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フラグ
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しおりを挟むベルウカ平原、そこが今回の戦場であった。
視界を遮る物など何もない、こんな場所でこれから戦が行われるとは到底思えな
いような、見渡す限り全てが緑色だった。
ここへやって来るまで一応の戦闘訓練を受けたが、はっきり言って滅茶苦茶であっ
た。教えられたのは敵が来たら槍を突き出す、ただそれだけである。そんな事で
本当に敵を倒せるのかなんて分からない、分からないがやるしかない。だって
今の俺にはそれしか出来ないのだから。
むぎゅむぎゅと硬いパンを水で飲み込むが、これから本当に戦があるのかよく
分からない。ただパンをもって来た兵士がそう言っていたというだけの事である。
ここでは何もかもが兵士達に管理されていた。
「まったくこんなんじゃ物足りないぜ、これから戦うっていうのによ」
「嗚呼、まったくだ。あいつ等、俺達の事をただの駒だとしか思ってないんだよ。
こんなんじゃあやる気なんて出るかよ」
そんな文句を言っている奴らも結局は兵士の言う事を聞いて並ばされる。
「いいか、ラッパが鳴ったら突撃だ。いいな? ラッパが鳴ったら走って行け!
そうすれば敵が来るから練習した通りに槍を出せ。お前等はそれだけでいい、
余計な事は考えなくていいから練習通りにするんだぞ、わかったか! 」
大声で説明をする兵士の言葉を聞きながら俺は何だか不思議な気分になっていた。
それは周りに居る奴らも同じなようで、何というかこれから始まるという変な
高揚感に包まれていたのだ。だからその場に居る全員がにやけ顔をして、これか
ら始まる戦で自分が勝つ事だけしか考えていなかった。
パッパラッパ パッパラー パッパラッパラー
ラッパの音が響き渡り、そして俺達は走り出す。
そして反対側からも同じようにやって来る奴らを目にして分かってしまった。
おおおおおおおおっ!
不思議と声が出ていた。
それはこれから始まる戦いへの高揚感からなどではなく、ただただこれから
始まる殺し合いへの恐怖に打ち勝つ為の咆哮だった。みんな気が付いてしまった
のだ、どんなに虚勢を張った所で現実は何も変わらないのだという事を。
それでも立ち向かう為には必要だった。
それが戦というものなのだ。
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