではあったけど何故か許容出来て
しまっていたのだ。
彼は彼で私が話しかければ答えるけれど、普段は黙々と作業をしているような
そんな奴で、基本的には無口だし何を考えているか分からないという評判の
持ち主で嫌われているという訳でもないが距離を置かれている存在なので、私が
彼の担当にされてしまっていたのだ。
「明日、映画見にいかないか? 」
突然彼がそんな事を言うから私はプチパニックになってしまい、少しフリーズ
してしまってでもすぐに復帰する。なんだこれ? どういうことだ? 映画?
何で私と? もしかしてデートに誘っているのか? そう思い至ったら笑えて
来てしまった。
突然すぎるだろ! もっと上手く出来ないのか?
でもこれはこれで彼らしいし、不思議と嫌じゃなかったから私は笑うのを止めて
オッケーを出したのだ。
「いいよ。何時にする? 」
彼の耳が真っ赤になっているのは黙っておいてあげよう。
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