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フラグ
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しおりを挟むはあ はあ はあ はあ
息が苦しい。
とにかく空気が吸いたいと思っていた。
でもそれをするにはこのヘルムを外さないといけないのでそれは出来なかった。
これが無くては意味がない、何の為にこのヘルムがあるのかを考えれば当然の
判断なのだが……
はあ はあ はあ はあ
狭い視界の中で必死に辺りを見渡しながら敵の位置を確認するにも余りにも重く
動きにくい甲冑にイラつきながらも馬を操るのは死にたくないという事もあるが
俺には役目があり、それを達成しなくては俺がこの戦場に居る意味がなくなって
しまうからだ。
そもそも俺がどうしてここに居るのかと言えば全てはイライザと結婚する為で
あった。彼女と俺は確かに愛し合っていた、だから結婚をする事を決めたのだが
そうは簡単に事は運ばなかった。彼女の父親に反対されたのだ。
理由は簡単だった。
ただ俺に何も無かったという事だけだ。
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娘はやれないと言われてしまったのだ。
なんとなくこうなるであろう事は分かっていたが、それでもどうにかなるんじゃ
ないかという安易な考えがあったのだ、馬とか乗れたりするし。でもそんなに
上手くいくなんて事がある訳もなく、父親に自己紹介をした時に言われた言葉は
よく覚えている。
「君は何をしている人なんだ? 」
そう聞かれて答える事が出来なかった俺には何かの肩書が必要だったのだ。
それさえあれば全てが解決する、イライザとも結婚が出来る。その為に俺はこの
戦場へやって来たのだ。大将首でも取れば一躍有名人にだってなれる一発逆転の
場所なのだ。
だから俺はここへやって来た。
そこは簡単に命を落としてしまう、そんな場所でもあったのだ。
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